May 18, 2006

自転車に近づけるという方法

よく公園とか道路で、スケートボードをしている人を見ることがあります。


私は詳しくないのですが、スケートボードにも様々な種類があります。左側の写真のような普通の4輪タイプですと、安定感があるかわりに進行方向に対して左右(体では前後)に倒しこみにくいという欠点もあるようです。スケボー用語では、キャスターのような車輪のことをウィールと呼ぶそうですが、こうした欠点をカバーするため、このウィールが4輪ではなく前後1つずつの2輪のものや、右側の写真のように前後5輪ずつ円弧状に並べた10輪タイプ、14輪なんていうのもあるそうです。いずれにせよ、上から見ただけでは同じに見えるので、普通、簡単には見分けられないでしょう。

スケートボード10ウィールスケートボード

ところが、こんなスケートボードなら遠目にも判別できます。「革命的な新世代のスケートボード」というふれこみの、その名もダートサーファー(Dirtsurfer)です。自転車とスケボーの融合とでも評すべき斬新なスタイルです。このブログでは、キックボードのような自転車だとか、以前から様々な変わった自転車を取り上げているので、いつもご覧いただいてる方には、あまり斬新に感じられないかも知れません(笑)。見てしまえば、誰でも思いつきそうな気もします。

ダートサーファーダートサーファー

蹴って乗るスピードが出る

しかし、単なるスケートボードの変り種ではありません。スケボーにとって自転車と同じ20インチのタイヤを使うことによって得られるものは小さくないようです。キャスターバックやカート、自転車などを含めて、様々な大きさのタイヤを考えるとわかりますが、小さな車輪で大きな滑走性能を実現するのは至難の業です。このダートサーファーも、小さなウィールからタイヤになったことで、圧倒的な速さや運動性能、乗り心地などを手に入れています。

ダートも

階段も

ジャンプもコーナリングも

オーストラリアで開発され、国際的にも特許を取得しているようですが、2輪だからというだけでなく、独自の機構による走行安定性と、よりサーフィンやスノーボードに近い旋回性能を実現しているそうです。ボードと一体となって傾けることが出来るので、体感的にもスケボーよりサーフィンやスノボーに近い感覚があるそうです。アメリカのCBSテレビでもパワーアップしたスケートボードと紹介されたそうですが、実際のサーフィンやスノーボードより速いスピードが楽しめるのも魅力のようです。左下の写真が動画へのリンクです。スピード感もよくわかるので、是非見てみてください。

動画 ←ダートサーファーの走行の様子の動画

自転車と同じタイヤにしたことで、スケートボードには機構として備わっていないブレーキも手に入れました。スポーツ系の自転車で使われるVブレーキで、ディスクブレーキ仕様のものもあります。もちろんタイヤもロード用のものとダート用のものを選択出来ます。スケートボードでも多様な場所を滑走する人はいますが、このDirtsurferは大きな車輪にしたことで、小さなウィールでは走行できないような場所でも走破できるようになり、楽しめる場所やスタイルが様々に広がりました。

野山で雪上で

カイトサーフィンカイトを握って

もともとは、サーフィンの練習用に考案されたようですが、もはや一つの新しいスポーツと呼べそうです。日本で見かけることはまだ稀ですが、道路や坂や階段などに限らず、野山や砂浜、雪の上に至るまで、また羽で風を捉えたり、ウィンドサーフィンのようにセールをつけたり、カイト(凧)ボーディングのように走行することも出来るようになりました。

サイトでは、日本でのロケーションとしてスキー場があがっています。坂か足で蹴る以外に基本的には推進力がありませんから、リフトなどの機動力は魅力でしょう。スキー場の夏場利用として、グラススキーやMTBのダウンヒルなどを取り入れている施設は既にありますが、新たなアイテムになるかも知れません。でも、広い場所があれば、風を利用して進むというのも面白そうです。

砂浜でレースも

羽を持ってセールをつけて

このダートサーファー、遠目には自転車に見えないこともありませんが、その発想はスケートボードから出発しています。逆に自転車からサドルやハンドル、ペダルやチェーンまで削るという発想も出来ないことはないでしょうが、こうはならない気がします。自転車から様々に工夫する人も多いですが、全く別のものに自転車の部品や機構を取り入れるという考え方も面白いと言えそうです。結果として、新しい用途とか、プラスアルファの魅力などが生まれるかも知れません。



先日のニュースに、島根県で行われたサイクリング大会で、橋から自転車ごと約10メートル下の河原に転落したという死亡事故がありました。同じ日、京都では先月千葉を出発して自転車で旅行中だった人が、立体交差の道路の歩行者通路からやはり10メートル下に転落して死亡しています。不慮の事故と言うのは、何も自転車に乗っている時に限りませんが、交通事故以外にも様々な危険があることに、改めて気をつけたいですね。

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この記事へのコメント
ダートサーファー、面白いですね。ちょっと欲しくなりました。
近くに走る場所があるかどうかというと、なさそうですが・・・。

事故の件は私も新聞などで知ってショックを受けています。きちんとメットを装着していても、10メートルの衝撃には耐えられないんですね。
Posted by nori at May 23, 2006 13:11
noriさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ですよね(笑)。カイトは難しそうですが、オートバイなどに牽かれて水上スキーのように走るなら簡単そうですし..。
事故は、落下した場所や打ち所が悪かったのかも知れません。気の毒な話ですが、サイクリストとしては他人事じゃありません。レースでなくても、初めての場所などで誤って転落する可能性が無いとは言えませんからね。
Posted by cycleroad at May 25, 2006 00:46
このダートサーファーって日本で
販売されているのでしょううか?
あと、日本で教えてくれる人など、いるのでしょうか?
知ってれば、教えてください。
Posted by タマ at December 25, 2007 10:37
タマさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おそらく、日本では現在販売されていないと思います。発売元のディーラーリストにも日本は載っていませんし、海外の会社の二次代理店などなら、あるいはある可能性がありますが、聞いたことはありません。以前、扱っているスポーツ店があったという話もあるようですが、少なくとも今はなさそうです。稀にネットオークションに出品されていても入手困難とされていますし、たぶん個人で輸入するなど以外では手に入らないのではないでしょうか。
自転車のダウンヒルをやっている友人などに聞くと、シーズンオフのスキー場などで目撃したなどの話もありますが、所有者自体、まだかなり少ないと思われますので、教えてくれる人を探すのは困難でしょう。レンタルなども聞きません。いずれにせよ、詳しいことは知りません。お役に立てなくてすみません。
Posted by cycleroad at December 26, 2007 00:58
 
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