December 17, 2005

理不尽にも巻き込まれる確率

危険個所マップ休みの日には、もちろん自転車に乗ることも多いのですが、散歩もします。


たまには歩きたくなって、徒歩で出かけることもあります。すると、たまに狭い歩道上でスピードをあげて向かってくる自転車にひるむことがあります。なかには、チラチラ携帯電話に目をやりながら走っている人も見ます。乗っている本人は、何も感じていませんが、歩行者の立場からは、大人の男性でも危険を感じることがあります。まして、子供やお年寄りならなおさらでしょう。徒歩で通勤通学したり、街中を歩くことが多ければ、場所にもよりますが、ふだんから感じている人も多いでしょう。

先月、自転車に背後から衝突され重い障害が残ったとして、当時高校生の19歳の女性とその父親に計約5700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決がありました。横浜地裁は、この女性に約5000万円の支払いを命じました。自転車と歩行者の事故をめぐる判決では異例の賠償額です。被告女性は携帯電話に気を取られ、前方を見ておらず、しかも無灯火だったそうです。被害者の女性は、手足にしびれが残るなど歩行困難になり、看護師の職を失い生活保護を受けているそうです。

このブログを読まれているような方ならば、中には、覚えてらっしゃる方も多いと思います。ニュースは、ゴールデンタイムのテレビでも一部取り上げられていましたが、一般の視聴者には、それほどインパクトのある出来事ではなかったかも知れません。

また、同じく先月札幌では、歩道上で脚立に乗って植木の枝払いをしていた77歳の男性に衝突して転倒させ、そのまま逃走した大学生が4日後、重過失致死とひき逃げの疑いで逮捕されました。被害者の男性は3日後に脳挫傷で死亡しています。容疑者は、現場近くにあった放置自転車を勝手に乗っていたものでした。

自転車と歩行者の事故は、警察などの統計を見ても増えているようです。このほかにも深刻で重大な結果を招いた例はいくつもあります。場所によって、家族全員ほとんどクルマで移動するような地域は別としても、都市部では、日常的に自転車で移動する人も多いと思います。

ふだん何気なく走行していますが、こうした事故のリスクがあることを改めて自覚したいものです。自転車移動ばかりの人も、たまには徒歩で自転車の交通量の多い道を歩いてみると、歩行者から見て、いかに危険か感じられるでしょう。ちょっと横によろめいただけでも、タイミングによっては後ろから衝突されて、運が悪けりゃ死亡したり重傷を負う可能性もあるわけです。

一方で加害者になるリスクもあります。自転車走行時に追わせた怪我の賠償責任を担保する保険、いわゆる自転車保険に入っている方もいらっしゃるでしょう。しかし、この保険、大手が次々撤退しているようです。事実ウェブサイト上では確認できなくなりつつあります。

危険個所マップファミリー向け保険や、他の損害保険に特約として賠償責任を担保する契約をされている方なら、なるべく継続された方がいいかもしれません。私も全体について詳しく調べたわけではありませんが、どうも廃止される傾向があるようです。

保険商品の種類は多いですし、大小たくさんの会社もあります。各種の共済とか、所属する組織によっては団体保険などもあるでしょう。特約も、表立っては扱っていませんが以前からの顧客は継続できたり、外資など新しい会社もあるので一概には言えませんが、自転車保険は保険会社にとって儲からなくなっているようです。

すなわち、事故が増え、保険金の支払いが増えているということです。最近ニュースになった、保険会社の保険金の不払いなどの問題もありますし、どの保険が良いかは個人個人違います。一度総点検して、検討してみてもいいかもしれません。

歩行者の危険を顧みずに暴走する自転車の被害にあう可能性は、誰にでもあります。いつ何時、自分や家族が巻き込まれるやも知れません。ケガのための保険は多くの種類もあるので、治療費は別としても、実際に後遺障害などに苦しむリスクがあるワケです。自分や家族がそのような目にあう可能性を考えると、決して他人事ではありません。携帯メールの普及だけが原因ではないでしょうが、自転車保険の例を見ても、リスクが高まっていることも否めません。

