このブログをご覧の方は、多少なりとも自転車に興味を持ってらっしゃると思いますが、自転車が趣味の人と、世間一般の人の自転車に対するイメージには、大きな乖離があります。私も自転車に興味のない、一般的な人と話すとつくづく感じるときがあります。そしてその人達のほうがマジョリティです。
普通の人、という言い方も変なのですが、趣味のサイクリスト以外の人の自転車のイメージは、まず誰でも乗ったことのあるママチャリのイメージでしょう。大多数の人にとっては、歩くより楽だから、歩くより速いから、歩くより便利だから乗っているに過ぎないのが自転車です。荷物が積めて、買い物カゴ代わりになる程度のものかもしれません。
ほとんど、自転車イコール、ママチャリであり、そう言えば競輪、そしてオリンピックの種目にもあったかなという程度でしょうか。派手めのサイクルジャージを着てロードバイクに乗っていれば、それは競輪選手の練習風景と思っている人も多いと言います。カゴや荷台やスタンドのついてない自転車は、単に壊れているだけと思っているかもしれません(笑)。
実際に、格安なママチャリを、使い捨てのようにする人も少なくありません。たまに折りたたみ自転車などが、福引や懸賞の賞品だったりしますが、新しい靴か傘をもらったくらいにしか感じないかもしれません。事実、自転車より履いている靴の方が高いという人も多いでしょう。
身近にある生活用品であり、スーパーのチラシの特売欄には出ても、テレビCMなどに出ることは少なくなりました。最近では、盗難防止が充実した新製品か、自転車協会の安全基準の宣伝くらいのものですが、あまり見ません。具体的には思い出せないのですが、昔はTVのCMも、いろいろあったようです。
と、言うのも子供用自転車などで知られるメーカー、ツノダのサイトに、1970年代頃に流されていたCMが見られるようになっていました。曲とあわせて懐かしい方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は記憶にないのですが、いかにもその当時の雰囲気が出ているように思えます。
(画像をクリックするとメーカーのサイトへ飛びます。一番下のほうに動画へのリンクがあります。)
もちろん、今だったら全く違うものになるでしょうが、今の時代に、こうした自転車のイメージをアップし、自転車のカッコよさとか、楽しさを訴えるようなCMを流すところが出てこないものでしょうか。最近でこそ、健康に良いとか環境にやさしいと認識され始めていますが、依然として単なるアシであり、ありふれた生活用品です。値段も5千円から1万数千円のものとしてしか見ていないと思います。
ママチャリとして、安いほどいいという価値観を否定はしませんが、自転車が楽しいというところまでは、なかなか行かないのが現実だと思います。もっと魅力的な自転車の世界をアピールし、それに気づいて調べたり、乗ってみようかなと考える人が増えて欲しいと思います。
そして、数千円の自転車では味わえない、軽快な走りや楽しさに気づいて欲しいものです。そうならないと、なかなか本当の意味での自転車の普及は望めませんし、クルマの代替の都市交通としての可能性も開けないでしょう。健康や環境への貢献にしても、楽しくなければ続きませんし、マナーも向上しないでしょう。
マナーの悪い自転車が安全面からも問題になり、放置自転車などの社会問題がなかなか好転しないのも、きちんと自転車を理解した本当の意味でのサイクリストが増えないからのように思えます。
ヨーロッパなどと比べても、日本はママチャリが大多数を占める、特殊な自転車環境にあると思います。決して、自転車オタクと見られたくないから言っている訳ではありません(笑)。趣味のサイクリストなら理解していただけると思いますが、メーカーや販売店なども含め、関係者の方には、自転車のイメージアップや消費者への啓発も考えて欲しいものです。
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昔は、プロ野球のオールスターのMVPの賞品だったという話も聞いたことがあります。隔世の感があります。と、思ったら、2003年のオールスターのサンヨー賞の副賞も自転車だったようです(笑)。電動の9万円相当くらいのものですが..。ツノダのサイトにも書いてありましたが、昔はロールスロイスより高かったとか..。今は誰でも乗れるようになったことには、感謝しなきゃならないですね。
Posted by cycleroad at 07:00│
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