
サッカー・ワールドカップの熱戦を世界中の人々が見守っています。
サッカーファンの方なら、次々と登場する強豪の試合に目が離せない日々が続いていることでしょう。試合もすごいですが、四年に一度の世界最大のスポーツイベントという以上に人々の熱狂には圧倒されるものがあります。国の威信と全国民の期待を背負って闘っている選手たちに負けず劣らず各国のサポーター達の応援が熱くなっています。

日本も3大会連続の出場に盛り上がっていますが、世界の国の中には、国民のサッカーに対する思い入れが日本とは比較にならないような国も多いわけです。内戦の続いたアンゴラのように、アフリカの国は貧困にあえぐ中、サッカーだけが明るい話題だったりします。
クロアチアにしても、ついこの間までユーゴスラビア紛争に明け暮れていたわけで、祖国の分裂という事態を乗り越えて、まだまだ復興途上の国なわけです。生活圏の中に地雷が未処理のまま多数埋もれていると言います。
他のヨーロッパの国でも、テロの不安や、雇用をめぐる移民との軋轢が民族対立にまで発展し、極右勢力の台頭や経済格差などもあって、人々に暗い影を落としています。北アフリカや中東の国々にはイスラム原理主義による自爆テロや核保有を巡る国際対立など深刻な問題がありますし、南米の国々にしても、大きな貧富の差や政治の腐敗、治安の不安も小さくありません。

ふだんの生活では、日本で暮らしていると想像もつかないシーンも多々あるはずですが、そんな中でも、サッカーに対する思い入れは半端ではないようです。
みな自国の選手達の華麗なプレーに夢中になっています。世界中でのべ何百億人もの人がワールドカップを視聴すると言いますが、それだけワールドカップが特別なものだと言われる所以でもあるのでしょう。
ワールドカップは、オリンピックともまた違って、それぞれの国のナショナリズムの高まりを感じさせます。世界各国の選手の活躍やそのサポーターの応援を見ていると、その国のありようや人々の暮らしにも思いが及びます。世界には、いろいろな国があって、いろいろな人がいて、いろいろな人生を送っていることでしょう。
ところで、そんな世界の人々の暮らしを自転車と共に写真に収めている人がいます。その名も「
自転車の世界」(The World of Bicycles)というサイトですが、世界各国をまわって人々の暮らしとその中にある自転車の写真を撮る事をライフワークにしているようです。白黒で味のある写真が多いです。自転車に魅せられていますが、きれいな自転車とは限りません。みな生活のシーンの中の自転車をとらえています。見ていると、日本とはまったく別の生活があるのだろうなと想像が広がります。




私も何の因果か、日本に生まれましたが、ちょっと間違えば、メコン川を渡る舟に自転車を抱えて乗っていたかもしれません(笑)。そう考えると不思議な感じがします。自転車はスポーツでもありますが、世界の多くの人にとっては暮らしに密着した乗り物であるわけで、自転車のあるシーンを写真におさめることによって、生活の断面が見えてくる感じがします。


日本でもパブリックビューイングがポピュラーになってきましたが、ワールドカップと言っても、場末の食堂の小さな白黒テレビに大勢の人がかじりついて見ている国も少なくないはずです。日本はサッカーにおいては世界の新興国にもかかわらず、すでにW杯自国開催まで経験出来てしまいました。(確か世界で16カ国くらいしかないはずです。)
立派な国内リーグもあります。選手にとっても恵まれた環境が整っており、国民的な応援も受けて、幸いなことに今回もW杯に出場出来ました。社会に問題がないわけではありませんが、とりあえず豊かで平和です。考えてみれば幸せなことです。
12日の日本代表の対オーストラリア戦は残念な結果に終わりました。FIFAランキング18位なんですから、日本代表の選手たちには、もっと自信をもって闘って欲しい気がします。オリンピックや国連加盟国よりFIFA加盟国のほうが多いそうですが、そんな中でたった32カ国しか出れないんですから、私も出場国の1ファンとして応援出来る喜びをかみしめながら、観戦を楽しもうと思っています。
Posted by cycleroad at 23:30│
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