例年のことですが、全国各地で「交通安全子供自転車大会」と名づけられた大会が開かれています。
各チーム四人編成の小学生が、自転車の正しい乗り方についての知識や技能を競う大会だそうです。地区大会から県大会、全国大会へと勝ち進むようになっています。運転技術の実技だけでなく、交通ルールの知識を問う学科もあります。あまり巷で話題になることはありませんが、子供たちへの交通安全指導としても地道な取り組みです。
クルマや自動二輪の免許を取得する年代になる以前、たとえ小学生であっても、ふだんの生活の中で、交通法規に対する知識は欠かせませんし、知らないと命に関わることもあります。また最近、自転車の二人乗りなど、中高生が検挙されて話題になったりもしていますが、免許を持っていないからと言って、交通違反が許されるわけではありません。
ところで、交通法規の中でも身近なものに「標識」があります。クルマを運転するときは標識にも注意するのに、ひとだびクルマを降りて自転車に乗ると、標識や交通ルールを無視している人は非常に多いのが実情ではないでしょうか。例えば、当然自転車も一時停止の標識に従わなければなりませんが、きちんと止まっている人がどれだけいるでしょうか。写真のように、わざわざ「自転車も止まれ」と書かれている場所も増えています。
私も重箱の隅をつつくような話をするつもりはありません。法規はともかく、せめて徐行すべきだと思えるような見通しの悪い交差点であっても、減速もせずに曲がったりする人もいます。クルマと違って免許停止などの行政処分もないですし、せっかくスピードにのっているのに減速したくないという考えが働くのでしょう。歩行者がいてもハンドル操作で避けられると思っているのかも知れませんが、歩行者にしてみれば、まさに走る凶器です。
実際に歩行者との事故も増えていますし、歩道を暴走する自転車として問題になっている地域も少なくありません。そうした事情も反映してか、歩道の標識も下のように、最近「自転車通行可」から、「歩行者優先」に変わりつつあるようです。行政の仕事とは言え、ローカルでオリジナルな標識も散見されます。一番右のような標識まで登場する地域もあるようです。子供は大人の鑑と言われたりしますが、大人のマナーを子供は実によく見ています。そうした面も忘れるべきではないでしょう。
自転車にも一時停止の義務があるとは知らなかった!なんて人はいないと思いますが、標識によっては、意外に意味が曖昧になっているものもあるのではないでしょうか。そこで問題です(笑)。次の標識のうち、自転車に乗ったまま通行していいものはどれでしょう。そんなの解かるよと言わず、ちょっと考えてみてください。
上段は、左から「通行止め」「車両通行止め」「車両進入禁止」「自転車通行止め」です。自転車は軽車輌とは言え、立派な車輌ですから上段の4つは全て自転車では通れません。実際には補助標識で「自転車は除く」となっているものもあります。もちろん、自転車から降りて自転車を押せば歩行者ですから通れます。ちなみに、赤の斜め線の由来ですが、赤の丸と合わせて「NO」が図案化されたという説が有力です。ですから右上から左下への斜め線の標識はありません。
中段の4つは左から、「自転車以外の軽車両通行止め」「二輪の自動車以外進入禁止」「二輪の自動車以外進入禁止と二輪の自動車・原付自転車通行止めの組み合わせ」「二輪の自動車・原付自転車通行止め」ですので、全て自転車に乗ったまま通行できます。下段の4つは左から「自転車専用」「自転車及び歩行者専用」「歩行者専用」「自動車専用」ですが、左の2つは自転車でも通れ、右の2つは自転車では通れません。基本的な標識ばかりですが、忘れているものはありませんか。
上のような標識も、補助標識で断りがない限り、全て自転車でも従わなくてはなりません。出せるかどうかは別として、原則としてはスピード違反にも問われますし、一通にも従わなくてはならないのです。細い道の一方通行は、「自転車は除く」となっている場合が多いですが、中央分離帯で仕切られたような高規格道路で一通のマークがあれば、自転車も一通です。そうでなくても車道の右側を走行するのは当然違反です。
上の標識は言うまでもなく、自転車に馴染みの深い「自転車専用」と「並走可」です。「自転車専用」の標識があったら歩行者であっても通ってはいけないわけですが、実際にはサイクリングコースであっても歩行者のマークもついていることが多く、ほとんど皆無に近いのではないでしょうか。「並走可」のほうも、いろいろな標識を集めているサイト
「霧に走る」によれば、「
標識界の日本カワウソ」(笑)だそうで、滅多にないようです。つまり、大部分の道路では並走してはいけないわけです。
余談ですが、標識を一枚一枚アップロードするのは面倒なので、まとめようとカット&ペーストしていたら、ふと5コマ漫画が出来ました。
これは私が並べただけで、標識そのままなので面白くありませんが、面白い標識のサイトを見つけましたのでリンクしておきます。
「道路標識の新解釈」です。上から2コマ目が「自転車買ってー。」に見えるのは私だけではないようです(笑)。
黄色い注意標識で、自転車に乗っていて気になるものと言えば、道路の勾配や横風でしょうか。でも、多少勾配がきついからと言って、下の写真のように「降りろ」と指示されるのも余計なお世話ではあります。横風の突風は危ないので注意しなければなりませんが、先ほどの「道路標識の新解釈」によれば、右のは「吹流し」ではなく、「鉛筆」のようです(笑)。言われてみると、確かに見えてきます。
後半は交通ルールの遵守から話がそれてしまいました(笑)が、自転車に乗っていても、標識に注意しながら走行しましょう。珍しい標識の発見と言う副産物も期待できます。そうした標識や看板を集めているサイトもたくさんありますが、全国には変わった標識、珍しい標識も多いようです。注意看板なども含めれば、面白看板や意図しないユーモアなども埋もれています。
探せばオリジナルでローカルな標識も多いですし、他の地域の人には意味がわからないようなものまであります。クルマだと目にとまらないような標識でも、自転車だとじっくり観察出来たり、写真に収めたりも出来るでしょう。そんな目的のサイクリングも面白そうです。もちろん、標識に見とれてしまっては本末転倒ですので、くれぐれも事故には気をつけて。
もしや、という時間帯もありましたが、日本にとってのドイツは終わってしまいました。選手達本人が一番悔しいでしょうね。素直に健闘を称えたいと思います。残念ですが、大会はこれから強豪同士の対戦で佳境に入りますから、この後は純粋に世界のサッカーを楽しみたいと思います。