January 24, 2006

雪道ぬかるみ砂地階段凍り道

先週末から、太平洋側でも本格的に雪が積もりました。当然ながら、自転車では出かけられません。


日刊スポーツ滅多に雪の積もらない地域の人は、たまたま雪が降れば乗らないだけの話ですが、雪国に住んでいる方は、そういう訳には行きません。もちろん冬の間は乗らない人も多いでしょうが、雪道でも自転車通勤までする強者もいます。

東京などのお店では、当然売れないので滅多に見かけることはありませんが、MTB用などのスパイクタイヤもあります。海外製や、国内でも北海道などにはメーカーがあります。

私は雪道で自転車に乗った経験は、30秒くらいしかありませんので(普通のママチャリだったので、すぐやめました。)判りませんが、スパイクタイヤを履いたからと言って、雪道の走行は、そう簡単なものではないようです。

上の写真もそうですが、日刊スポーツの記者の人がMTBに装着したスパイクタイヤでの雪道体験をした記事を読みますと、必ずしもトルクがかからず、スリップもするようです。路面状況によっては滑って転倒するのも覚悟しなければなりません。

小林研究室

クルマだったら、雪道は圧倒的に4輪駆動が強いわけですが、自転車にも2輪駆動があります。数年前に発表されて、いろいろなメディアでも取り上げられましたから、ご存知の方も多いと思いますが2WD自転車です。前後両輪が駆動するわけです。

もともとは東京理科大学の研究室と学内ベンチャーが共同で開発したようですが、世界初の2WD自転車です。MTBばかりでなくシティサイクルタイプもあります。値段も手ごろなものから幅があります。ちょっと重い気もしますが、かえってトルクがかかって、良い面もありそうです。





上の写真のリンク先のサイトはメーカーが運営しているようですが、雪国の県を中心に試乗できるところも紹介されてます。雪国にお住まいの方なら、一度試乗してみる手はありそうです。この両輪駆動自転車、テレビ東京系列のワールドビジネスサテライトのトレンドたまごでも過去に紹介されたようです。下の写真をクリックすると、その様子が見られます。

トレたま(←音が出ますので、ボリュームに注意してください。)

ところで、トレたまのVTRでも、ヒモの例で前輪が駆動するメリットが説明されています。確かに安定はするでしょう。でもヒモの例えは、判ったようで、ちょっと違うように思います。自転車はヒモのように柔らかくないワケで、みな体験的に知っていますが、自転車が後輪駆動でもハンドルさえ真直ぐ保てば直進します。ハンドルの方向がずれれば曲がってしまうというだけでしょう。

メーカーのサイトではトルクステア現象と説明しています。説明にケチをつけるようですが、トルクステアは別のもののはずです。つまり、トルクステア現象とは、例えば前輪駆動のクルマで、前輪でも左右のタイヤを駆動する力が違うと、どちらか一方がより前に進もうとしてしまい、ハンドルを取られるような現象のことです。

クルマのメカニックに詳しい人なら知っていると思います。ボンネット内のエンジンの向きや位置によって、左右のタイヤまでのドライブシャフトの長さが違ってしまう構造的な理由から来るもので、クルマの世界では、それを解消するためにさまざまな機構が開発されたようです。

2輪駆動の自転車で言えば、前輪の進む力と後輪の進む力が違えばうまく走行できないだろうことは想像できます。それをいかに同期させるかがポイントで、その仕組みが知りたいわけです。このトルクステア現象の説明はどうみても間違っているように思えます。トルクキャンセル機構というのも、ハンドルのブレは解消するでしょうが、トルクステアとは無関係ではないでしょうか。

2輪駆動の自転車がなかなか開発できなかったのは、まさに前輪と後輪の両方に同じ駆動力をかけるのが難しいからだと思いますので、このメーカーのサイトの説明は、ちょっと疑問です。細かいことにこだわるようですが、純粋に仕組みへの関心です。興味のある方は、そのへんを踏まえて読んでみてください。

話が多少脱線しましたが、いずれにせよ、ぬかるみや砂地にも有効なのは間違いありません。階段も登れると書いてあります。雪上や氷上の走行の様子も動画で見られます。氷上でも見事に走行しています。止まる時の映像が切れているのが残念ですが、氷上で制動距離が伸びるのは仕方ないところでしょう。先日取り上げたサイクルフィギュアは床の上で行われますが、これを使えばホントのサイクルフィギュアスケートが出来るかもしれません(笑)。

