January 30, 2006

街に溢れる手書きの文字看板

まだ少し先の話ですが、今年六月には改正道路交通法が施行されます。


駐車禁止解除今までのようにチョークで印をつけて時間の猶予を与えることなく即刻違反になるなど、駐車違反の取り締まりは強化されるようです。そして、たびたび話題にもなりましたが、取り締まりは委託され、民間人に取り締まられることになるわけです。先日のニュースにあったのは、逆に駐車禁止の場所を減らすなど、駐車禁止を緩和する方向も検討されているようです。

ドライバーの立場からすれば、交通量も少なくあまり邪魔や迷惑にならない場所、言い方を変えれば、取り締まりやすい場所ばかり取締るのでなく、大通りの迷惑な駐車から取り締まれ、などといった不満は以前からもありました。そうした配慮もあっての事でしょう。私もクルマを運転することもありますし、こうした緩和策に必ずしも反対するものではありません。

しかし、近隣の住民の立場からすれば、駐車禁止の解除には不満や不安があります。もともと駐車のマナーに起因する不満も多いわけですが、迷惑駐車が助長される可能性もあります。他のクルマに気を使ってか歩道に大きく乗り上げたり、中には大胆にも完全に歩道上に停めていることもあります。交差点付近や歩道をふさぐ形で通行を妨げられる場合もあります。街中なら配送のクルマの荷下ろしが出来ないなど商売に影響する人もあるはずです。

駐車禁止看板自転車だったら黙ってどけるだけでしょうが、相手がクルマとなるとそうもいきません。レッカー車でもなければ動かせませんし、下手に傷つけて弁償させられても困ります。また、そういう時こそと警察に頼んでも、すぐ来てくれるとは限りません。

そこで、沿道の商店主などは駐車お断りの看板を出すなど、様々な涙ぐましい努力をしなければならないわけです。街を歩けば実に多くの表示を見ることが出来ますし、道路上にパイロン(△のコーン)を置いたりするのもあります。

自転車で車道を通ると、そうしたパイロンなどが延々と並べられていたりして、絶妙に邪魔だったりすることがあります。いきなり灯油缶が置かれてあって、目立たなくて焦ったりもします。

もちろん、これらの看板が自転車に対する嫌がらせでないのは判るのですが、何とかならないものかとも思います。もちろん悪いのは違法駐車や迷惑駐車ですが、迷惑駐車をさせない為の物が通行の迷惑になっていることもあるわけです。

もし、あまりに迷惑な駐車車輌があったら、合法的に、こうしたシールを貼っても良いことにしたらどうでしょう。多少は迷惑駐車の抑止にならないでしょうか。今でも抗議の紙を貼る人はいるかもしれませんが、下手に貼ってトラブルになっても困ります。

非常に迷惑していても、住人がクルマのドライバーに抗議する手段はほとんどありません。戻ってくるのを見張っていてクレームをつけても、開き直られて逆ギレされても馬鹿をみます。私道でない限り、なかなか説得力も持ちません。

人知れずクルマに貼り紙することによって、ドライバーは、少なくとも近所の人や通行人に迷惑と思われないような駐車を心がけるようにならないでしょうか。いや、もっと思いきって、どうせ民間に駐車取締りを委託するなら、市民なら誰でも駐車違反を取り締まれるようにするのはどうでしょう。改正で時間の猶予はなくなるので、店の前に停められたら、店主は違法駐車として即刻取り締まれるようにするのです。

駐車禁止看板一般のクルマがスピード違反をすれば警察に捕まりますが、警察の車輌がスピード違反をしていたら、実は、市民が誰でも取り締まっていいことになっています。実際に取り締まる勇気があるかは別として、法律で決められています。

同じように、駐車違反を市民は誰でも取り締まれるようにしても、そんなにおかしいことではないでしょう。民間に委託するくらいなら、多少の要件は必要としても可能ではないでしょうか。

駐車お断りの手製の看板を、必ずしも敵視するつもりはありません。でももしそのようになったら、看板やパイロン、灯油缶なども不要になり、街並みもかなりスッキリするのではないでしょうか。要は駐車禁止の場所には駐車させないという当たり前のことを徹底するだけです。

駐車禁止を徹底させると言っても、実際問題は無理だろうという声もあるでしょうが、そんなことはありません。今はなし崩し的になっているのでそんな気がしますが、徹底している都市だってあります。駐車場が足りないと言うのも理由にはなりません。クルマで来なくなる人が増えますし、むしろ徹底されれば駐車場も増えるはずです。

厳格すぎると言われそうですが、それも見方次第です。最初からそういうものだと思えば不便さも感じなくなるでしょう。慣れれば当たり前になりますし、徹底されてしまえば、駐車取締りに対する不公平感もなくなります。都市部へのクルマの流入が減って渋滞が緩和され事故も減るなど、メリットも出てきます。もちろん、自転車にとっても好都合です。私はかねがね思っているのですが、都市は、かくあるべきなのではないでしょうか。



六月の施行後はどんな感じになるんでしょう。しばらくは混乱するかもしれませんし、すぐには話題に登らないかもしれません。と言うより話題的にはワールドカップでそれどころではないかもしれませんね。

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この記事へのコメント
ぼくも路上駐車には迷惑を食らっています。
自転車通学で国道を通るのですが道の途中からかなり広い路肩があって自転車がすごく通りやすいようになっているのですがそこに駐車している車がかなり大量にあります。
10mに1台くらいはあります。
そのたびに後ろ振りかえって車が迫ってきてないか確認しなければいけません。クラクションを鳴らされることもしばしばです。
こんなことならいいのですがおとといはちょうど民家(個人のお店だったかも)のまん前に大きなトラックが出入り口をふさいでいて出ようとしていた車がかなり迷惑こうむっていました。
中途半端なラインだけ引いているような広い路肩はかえって路上駐車を助長させていると気づきました。
Posted by ikkun_21 at February 02, 2006 17:12
ikkun_21さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
食らってますか(笑)。確かに出たり入ったりは厄介ですよね、首も痛いし神経も疲れます。広すぎる路肩も良し悪しですね。交通マナーの問題や土地柄もあるのかも知れません。場所によっては二重三重駐車なんてのもありますし..。
クルマ同士のトラブルもあるでしょうが、われわれ自転車乗りにとっては生死の問題になりかねませんからね。
ikkun_21さんも苦労されてるようですが、くれぐれも気をつけてください。
Posted by cycleroad at February 03, 2006 01:03
 
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