サイクルロード 〜自転車への道
世界の都市で自転車が選ばれ始めている。さまざまな角度から自転車の話題を。
March 23, 2006
変わりゆく物と変わらない物
この写真を見て、懐かしく感じた方もいらっしゃるかもしれません。
サンスターのアーム筆入れです。1965年に発売され、「象が踏んでも壊れない。」というCMで一世を風靡しました。私も使っていた!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。アーム筆入れは、当時大ヒットしましたのでご存知の方も多いはずです。しかし驚くことに、この筆入れ、なんと今でも売られているのです。クリックすると通販サイトにリンクしていますので、値段などもわかります。(以下も同じ。)
でんぷん糊やマジックインキ、紅白帽も変わらず発売当時のまま売られています。どれも現在使っていたり、お子さんの持ち物の中にあったりすれば、どうと言うことはないのですが、何十年ぶりかで見た方なら懐かしく感じられるでしょう。昔からずっと変わらないロングセラー、定番商品は身の回りにあれば何とも思いませんが、長いこと見ていないと懐かしいレトロな商品と感じられる典型的な例かもしれません。
折り紙、ジャポニカ学習帳、ソックタッチ、お花紙、人によって懐かしいかどうかには差があると思います。私もソックタッチなんて存在すら忘れていました。一時期流行った液体靴下止めです。これらも全部、現役の商品です。
この辺りになると、さすがに今でも売られていることに驚きませんか。野球盤など、テレビケーム全盛の現代でも売れることに驚きます。昔を懐かしむ大人だけの需要なのでしょうか。シーモンキーも流行りました。固形石鹸ですら減っている時代に紙せっけんです(笑)。
こうした、まだ売ってるのか!と驚く商品は、探せばまだいろいろあるようです。興味のある方は、本も出ています。その名も「
まだある。
」、
どこの書店にもある本ではない
ようですが、メディアで紹介されたりもしているようです。私も一部参考にさせてもらいましたが、サイトもあります。上のバナーがリンクになっています。
さて、自転車にも定番、ロングセラーはあります。実用車と呼ばれる自転車ですが、昔は自転車と言えば実用車、というのが当たり前だったようです。
先日はフィギュア
も載せましたが、昔の豆腐屋さんや紙芝居屋さんが使っていたのも、すべて実用車でした。当時の写真やドラマ、映画などにも時々出てきて、懐かしく感じられる方もいらっしゃるでしょう。しかし、これらの自転車も同じく、現在でも売られています。左がブリジストンのジュピター、右がナショナルのレギュラーと呼ばれる実用車です。この大手2社の実用車以外でも、現在手に入るものは幾つかあるようです。
この2台もよく似ていますが、実用車の基本的なデザインは昔から変わっていません。それどころか、現在主流となっているような部品や素材なども使うことなく、頑なに昔からのスタイルを守り通しています。鉄かハイテン鋼のダイヤモンド型フレームにロッドブレーキ、大型の後部荷台、大型両足スタンド、フルチェーンカバー、バネ付き革サドル、砲弾型の前照灯、そして変速機構もありません。
スタイルや堅牢性はともかく、もっとよく効くブレーキや全体の軽量化は図ってもいいような気がしますが、頑固にスタイルを貫いています。とにかく頑丈第一の造りに徹していて、まさに偉大なる定番自転車という感じです。ママチャリに対してパパチャリと呼ぶ人もいるようですが、現在でも、新聞配達、郵便、警察などに使われているプロ用の自転車とも言えそうです。
蕎麦屋など、店先に「のれん」がかかっているような店の前に、MTBでは似合いません。やはり今でも実用車でなくては、という需要もあります。ただ厳密に言うと、昭和30年代とか40年代当時に、職人が丁寧に細部まで作りこんでいたものと今のものでは、やはり中身的には違っているようです。細かい部分でも、エンブレムや「風きり」と呼ばれる部品はついていません。
その辺りは、上にバナーを載せましたが、「
銀輪道楽
」という実用車をこよなく愛されているtommyさん、pinponさんのサイトが詳しいです。ご覧になるとわかりますが、実用車の一味違う深い世界が広がっています。「風きり」については、オートバイのレストアなどを扱っている
今井オート
さんのサイトにギャラリーがありましたので、リンクを載せておきます。
最近は、郵便や警察、蕎麦屋や新聞配達にしても、ホンダ・スーパーカブなどに置き換わりつつある実用車も多いようです。考えてみれば、スーパーカブも長い間変わらない定番のロングセラーですが、実用車が無くなってしまうのも寂しい気がします。でも、これまでもしぶとく残ってきたように、これからも残っていってほしいものです。
自転車の定番と言えばママチャリかもしれませんが、いつの時代も変わらないスタイルを貫くロングセラー自転車という意味で、実用車というのも面白い存在です。どこか懐かしくもあり、にもかかわらず現在でも変わらず売られているという意味で、他にない自転車と言えそうです。
王ジャパン、やりましたね。関連のニュースで、WBCの影響もあって野球盤が売れていると言うのも、先ほど偶然出てました。
ところで、日本アカデミー賞を総なめした「
ALWAYS・三丁目の夕日
」でも、実用車やロッドブレーキが出てきますが、この映画、もしまだ見てらっしゃらないなら、お勧めです。また上映している映画館も増えているようですし..。
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Posted by cycleroad at 01:00│
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