December 09, 2005

はやる気持ちを抑えるために

ハートレートモニター自転車の走行中に、つい力が入ることはないでしょぅか。


例えばサイクリングロードを走行している時、他の自転車に抜かれて、なんとなく張り合ってしまう、なんてことありませんか。抜き返さずとも、ついて行こうと頑張ってしまうとか..。サイコン(サイクルコンピューター)を見ながら、平均速度の数字を上げようと頑張ってしまうことはないでしょうか。

いつものコースなら、トータル所要タイムの新記録を出そうとか..。サイコンで数字が出ると、どうしても気になります。目標タイムを決めるなど、何かを張り合いにしてトレーニングしたり、運動不足の解消やダイエットを目指す方もいるかもしれません。別に否定するわけじゃありません。

ハートレートモニターハートレートモニター

しかし、そうしてただガムシャラに頑張っていると、せっかく目指している有酸素運動にならなかったり、トレーニングの効果があがらなかったりします。先を急ぐあまり、無理して信号を渡ってしまい危険な目にあったり、歩行者や他の自転車と事故も起こしかねません。またオーバーワークになって筋肉や関節を痛めたり、心臓に負担がかかったり血圧が上がるのも、カラダによくありません。

日常の走行で他人と張り合ったり、あまり意味のない数字を目指して危険を冒すのもバカバカしくないでしょうか。むしろ適切な速度を保つべきです。トレーニングに励むのはいいですが、より効果的な方法を取り入れるべきです。ただやみくもに頑張るだけでは、自転車に乗るのがいつの間にかイヤになって、遠ざかってしまう人もいます。

前フリが長くなってしまいましたが(笑)、そうした場合には、ハートレートモニター(心拍計)が有効かも知れません。使っている方もあると思います。私も、自転車に本格的に乗り始めてすぐの頃から使っています。ハートレートモニターをつけるようになってからは、むやみにスピードを出すこともなくなりました。

ハートレートモニターハートレートモニター

サイクルコンピューターが、言ってみればクルマのスピードメーターやオドメーター(距離計)だとするならば、ハートレートモニターは、タコメーターのようなものです。ケイデンスは、あくまでクランクの回転数です。自転車のいわばエンジンである、乗る人の心臓の心拍数こそ出力の目安になるわけです。1分間の心拍数がリアルタイムに変わりますので、それを一定に保つよう走行するわけです。

風向きやその日のコンディションなどによって、細かいことを言えばタイヤの空気圧や自転車の整備状態などによって、同じ道でも日によってスピードの出具合は変わります。スピードが変わっても、心拍数は一定になるようにするわけです。調子が良かろうが、他車に抜かれようが、心拍数を変えないようにします。人によって違いますが、ある心拍数の幅を超えると無酸素運動になっていきますし、届かなくても運動の効果が出ないからです。

その心拍数の求め方は、俗に200公式とか220公式とか呼ばれるものがあります。バルキー法だとか、いろいろな理論に基づいています。その中でも有名なのはマフェトン理論ではないでしょうか。これからハートレートモニターを導入しようという方のために、簡単に説明を載せておきます。

マフェトン理論とは、フィリップ・マフェトン博士が提唱するトレーニング理論です。体にはエアロビック筋とアネロビック筋という2種類の筋肉があります。主にエアロビック筋を使って行う運動がエアロビック(有酸素)運動であり、アネロビック筋を使って行う運動がアネロビック(無酸素)運動になるわけです。わかりやすいイメージでは、短距離走は無酸素運動、長距離走は有酸素運動です。

ハートレートモニター有酸素運動が、脂肪をエネルギーとして使う、いわば持久的運動で、長時間持続できるのに対し、無酸素運動では、糖質をエネルギーとして使う、いわば瞬発的運動なので短時間しか持続出来ません。

有酸素運動は脂肪を効率よくエネルギーに変換できるカラダを作る運動とも言え、比較的大きな筋肉を反復的に使いながら、長時間続けるのが理想です。体に大きな負担をかけることもないので、体力に自信がなくても問題ありません。

