秋の全国交通安全運動の一環として、自転車でスピードを出して坂を下る危険を知ってもらおうと、高校生らの速度を測定したそうです。スピードガンで測ったのでしょうか。ちょっと珍しい試みです。速度を教えられ、驚いた表情を浮かべていたと記事は結ばれています。
ただ、速度を聞いて注意されて、みな速度を落とすようになるでしょうか。もちろん活動の意義は認めます。確かに自転車で暴走する人に恐怖を感じている住人は、一人や二人ではないはずです。これによって何割かの人は、その後多少はスピードを落とすかもしれません。
意地の悪い見方ですが、私なら1ヶ月もたたずに、ほとんど元に戻る方に賭けます。警察も、最初からそこまでは期待してないでしょう。やはり、坂道の途中に、車止めのような柵を設けるしかないのではないでしょうか。スピードを落とさざるをえないような障害物を配置するのです。車道には設置出来ませんが、歩行者は守れます。
今年の2月に、原付バイクの通行が禁止された自転車専用道路を走行し、注意を受けたことに腹を立て、58歳の男性に殴る蹴るなどの暴行を加えたとして、神奈川県平塚市内の15歳の少年3人が傷害容疑で逮捕された、という事件がありました。
現場付近では以前から自転車専用道のバイク通行が問題となっていたものの、暴行事件に発展した例は初めてだそうです。場合によっては、隠し持ったナイフで刺されたり、仲間を呼ばれて、鉄パイプで袋叩きにあう可能性だって否定できません。事実、残念ながら、そうして命を落とした人もいます。実際には、注意する人は限りなく少ないはずです。
また、注意をしたわけでもないのに、目が合っただけで暴行を受けて、しかも被害届けすら出せずに泣き寝入り、という話も聞いたことがあります。少年は逮捕され、更正施設に入るでしょうが、集団での陰湿な復讐が続き、あげくに放火されて家が全焼した人もいるそうです。そんなことを聞いたら、確かに被害届けを出すのにも覚悟が必要です。

もちろん、そんな地区ばかりではないでしょう。しかし少年犯罪も凶悪化する中、周囲の大人が注意をしたり、地域で非行を防ぐようなことは期待できなくなってきています。やはり、自転車専用道には車止めを設置して、物理的に原付バイクが進入出来ないようにするしかないのでしょう。
新しく整備された自転車専用道路に、写真のようなタイプの新しい車止めが設置されていることがあります。自転車でも通過しにくいタイプです。最初は、不便だなと感じていましたが、こうした事情もあったのかもしれません。
かなり幅が狭く、自転車でやっとですので、原付バイクは通れなくなっているのでしょう。住民の要望などもあったかもしれません。道路と完全に分離された自転車道は、パトカーも入れませんから、原付バイクの少年達の格好の遊び場や溜まり場になりえます。
私も自転車専用道で、何度も原付バイクに遭遇したことがあります。遠慮がちに通っている人もいますが、文字通り暴走している高校生も見たことがあります。本人はカッコいいと思っているのでしょうが、今にも合流してくる歩行者などを跳ね飛ばしてもおかしくない猛スピードを出して、得意になっていました。事故を起こそうが自業自得ですが、巻き込まれる方は、たまったもんじゃありません。やはり、フェンスなどで物理的に規制するしかなさそうです。
一方で、河川敷などの自転車道に、車止めの間隔が非常に短いところがあります。これは、車止めの種類によっては、とても走りにくく、二度と通りたくないと思ってしまうところもあります。バイクの走行を遮断したり、クルマの違法駐車を防いだりと、目的は理解出来るのですが、サイクリングになりません。あちこち走っている人なら、思い当たるところもあるのではないでしょうか。
本当は、バイクを締め出し、自転車の速度を落とさせるために、行政の設備の整備を頼みにするのは、好ましい方向とは言えません。なんでも行政の責任にして、事故や事件が起きれば、設備の不備までその責任を問う、きわめて日本的な慣行でもあります。
行政にすれば、責任が増大すれば、当然権限の強化を志向します。所轄官庁も肥大化し、規制緩和にも逆行します。小さな政府、官から民への動きに反するものです。社会環境や教育の問題まで関わってくる難しい問題です。本当は、暴走する少年少女達のモラルが向上し、ルールやマナーが守れればいいですが、年々悪化しこそすれ、期待薄です。何かいい解決策はないものでしょうか。
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阪神タイガースの優勝が迫って、戎橋や道頓堀川の川岸に、急遽3メートルの壁が出来たそうですが、これも物理的に防ぐ手段ですね。過保護とか、税金の無駄遣い、飛び込むヤツは自己責任などという意見もあるようです。ファンは聞いちゃいないでしょうけど(笑)。さて、彼らの歓喜はどこへ向かうのでしょう?
Posted by cycleroad at 07:00│
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