December 08, 2005

周囲を巻き込み地域で考える

さすまた昨日は、地域の防犯について考えてみました。


関連して、学校の防犯について、日頃感じていることを書いてみたいと思います。地域差もあるでしょうが、学校は警備を厳重にし、不審者の侵入を許さない方向へ進んでいるようです。一時期、学校へ不審者が侵入して児童を殺傷するなどの事件が相次いだ影響でしょう。

もちろん保護者の要望もあると思います。厳重に門を閉ざし、監視カメラなどが設置されています。今まで近道なので気軽に通り抜けていた学校も、そうは行かなくなりました。通れても、なんだか気が引けます。

話はとびますが、デパートには、店員しか知らない暗号があるという話を聞いたことがあります。例えば、ある決まった曲がBGMとしてかかると、外は雨になったとか、ブラックリストにある要注意人物が来店したとか、必要な情報をさりげなく伝えているのだそうです。館内放送にも、何かの符牒が隠されていたり、特別の意味をもつ隠語があったりするそうです。店員同士の会話でも、専門用語とは別に、その店、あるいはその系列デパートでしか通じない特別な単語があるそうです。

各社違うようですが、トイレとか、昼飯とか、休憩などを表す言葉も決まっています。あまり気をつけて聞くことはありませんが、デパートの店員さん同士の会話には、「昼飯食ってくるわ」とか「トイレ行ってきます」、「彼女は休憩中です」などは出てこないのだそうです。要するに、お客様に聞かれると印象の悪い会話は、暗号化されているわけです。

ところで、最近学校にもそれがあるという話です。どこの学校でもある訳ではないと思いますが、先生同士や生徒にも、あらかじめ伝えておく符牒が決まっているのだそうです。普通の校内放送のように聞こえますが、その符牒が含まれていたら、校庭に避難しなさいとか、教室から出ないようにしなさいなどと、覚えさせるわけです。もちろん不審者の侵入に備え、不審者にわからないように伝達するためです。

さすまたテレビなどでも報じられていましたが、先生が写真のような「さすまた」の使い方を練習したりするそうです。またそれぞれ、不審者を取り押さえる役とか、子供を避難させる役、警察へ通報する役などの役割分担も決まっています。そのほかにも、各学校によって、いろいろな対策が立てられているようです。先生方もご苦労なことです。

たしかに安全対策は必要だと思いますが、全て自分達が背負う、こうした方向性はどうなのでしょう。私は専門家ではないので、あくまで印象です。もちろん保護者の要望もあるでしょう。否応なく対策は立てなければならない面もあるでしょう。しかし、考え方として、逆の方向はないのでしょうか。

門を閉ざし防御を固めても、進入しようとすればいくらでも方法はあります。一旦進入されてしまえば、後は教師だけで対応しなければなりません。それならもっとオープンにして、いざという時、校内放送だけで対応するのではなく、学校周辺、町内にむけてサイレンを鳴らし、地元の人に駆けつけてもらうようにしたらどうなのでしょう。

もちろん一般市民が、いかにバットや木刀を持って駆けつけても、どうにもならないかもしれません。でも、教師だけで立ち向かうより、数で対抗することも出来ます。何よりも、周りの住民がいつでも駆けつけるぞ、いつでも見守っているぞ、という態勢をとることが、犯罪の抑止につながるのではないでしょうか。

せっかく、門や塀を増強して、教師が武器の練習までしているのに、水を差したいわけではありません。でも泥棒だって、塀の高い家は進入してしまえば仕事はやりやすいと言います。外から中がよく見える塀の低い家の方が狙われにくいのです。自分達で何とかしなければという使命感は評価しますが、もっと地域に頼るような考え方もあっていいのでは、と思います。

最近起きている児童の連れ去り事件については、登下校時に発生していることもあって、学校に対応を求める声もあるようです。集団登下校や通学路の点検、児童が一人にならないような配慮など、検討すべき点もあるでしょう。保護者もなかなか迎えに行けないこともありますし、不安ももっともです。

なかには教師に登下校の際の見張りまで要請する例もあるようですが、果たしてどこまで対応出来るのでしょうか。通学路にまで守備範囲を広げて目を光らせるには広すぎますし、教師が足りないでしょう。地域による事情も違うと思いますが、学校の内や外で、もっと地域住民に協力を頼む方向性を考えてもいいような気がします。




◇ ◇ ◇

最近、児童が歩いていても下手に声もかけらません。今までだって、特に声をかけていたわけではありませんが..。しかし子供にも大人への不信感ばかり募るでしょうし、人間不信とまでは言いませんが、心の発達の部分において、どうなんでしょう。仕方のないことなのでしょうか。

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この記事へのコメント
オープンな学校にするのはとてもナイスなアイデアだと思います。教師だって人間だし、登下校など全部に責任を持てって言われたって困ると思います。最近はニュースをみると必ず誰かが殺されてます、なんだか寂しい。
Posted by 沖縄の人 at December 08, 2005 17:12
沖縄の人さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
地味な記事へ、ご賛同いただき嬉しいです(笑)。
最近の教師は、ITへも対応しなくてはならないし、指導力不足は指摘されるし、教室は荒れるし、大変なようです。それでなくても、親が教育を教師に任せきりという指摘もありますね。学校と家庭と地域で子供を育てるという考え方も必要だと思います。
ああ確かに。殺人事件、多いですね。
Posted by cycleroad at December 09, 2005 07:25
 
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