新型冷蔵庫の消費電力が最大でカタログの4倍もあったことが報じられました。家庭での使用実態に合わない測定方法が原因のようですが、日本消費者協会が行った商品テストでも、検査した冷蔵庫すべての消費電力量がカタログ表示の約2〜4倍になったそうです。
4倍というのもひどいですが、実際に気づいた人がいたから明るみに出たものの、氷山の一角なのでしょう。冷蔵庫に限らず、家電製品などで省エネ効果をうたってあれば、何となく信じて疑わないのが普通ではないでしょうか。しかし、従来型より何割少ないと言った時の「従来型」は不明瞭ですし、当社比何割改善と言った時の「当社比」も何と比べたのか明らかではありません。
家電製品でなくても、省エネのために買い換えたら、従来より大型になったり、多機能になったり、便利になったりで、結局消費電力が大きいことはありえます。省エネになった分、今までより長く多く使ってしまい、結局、元の木阿弥ということもあるでしょう。実際に月々の電気料金が下がるとは限らないのです。
クルマもそうです。カタログにある燃費と実際の燃費が違うことは、多くの人が経験上知っています。確かに省エネ技術は進んでいるでしょう。しかし全体として見れば、買い換えるたびに、より多く燃料の必要な大排気量車になっていることも事実です。新車だからと無駄な利用が増えれば、燃費向上を上回る燃料を使ってしまう事だってあるでしょう。
今どき、省エネ効果がうたってあれば、それを選んで満足してしまうことも多いですが、省エネ効果なんて、売る側にしてみれば、売るための作戦に過ぎません。メーカー側の論理による省エネは、実際に使う上で効果があるとも限りません。事実カタログにウソも書かれていたわけですし、故意とは言わないまでも、紛らわしい表示など枚挙に暇がありません。
本当に省エネをしようと思ったら、エネルギーをまず使わないことを考えるのが先決でしょう。生活を見直して、無駄な行動や消費を削減する方が効果があります。機器の必要性や買い換えたことによる省エネ効果の大きさにもよりますが、製品の製造や流通にも多大なエネルギーが使われていることも忘れるべきではありません。
原油高の折りでもあり、ハイブリッド車もいいですが、まずクルマの使用を減らした方が、よっぽど効果があります。事業用はともかく家庭では減らせる部分もあるのではないでしょうか。クルマを使う分を、もっと自転車に置き換えてみてはどうでしょう。やってみれば、思いもよらず遠くまで行けます。
ふだん使わない部分を、節約のため仕方なく自転車にしてみたものの、気持ちもいいし、健康にもいいし、渋滞がない分、意外に速く着いてしまったということも多いです。ふだん使っている空気の抜けて錆びた自転車では、なかなか爽快感が得られない場合もありますが、空気を補充し、サビを取り、油をさし、整備してみましょう。きっと見違えるはずです。
持っていない方は、自動車を省エネ型にする前に、新しく自転車を購入してはいかがでしょう。出来れば少し高くても、軽くていい自転車を選んで下さい。別に自転車屋さんの味方をするつもりはありませんが、今どきの自転車は安すぎて、重くて楽しくないものも多いのです。スポーツバイクにすれば、
目からウロコが落ちるかもしれません。
電気や化石燃料を節約することも大事です。省エネ自体を悪いというわけではありません。でも、節約のために機器を買い換えるくらいなら、自転車の活用に限らず、なるべく電気や化石燃料由来のエネルギーを使わない生活を考えてみる余地はありそうです。
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リサイクルも、似たようなところがあります。リサイクルするための分別・回収や洗浄・製造などに余計にエネルギーがかかり、かえって環境に負担をかける場合があります。それでも批判を恐れてリサイクルせざるを得ないとするなら、本末転倒です。素人には判断の難しい部分ですが、
もっと根本的に考えなければなりませんね。
Posted by cycleroad at 07:00│
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