July 26, 2006

安くなる価格とふくらむ価値

ライトの位置に注意日銀もゼロ金利政策を解除し、いよいよ日本経済はデフレを脱却したとの見方が広がっています。


しかし原油価格の高騰など原料価格の上昇を転嫁しやすい状況にある業界と、実需が伴わず価格下落の続く業界との温度差もあり、慎重な見方も少なくないようです。ここのところの天候不順で、夏物衣料などを中心に堅調に推移してきた個人消費のもたつきも見られるようですし、今後の動向が注目されるところです。

古い自転車カタログ個人的な実感としては、ガソリン価格などもありますが、物価が上がり始める感じは、まだ当然のことながらありません。商品サイクルが昔と比べて非常に短くなっているせいで、パソコン関連とかデジタル系の商品など、相変わらず価格の下落が急なものもありますから、下がっている感すらあります。

経済全体で見れば需給ギャップは解消し、物価指標が上向いたとは言うものの、サービス分野も含めて相変わらず内外価格差を抱える部分は、グローバル要因による更なる下落圧力もかかるでしょうし、技術革新などによる、いわば構造的デフレ要因も無くなるわけではありません。

そう考えると、バブルまでは、物価にしても地価にしても所得にしても、上がるのが当たり前だったわけですから、その変わりようには隔世の感があります。昔と比べると、本当に安くなったと感じるものも沢山あるわけで、自転車なんかも、その一つでしょう。

例えば、バイコロジーブームと言われた1970年代前半と比べると、その違いがわかります。確かに昔は高かった、と感じる方も多いでしょうが、どのくらいの価格だったか正確に覚えている人は少ないと思います。ヘキサ弟子丸さんという方が、「古い自転車カタログ」を当時の定価まで記載してサイトにアップされています。

当時一世を風靡した自転車がメーカー別に多数掲載されてます。その頃自転車に乗っていた方、興味があった方なら、もしかしたら当時の愛車や、憧れだった一台もあるかも知れません。何となくでも、身近に見た覚えがある人も多いのではないでしょうか。

1970年代昔の自転車

当時は、ホンダ、ヤマハ、スズキなど、クルマやバイクのメーカーがまだ自転車を製作したり、外国製自転車を輸入販売していました。今では無くなってしまったメーカーもあります。パーツも掲載されていますが、例えばチェンジレバーなんて、今のものとはだいぶ違います。

チェンジレバーチェンジレバー

1970年と言うと、よど号ハイジャック事件が発生し、三島由紀夫が割腹自殺した年です。ビートルズが解散し、カップラーメンが登場しました。この年の大卒初任給が37,400円、ラーメン1杯100円、まだ固定相場で1ドル360円の時代でした。

3輪もバイコロジーブーム

よく当時の1万円は今の価値だといくらなどと言いますが、実は所得の伸びと、それぞれの物価の伸びには違いがありますし、為替や経済状況なども違うので、何を指標にするかによって変わってきます。当時と今の自転車の商品構成も違うので、価値を正確に比較するのは難しい部分があります。

それでも、こうして当時のカタログなどが残っていると、具体的に商品とその価格がわかり、当時の所得水準や諸物価とも比較できます。今のように安い輸入品がなかったですし、流通の形態なども違いましたが、当時、自転車がかなり高い買い物だったことがわかります。

昭和40年代

この方が昭和40年代後半のバイコロジーブームにどっぷりとハマって、その当時集めたカタログ類なのだそうです。「こんな物アップするのは私くらいでしょうなあ。」とも書かれていますが、よく30年以上も保存されていたものです。見るだけでも懐かしいですし、貴重な資料です。

今どきの自転車のカタログは、専門店に行かないとなかなか手に入りません。中には有料のものもあったりします。でも、ハマってなくても検討用などで、手元に最近の自転車のカタログをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。せっかくですから、30年ほど保管しておいてもいいかも知れませんね(笑)。



ようやく九州四国で梅雨明けですか。今年の梅雨明けは沖縄以外、軒並み遅くなっているようです。他の地域でも、あと少しのようですが、もうしばらくカタログでもながめて過ごしますか..(笑)。

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