
駅前の放置自転車については、頭を痛めている自治体は少なくありません。
なかなか有効な手がなく、その対策に大きな予算をとられ、そのため鉄道業者に課税しようとして話題になった自治体もありました。そんな中で、放置自転車について、ちょっと気になるニュースがありました。
神奈川新聞の6月のローカルニュースによれば、川崎で7月から駐輪場の値下げに踏み切ると報じられています。
記事自体は、なんの変哲もないもので、うっかりすると見逃してしまうようなものでしたが、よく考えると駐輪場の値下げは珍しいです。川崎市も、「全国でも珍しいのでは」と話していたようですが、確かに、自転車対策の財源として値上げされることはあっても、なかなか値下げは聞いたことがありません。その意味で、小さなニュースですが、印象に残っていました。
それが今度、この9月10日付けの
朝日新聞のローカルニュースに、その後の状況として記事になっているのを見つけました。それによれば、効果が早くも現れ始めたようです。昨年の内閣府全国調査で駅周辺の放置自転車台数が全国でワースト5位だったJR武蔵溝ノ口駅で、7月の調査での自転車・バイクの放置台数が前年9月に比べ3割減ったそうです。
都市部にある駅前などでは、土地の確保や設備建設、維持管理の費用をまかなうため、駐輪場が設置されても有料の場合がほとんどです。そうすると、一定の割合で利用はされますが、どうしても駅前などに放置される自転車が出てきます。
自治体によっても違うでしょうが、その放置自転車の撤去や移送、返還などの手続きに人件費をはじめとする費用がかさみます。そのため返還手数料が高くなると、新たに購入するのと差が少なくなり、返還される率は、どこでも低迷しているようです。また新たな自転車の放置になるいたちごっこです。

今回の川崎の取り組みは、駐輪場の値下げや、利用時間の延長などによって、その利用率を高め、放置自転車の減少につながっています。すると放置自転車対策費の低減にもつながり、返還費用が高くなる悪循環にもなりにくくなるでしょう。
利用料金の値下げという、今までにあまり例のない突破口によって、放置自転車問題がいい循環になれば素晴らしいと思います。理想としては、駐輪場は全て無料で、全ての利用者が駐輪場をきちんと利用することです。
そこまでいくのは非現実的のような気もしますが、料金値下げにより、多くの利用者が駐輪場を利用し、放置自転車が少なくなって行けば、放置もしにくくなり、さらに駐輪場の利用が進み、さらなる値下げにもつながるという、いい循環が出来れば、もしかしたら可能かもしれません。
まだ、この先どうなるかはわかりません。劇的な効果は見込めなくても、じわじわといい方向にいくことを期待したいところです。成功例となれば、他の自治体にも広がるかもしれません。ちょっと注目しています。
昨日は夜遅くまで飲んで帰ってきた後、選挙の結果をテレビで見ながら寝てしまいました。うーん首が痛い(笑)。
Posted by cycleroad at 08:00│
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