December 12, 2005

夢の技術が身近になってくる

燃料電池自転車特に坂の多い街など、電動アシスト自転車の普及率が高くなってきているようです。


電動アシスト自転車は私も乗ったことがありますが、たしかにペダルが軽くなりますし、ママチャリの進化形として確実に増えていくと思います。一方、電動アシスト自転車の弱点としては、車体が重くなること、航続距離が短いこと、充電が面倒で時間がかかることなどがあります。

その辺はまだ改良の余地があるわけで、主にバッテリー部分の性能向上や小型・軽量化の技術開発に依存するわけですが、なかなか両立は難しいようです。ところが将来の電動アシスト自転車は、バッテリーそのものが、もっと劇的に進化する可能性があります。

燃料電池自転車燃料電池自転車

それは燃料電池自転車です。右の写真のものは、PALと名づけられた燃料電池自転車ですが、最高速25km/h、航続距離65km、出力200Wです。電池部分の重さが9kgです。一般的な電動アシスト自転車と比べても遜色ありません。しかも、航続距離も通常の倍以上です。

燃料電池自転車は、すでに研究している会社が何社もあります。自転車メーカーからの具体的な製品化情報はまだ聞かれませんが、自転車メーカーとは全く別の会社や団体の中にも、燃料電池自転車を試作するところが出てきており、チラホラ発表されはじめています。いくつかリンクを載せてみました。まだ実用化には遠そうですが、いずれ出て来るのかもしれません。しかし、同時に疑問も湧いてきます。

燃料電池自転車それは、莫大な開発費をかけてまで、電動アシストサイクルを燃料電池化するメリットがあるのか、という疑問です。電動アシスト自転車の市場が、果たしてその開発費に見合う市場なのでしょうか。確かにママチャリの台数は多いですが、値段が圧倒的に安いです。クルマと比べたら100分の1か1000分の1です。

クルマの世界では、すでに燃料電池自動車が製品化されていますが、まだ一台「億」の単位ですので、リースによる官公庁への試験的配備などにとどまっています。クルマの場合は、巨額の開発費を使えるメーカーしか開発できませんが、それでもその市場規模を考えれば、投資に見合うリターンも将来的には期待できるでしょう。

結論から言いますと、どうやら燃料電池そのものについては、必ずしも莫大な開発費を必要としないようです。比較的小資本の会社でも、開発に取り組んでいるところがあります。クルマの場合は水素の貯蔵方式から大きな出力を得るための仕組みまで、クルマとしての性能を満たすためのさまざまな要件がありますので大きな開発費がかかりますが、むしろ別の世界なのです。

燃料電池自転車

単純に燃料電池の開発をめざす組織が、試験的に自転車に搭載してみて、その性能をテストしたりアピールするという場合もあるようです。汎用の燃料電池を開発するのに、その性能が目に見えるようアピール出来て、加工も手軽で便利なのが自転車というわけです。また電動アシスト自転車より電動のオートバイやカートなどを目指す組織が自転車での実験から入る例もあるようです。

燃料電池自転車もちろん汎用の燃料電池が開発されて普及すれば、燃料電池電動アシストサイクルも出てくるでしょう。また、すでに燃料電池ノートパソコンなどが試作されていますが、エタノールを使った燃料電池なら、より実現が近そうです。

扱いやすく、危険性も小さく、構造的にも簡単で、コストも低く出来る、このパワートレーンによれば、リーズナブルな価格で電動アシスト自転車も実現する可能性があります。

価格が安いことももちろんですが、軽くて扱い易くなければ、自転車の意味がありません。オートバイにした方がよくなってしまいます。

ほかにも電池の出力などの問題がクリアされる必要があるのでしょうが、充電不要な軽量小型の次世代型の電動アシスト自転車の発売も意外と近いのかもしれません。当たり前のように、エタノールを給油してから出かける、なんてスタイルになるかも知れません。




◇ ◇ ◇

全然関係ありませんが、パソコンのトラブルで、ハマってどうしようもない時、なんて言いますか。「もう、あかん。」ですか。ご存知の方もいるでしょうけど、パソコンのトラブル解決サポートサービスが詰まった缶詰があります。その名も「もうあ缶」。思わず笑ってしまいました。夜中でもOKとのことですから、備蓄しておくのもいいのかもしれません。中身は電話番号や説明の紙だけのようですが、自分の会社のサービスの使用権を、わざわざ缶詰にするというアイディア、使えるかもしれませんね。

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[馬]原付は自転車なのか【趣味の吹き溜り】at December 12, 2005 14:19
 
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