例えば、自転車に乗って運動してきたときに、甘いものが食べたくなったり、お腹が空きやすかったり、ご飯などの炭水化物をたくさんとってしまう場合は、うまく有酸素運動ができていない可能性があります。また出来ていれば、体脂肪計などではかると、通常体脂肪率が落ちていくはずです。効果的に有酸素運動をするためには、心拍数がある範囲内に収まるような運動を行わなければなりません。

その心拍数の範囲は、マフェトン理論では、「180−年齢」と言われています。ただし、 病気や病後の場合は、180−年齢−10、よく風邪をひく場合は、180−年齢−5、年に1〜2回風をひく程度なら180−年齢、ケガもなく順調なら180−年齢+5というように調整します。この数値が例えば145だったとしたら、−10の135から145拍の範囲で自転車をこげばいいことになります。

マフェトン理論はエアロビック筋を鍛えますが、いわゆる筋トレではありません。脂肪を効率よくエネルギーに変換できるカラダをつくるのが目的です。ふだん甘いものが食べたくなる とか、 お腹が空きやすい、ごはん類をたくさん食べないと落ち着かない、精神状態の起伏が激しい、体質的に太りやすい、食後に眠くなりやすい、日常生活のスタミナが足りないといった自覚があるときも、有酸素運動が有効とされています。

うまく、この運動が出来ていると持久力が高まり、特に体幹部分の筋肉が安定し、故障しにくい体になります。また、内分泌系、心臓を含む循環器系が活性化し、血糖値が安定します。精神的にも安定し、集中力が増し、積極的な気分になり疲れにくくなると言われています。また、MAFテスト(マキシマム・エアロビック・ファンクション・テスト)と呼ばれる方法によって、エアロビック筋が鍛えられているかを判定することも出来るようになっています。

ハートレートモニターは、各社から出ていますが、ポラール、キャットアイ、タイメックス、スピード、スント、ナイキ、ファーストランニングなどのメーカーの出している、胸に巻くセンサーと腕時計に分かれたタイプがいいと思います。

セイコーなども指先で測るタイプを出していますが、スポーツには向きません。ほかに脈拍部で測るものもありますが、胸にまくタイプの方がいいようです。写真を載せたのは全てそのタイプですが、サイクルコンピューターと一体となったもの、高度計やコンパス、気圧計などと一体となったアウトドアモデルなどもあります。

男性の場合、胸にセンサーをゴムのバンドで巻くのは、最初違和感があるかもしれませんが、すぐ慣れます。女性の気持ちが少しわかるような気もします(笑)。私は運動する時だけですから短時間ですが、一日中つけているのは大変です。ただ、ふだんも装着していると、怒ることによっても心拍数が変わるのも面白いところです。その意味では、いつもゆったりとした心でいられるよう、精神修行にも使えるかもしれません。

体脂肪を燃やすカラダになる! 新・実践 マフェトン理論
『マフェトン理論』で強くなる!―革命的エアロビックトレーニング
脂肪を燃やすトレーニング―体験的マフェトン理論





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眞鍋かおりさんがキャラクターになっているブログ普及委員会が話題になっているようですね。言わずと知れたカリスマブロガーですが、こちらはニフティのコンテンツのようです。ちょっと面白そうです。

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この記事へのコメント
普段、追い越される事が無いので、追い越されるとついつい追い越し返したくなるんですよね。そんで追い越そうとすると、追い越されまいと相手がスピードアップするんですよ。なんかアホらしいと思っても、自分を納得させる引き際が無いんですよね。
Posted by maksim727 at December 09, 2005 09:38
maksim727さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ありますよね(笑)。私もあまり抜かれることはありませんが、最近は抜かれても自分のペースのままで、抜き返さないようにしています。でも信号で追いついて、その人の息が上がっていたりすると、ちょっと嬉しかったりするんですが(笑)。
Posted by cycleroad at December 09, 2005 21:34
 
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