
乾電池を動力源とした有人飛行機が世界で初めて空を飛んだそうです。
今月16日付で各紙に報じられていましたので、ご覧になった方も多いと思います。しかし、単なる
テレビのCM用のパフォーマンスで、それほど凄いこと、世界的快挙とは思っていませんでした。むしろ、ずい分多くのメディアで報じられたことに驚きました。さすがに単三乾電池4本くらいで飛んだらビックリしますが、160本というのもあります。
凄いことなのでしょうけど、同じような機体で、人間の力だけによる飛行もとっくに成功しています。そう考えると、あまりインパクトはありません。理論的には、乾電池を多く繋げれば強力なバッテリーと同等でも、実際には電圧が落ちるでしょうから、そうした意味で電気効率的には優れているのかも知れません。しかし、全体の印象としては、単なるメーカーの宣伝PRと感じたのは私だけではないと思います。
それでも、よくよく調べてみると、乾電池による有人自力飛行は、電池の本数を増やせばパワーを高めることができるものの、一方で重量が重くなってしまうので、専門家の間では無理とされていたそうです。それを覆しての達成だった訳で、そう聞けば、なるほど納得します。いずれにせよ、今までより性能の高い乾電池が開発されたことには間違いないようです。

ところで、このチャレンジにも利用された軽量タイプの有人飛行機を、人力だけで飛ばしている人は世界中にいます。日本では、読売・日本テレビ系列で毎年夏に行われる、「
鳥人間コンテスト」が有名ですが、なんと今年で30年目なのだそうです。ちなみに大会は今度の土日に琵琶湖で行われます。まだやっていたのか、という感想をお持ちの方も多いかも知れません。
事実、当初は高視聴率だったものの、テレビ番組的にはマンネリ化し、中継が打ち切られるのではないかという噂は絶えないらしいです。それでも30年は大したものです。記録も、当初80メートル程度だった飛行距離が、最近は最高で35キロ近く飛んでいるのですから凄いことです。機体の製作技術や、飛行スキルも向上しているようです。
テレビ番組としての魅力はともかく、やはり空を飛ぶというのは、人間にとって永遠の夢であることには変わりありません。ジェット旅客機が飛ぶ時代でも、自分の力だけで飛ぶのは特別なことでしょう。鳥人間コンテストに挑戦している
日大航空研究会のサイトなどによれば、製作費も最低で1機150万円以上かかるようですが、それでも参加者が絶えないのは、やはりロマンにあふれた、やり甲斐のある挑戦だからだと思います。
人力飛行機にも幾つかタイプがあるようですが、やはりパワートレーンが自転車型になるのは必然のようです。つまり人力飛行機は、見方を変えれば「空飛ぶ自転車」です。言ってみれば、既に空飛ぶ自転車が実現しているワケです。しかし、なんと言っても主翼の幅が30メートル程度もあり、構造上この幅は如何ともしがたいのが現実です。残念ながら、誰でもどこでも空飛ぶ自転車に乗れるわけではありません。
素人の空想ですが、例えば気球なんかと組み合わせて、コンパクトな普及型空飛ぶ自転車は作れないものでしょうか。そんなに高く飛べなくても構いません。いきなり大勢の人が高く飛び上がったら、それこそ航空機やヘリなどの邪魔ですから、5メートルか10メートル浮かぶだけでも充分です。人力によるプロペラではスピードも出そうにありませんが、のんびり空中散歩が出来るだけでも最高の気分でしょう。
ゆっくり歩く程度の速さなら、お互い事故も防げるでしょうし、もちろんクルマや歩行者を気にする必要もなくなります。道をたどる必要すらないわけです。騒音も排気ガスも出さず、渋滞もありません。今まで利用されて来なかった低層の空を利用した新しい都市交通になるかも知れません。言ってみれば、ドラえもんのタケコプターの実現化です(笑)。
日本では、一部を除いて多くの自転車が車道から追いやられ、歩道では邪魔物扱いされている現状があります。どっちつかずで肩身の狭い思いをする場面もあるでしょう。もし、そのどちらでもない新しい画期的な空間へと進出できたら痛快です。おそらく技術的にはいろいろ問題があるでしょうけど、誰でも自転車で、気軽に空を飛べる時代が来たら楽しいでしょうね。
ここのところ、細かい部分を少しずつリニューアルしていますが、サブタイトルも変えようかなと思っています。「千里の自転車道も一ブログから」という部分です。このブログを始めた当初の気持ちを表す意味でつけたものの、長いので変えようかなと思いつつ、ずっとそのままになっていました。もちろんメインのタイトルは「サイクルロード」で変更ありません。別に内容が変わるわけではないんですが..(笑)。
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Posted by cycleroad at 12:30│
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