トリノオリンピックの影響もあってスケートにチャレンジする人やカーリングに注目する人が増えています。
今回のオリンピックに限りませんが、何かの出来事やイベントによって、特定のスポーツの人気が上がることがよくあります。今回も全国のスケート場は大賑わいで、カーリングの試合にも観客が押し寄せています。子供にフィギュアスケートを習わせ始める親も増えているそうで、さすがオリンピックの影響力です。
オリンピックとは無関係でも、親が子供に特定のスポーツをさせる例は増えているようです。スケートに限らず、野球やサッカーをはじめ、ゴルフやテニス、卓球にボクシングなど、有名選手の活躍と無関係ではありません。親の願望を子供に強制するとの意見もありますが、その辺りの親の考え方は別として、スポーツを体験させること自体は悪いことではありません。
ただ子供の可能性は否定しませんが、当然のことながら、どんな子供にもタイガーウッズやマリア・シャラポア のような才能があるとは限らないわけです。もちろん本人が好きで続ける場合はいいですが、子供のうちは自分で判断もつかず、無理に続けさせるのは気の毒な場合もあります。それどころか、せっかくの別の才能に気づかずに機会を逸してしまう危険性もあるのです。
どうしても、野球やサッカーをはじめとする人気スポーツに偏りがちですが、むしろ違うスポーツに適性がある場合もあります。学問でもそうですが、好きな科目を伸ばすと大きく伸びる可能性があるのに、受験用の勉強を強いて嫌いになってしまうことがあります。同じように、スポーツにも適性があって、せっかくなら一番向いたスポーツをさせたほうが本人も楽しいはずです。
野球やサッカーなどの競技は、いずれも目から入った情報に合わせ、瞬間的に身体を敏捷に動かす能力が求められます。野球の一流選手は動体視力にも優れることが知られています。しかし誰でもこうした能力が優れている訳ではありません。マラソンや水泳とは明らかに違う能力でしょう。柔道やハンマー投げとももちろん違います。
スポーツの英才教育でなくても、子供の間で流行っているスポーツは野球やサッカーが多く、周囲の友達より下手だと自分は運動神経がないと思い込んでしまうことも多いはずです。逆に何かの拍子に、思ってもみなかったスポーツが上手く出来たり、楽しかったりすることもあります。私も全く経験が無いにもかかわらず、ある陸上種目が非常に得意なことに気づいたことがあります。他の陸上種目は決して得意ではないのですが、なぜかその競技だけ異様に成績がいいのです。得意なものは楽しいということも実感します。
スポーツが不得意な子供でも、単に自分に適したスポーツが見つかっていないだけだと主張する会社がアメリカにあります。
スポーツポテンシャル(Sports Potential)社は、あらゆるスポーツ競技に対する個人の適性を測定するテストを提供している会社です。このテストを受けて自分の適性を探り、一番適した種目をプレイするのが理にかなっているというのです。もちろん、考えもしなかった種目に適性が見つかる場合もあります。
こうしたプログラムは、全米でも取り入れられつつあると言います。日本で導入している施設はまだ聞いたことがありませんが、プログラムは別としても、この考え方には一定の説得力があります。他の習い事だって適性がありますし、スポーツだって、メジャーな種目の中に得意種目があるほうが、むしろ珍しいと言えるかもしれません。
子供に限らず、自分は運動が苦手と思っている人は大勢います。ただゴルフやテニス、草野球などに才能が無いというだけで、はなから他のスポーツにも参加しなければ、得意なスポーツにも巡り会えないでしょう。長年の習慣から、身体を動かすのは嫌いだと思い込んでしまっている可能性すらあります。
何もオリンピックを目指せと言うわけではありません。生涯楽しめるようなスポーツと巡り会えば、それだけでも考えようによっては大きな財産です。もちろん自転車も、そんなのスポーツじゃないと言わずに本格的な自転車を体験してみて欲しいと思います。自転車に限らず、いろいろなスポーツに対して、食わず嫌いということはないでしょうか。
見たことも聞いたことも無いスポーツだってあります。知っていても、やってみれば意外に出来るかも知れません。楽しくて病みつきになることだって充分ありえます。自分にあっているか探す人が少ない為にマイナーなスポーツもあるわけです。世の中に経験したことがないスポーツがどれだけあるか考えてみれば、まだ見つかっていなくても不思議ではありません。
今回はカーリングが一躍注目を浴びました。現在プレイできるところは決して多くありませんが、興味をもって体験してみたいと考えている人も少なくないそうです。本格的な競技人口の拡大につながるか不透明でもあり、簡単に競技場を新設するわけにもいかないでしょうから、なかなか競技するのは困難かもしれません。それでも機会があればチャレンジしてみて損はありません。
スポーツイベントに触発される人は多いと思います。是非そうした機会にスポーツを始める人が増えるといいなと思います。やって面白くなかったら、いろんな競技にもチャレンジすべきです。たかがスポーツと言う人もいるでしょうが、適度な運動は健康の維持に欠かせませんし、ストレスの発散にもなります。スポーツ参加人口の増加は、社会の活力にもつながっていくと思います。
明日からはパラリンピックも始まります。ところで、全国のスケート場、実は激減していて、オリンピックを目指すような選手でも練習場に困る事態に陥っているらしいですね。一時的にカーリング場にしてでも、存続するところが増えるといいのですが..。
Posted by cycleroad at 10:00│
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中学・高校では体育の授業が大嫌いでしたが、適性を見出して伸ばす授業だったなら好きになってたかもしれません。その、アメリカの制度を日本の学校でも導入して欲しいなぁと思うのでした。
先日、彼女とスケートしに行ったら、いつもドンくさい彼女がまるで水を得た魚のようにスイスイ滑るのでびっくりしました。人間見た目で能力は測れないものですね。
正直体育は嫌いですね〜。ぼくも適正を見出して伸ばす授業ならぜんぜんやっていけますが・・・長距離系のスポーツが好きなので結構周りからはあんなのきついだけじゃんみたいなことを言われますw体育でサッカーをやったってサッカー好きの人が活躍するに決まってる=成績が良いみたいだしそんなの不平等のような気もします。まっ、ぼくは体育はでたらめにやってトライアスロンをまじめにやってるようなもんですけどw