もちろん冒険家の使う特別仕様の自転車で、氷点下40度のブリザードの世界に耐えられる素材で出来ている特殊なものです。そこまで本格的な仕様でなくても、幅広のタイヤでスリップにも強い冬用の自転車として発売したらどうだろうと書きました。日本は雪が降る地域も多いので、意外に需要があるかも知れないなんて書いたのですが、すでに考えていた人がいました。
このプログをご覧いただいている、にゃごべぇさんからメールで教えていただきました。その名も
スノーローダーです。独特のフレームをもつ幅広タイヤの雪道用自転車です。でも特別な幅広タイヤではなく、ゴムクローラと言うキャタピラー状のゴムをタイヤに装着するスタイルです。夏場ははずして普通に走行できますので、いわばチェーンを装着するような感覚でしょうか。
チェーンと言えば、自転車用のチェーンなんてあるのでしょうか。オートバイならネット状のチェーンをつけて走行している人を見たことがあります。自転車用のチェーンと言うのもありそうですが、聞いたことはありません。滅多に雪の降らない地域では売れないでしょうし、雪国ならタイヤごとスパイクなどに交換したほうがいいわけで中途半端といえば中途半端なのかも知れません。
このスノーローダーは、ゴムをクルマのチェーンのように装着して使います。この特別なゴムを装着することで、通常の6〜7倍の接地面積が得られ、幅広タイヤを取り付けたのと同じ効果があります。サイトには動画も載せられていいますが、確かに抜群の制動力です。何よりツルツルのアイスバーンと化した道路でイザという時に止まれる安心感は絶大です。もちろんブレーキは、Vブレーキでは雪が詰まって使えないですから、ディスクブレーキです。
普通のMTBにも装着できるといいのですが、さすがに、この幅広さでは装着できません。タイヤ自体を特殊な幅広タイヤにする手もあるのでしょうが、夏用タイヤに着脱出来るほうが、タイヤも一組で済んでリーズナブルと言うことでしょう。それでも威力は絶大で、実験のためのスケートリンクでもシッカリと氷を掴んで走行出来ています。
このスタイル、サイトの動画をご覧になるとわかりますが、実は偶然の産物だったようです。もともとは埼玉出身の開発者の方が、冬でも自転車をと考えて試行錯誤していた時に、たまたま身近にあった小型除雪機のゴムのキャタピラーが16インチタイヤに偶然ピッタリとハマったようです。裏話を聞くとただのラッキーにも思えますが、冬でも自転車に乗りたいという意欲が無ければ偶然も起こることはなかったはずです。
地元のテレビなどでは、北海道民の夢をかなえる製品などと紹介されているくらいですから、やはり冬の北海道でも自転車に乗れたらと考える人は多いのでしょう。ただ、夢がかなっても寒い雪の中を自転車で行く、普通の人から見れば物好きな人がどれだけいるかはわかりません。それでも、以前取り上げた
雪道に強い2WD、両輪駆動の自転車などの例もありますし、雪でも自転車をと考えている人は少なくないのかも知れません。
北海道は、冬でなくてもクルマで移動する人が多いですから、寒いのにワザワザというのはあるでしょうね。でも、出かけるときに、クルマに積もった雪をはらって、エンジンと室内を暖め、除雪した道路まで出るだけでも手間がかかると言うのもありますから、場合によっては便利そうに思うのは、雪国に住まない者の考えでしょうか。
Posted by cycleroad at 07:00│
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