歩行者として被害を受けるリスクからも、サイクリストとしての立場からも、こうした自分勝手で無責任な暴走自転車は許せません。もはやマナーやモラルの問題、啓発活動だけでは防ぎきれません。根本的な対策として、ここは、やはり歩行者と自転車を分離するしかないでしょう。もともと、自転車は歩道を走行できなかったものを、高度経済成長期に交通事故が多発したためにとられた「暫定措置」なのです。本来は車道を通行すべきものです。この辺の話は、何度も書いているとおりです。

ただ、いきなり老いも若きも車道を走行しろと言うのもナンセンスです。道路特定財源の話でも触れましたが、やはり、自転車と歩行者を分離して、歩行者が安心して歩ける歩道、(本来あるべき、当たり前の話ですが、)を整備し、自転車が安全に通行できる自転車通行帯を整備すべきでしょう。

多くの人が、そう考えるようになれば、必ず実現出来る話です。何も全ての道路に造れというのではありません。都市部の必要なところだけでも充分です。また、あらたに土地を買収するわけでもなく、道路工事のついでに、少し整備するだけでも充分出来ます。

国土交通省もその必要性を認め、方針も打ち出していますが、実際にはなかなか進まないのが現状です。私達に出来ることは、選挙権の行使以外には少ないかも知れません。自転車は歩道を走るものと思っている人が多いのも事実です。まず、こうした事実や考え方を、何かの機会に少しでも周りの人へ広めていくことが第一歩になるかもしれません。




◇ ◇ ◇

自転車に乗りながら携帯を見ている人にぶつかられそうになったこと、何度かあります。こうした人の携帯電話は、叩き落としてもいいという法律できませんかね(笑)。もちろん弁償の責任なしで。そうしたら、さすがに警戒して止まって使うようになるでしょう。冗談はともかく、最近は中高生だけとは限りませんし、ヒヤリとされた経験のある方も多いんじゃないかと思うのですが..。

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この記事へのコメント
やっぱり事故は怖いですね。
ぼくも自転車での事故(?)はよくあります。
ちっちゃい時にブレーキが効かずどぶに突っ込んだりおばさんが突っ込んできたり…。
知り合いでも横断歩道を渡っていたら自動車がバックしてきてぶつかったとか正面衝突して気を失ってしばらく記憶障害が起こったりとか。
自分の注意だけでは防げきれないのが難しいところですね。

あと人気ブログランキングでトップファイブに入っていましたね。おめでとうございます!
Posted by ikkun_21 at December 17, 2005 16:04
携帯をいじりながら乗るのは無神経すぎますよね〜。どうせ前の人がよけるだろって思ってても自転車って結構早いし、よけるのは困難です。このままだと、自転車に乗るためにも免許が必要になりそう・・・それにしても今日の天気は荒れ放題でした。風が強すぎてエアロポジションが取れない日々が続いてますw練習ちばりよ〜。

ちばりよ〜=がんばれ〜、ちょっとした沖縄の方言ですw
Posted by 沖縄の人 at December 17, 2005 17:52
ikkun_21さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
よく、ですか?(笑)。気をつけて下さいね。確かに、もらい事故と言いますか、事故に巻き込まれることはありますね。対向して来る自転車が、よそ見してないだろうか、まで注意しなければならないというのも、疲れます。
記憶障害ですか。自転車でも、スピードによっては深刻な怪我になります。小さい頃のケガは私もありましたが、運が悪ければ、シャレにならないですからね。

ありがとうございます(笑)。順位は上がったり下がったりしてるんですが、新しいブログも出てくる中、結構しぶとく残ってます(笑)。ひとえにクリックしたいただいてる皆さんのおかげだと思ってます。
Posted by cycleroad at December 18, 2005 18:06
沖縄の人さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ほんと、周囲が避けてくれると思って顔を上げない人までいますからね。困ったもんです。すぐに返信したい気持ちもわかりますが、それなら脇に止まって打てと言いたいですね。
免許はなくても、キップを切られた例もありますね。何か対策が必要になってくるかもしれません。
なんか日本列島大荒れみたいですが、頑張ってられますね。
うちなーぐち、ですか(笑)。とー風が強いと、しに、にりるし、なだでますなー。(違うかな)
Posted by cycleroad at December 18, 2005 18:36
 
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