雪上

氷上(←左が雪上、右が氷上の様子です。)

少なくとも現状では、この2WDのMTBとスパイクタイヤの組み合わせが、雪道では最強と言えそうです。実際に乗る場合、天候や路面状況などによっては、ブレーキが凍結なんて事態もあると思います。いくら2WDとは言っても、雪道では慎重に走行する必要はあるでしょう。当面予定はないのですが、もし私も雪国に住むことになったら、この組み合わせで冬でも自転車派になりたいと思います(笑)。



まだ日陰など、かなり雪が残っているところもありますね。夜になれば気温も下がって凍結しますし、乾いている路面が突然部分的に凍っている場合もあります。雪に慣れない者としては、歩くのも自転車でも気を付けねば。

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この記事へのコメント
こんにちは。
フラリと遊びに寄らせて頂きました。
凄いですね!やっぱり雪にも強い自転車ってあるんですね!
乗ってみたいです、実際に。
Posted by プラスさん at January 24, 2006 16:49
プラスさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いらっしゃいませ(笑)。
雪が積もらない地域では、雪用自転車なんて考えもしないですからね。
私も雪道で是非乗ってみたいのですが、なかなか限られた試乗車のある店まで行けませんからね。雪のある場所でないと実感も沸きませんし..。
Posted by cycleroad at January 24, 2006 19:44
cycleroadさん、また面白い情報ありがとうございました。普段雪の中で暮らしていると、自転車に乗ることなど頭っからあきらめていましたが、2WDは想像以上に力強く走ってますね。ほんと四駆のオフローダーみたいです。お値段も普通のスポーツ車程度ですし、もっとスポーティなら買っちゃうかも知れません。やはり、26"のMTBタイプになるんでしょうね。シクロクロスタイプがあればほしいですね〜。
Posted by matta at January 24, 2006 19:59
ぼくも12月に始めて雪道での走行を体験しました。
MTBはおろかロードバイクだったので上り坂(3.6kmのもおよぶくそ長い上り坂です)ではタイヤが空回りしてまったく進まず、それどころか後ろにつる〜っと滑っていきました(笑)
2WDの自転車とは初耳でした。
なかなかパワフルで強そうですね。
乗り心地や負荷はどうなのでしょうか。
一度乗ってみたいです。
Posted by ikkun_21 at January 24, 2006 21:23
冬でも毎日自転車通勤してます。
昨年まで、スタッドレスタイヤを履いていましたが、今年は交換しないで走ってます。お陰で、スタッドレスタイヤのありがたみが良く分かります。
雪道では全輪駆動の自転車は効果絶大でしょうなぁ。ただ、凍り道だと、重要なのはブラックアイスバーンを見分ける眼ですね。記事中の動画みたいに道路がつるっつるのスケートリンクみたいになったらさすがにバスか徒歩ですけどね。
Posted by maksim727 at January 25, 2006 14:45
mattaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
雪国の方でも相当好きでないと、やはり雪の中の自転車は考えないのでしょうか。寒いですしね(笑)。
シクロクロスタイプでも出来そうですが、スパイクタイヤとかあるのでしょうか。あったとして、太さ的にどうなんでしょう。やはり26インチのブロックタイヤのスパイク付き辺りが、グリップ的に安心感ありそうに思えますが..。
Posted by cycleroad at January 26, 2006 00:24
ikkun_21さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
体験されましたか(笑)。やはりタイヤのグリップが無ければ仕方ないので、スパイクタイヤなどのチョイスも重要なのでしょうね。パワーがありすぎると、かえってグリップせず空転しそうですし..。
私も2WDは乗ったことが無いのでわかりませんが、負荷は高そうですね、プロの特訓メニューになるくらいですから。
Posted by cycleroad at January 26, 2006 00:32
maksim727さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おー、通勤されてますか!。なるほどスタッドレスタイヤもあるんですね。圧雪にはスパイクよりも良かったりするのでしょうね。
ブラックアイスバーン。この週末東京にもありましたよ。見分けられず、歩きでもコケてる人がいました。
そうでしょうね、スケートリンクみたいだからと言ってスケート靴で通うワケにも行きませんよね(笑)。
Posted by cycleroad at January 26, 2006 00:42
 
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