一口に広告と言っても放送や通信メディアから紙媒体まで、様々なものがあります。
街中の宣伝看板もありますし、交通機関を利用した広告は中吊りやポスターだけでなく、ラッピングバスなど交通機関そのものを使った広告も見られるようになってきました。
日経BP社の解説記事によれば、ニューヨークでは、自転車に看板をつけて街を走り回るという手法が登場したそうです。
記事にもありますが、一見、時代遅れのようで、アメリカ国内では例を見ない手法なのだそうです。なるほど、ありそうで無かった広告メディアかも知れません。
街頭の看板より、動くぶん注目を集めるのは、トラックの荷台を改造して看板を取り付けた宣伝トラックと同じです。速度も遅く、より人々に近いことも有利でしょう。
一部では、街を走り始めたベロタクシーの車体に広告を載せる例もあるようですが、景色に溶け込みがちなラッピング広告より、広告そのものに注目を集める効果は高いと言えそうです。ましてや、宣伝トラックと違って話しかけたり、サンプルを配ったりもするそうです。
ライダーには役者を採用し、ブランドイメージに合わせて衣装を着て演技もすると言いますが、物珍しさによって話題づくりを狙ったイベント的、あるいはゲリラ的な手法による広告のようです。この会社のサイトには現在掲載されていませんし、ニューヨークに日常的に宣伝自転車が溢れるようになるわけではなさそうです。
写真を見ると、三輪車でゆっくり移動しながらサンプルを配っていますから、最初は珍しく感じそうですが、よく考えると街頭でチラシやティッシュを配るのと、自転車を使うか否かの違いだけで、あまり変わらないような気もしてきます。
ただ、今は少なくなったチンドン屋や、たまに繁華街で見かけるサンドイッチマンにも通じるようなアナログな手法であることは確かで、今どき自転車で広告をするという時代的ミスマッチ感が、かえって新鮮に映るということはありそうです。
一方、日本でも今年の7月から「
アドバイク」という広告サービスが始まったそうです。こちらはリカンベントで広告トレーラーを引っ張るスタイルで、より街中で注目を集めそうです。エコロジーな広告メディアを強調し、社会貢献を志向するベンチャーが運営しています。
確かに、トラックの荷台を看板に改造したアドトレーラーに比べてサイズは小さくなるものの、走り回っても化石燃料も消費しなければ、地球温暖化ガスも排出しません。まさに自転車のクリーンさを活かしたサービスと言えるかも知れません。
今まで、あまり移動広告専用トラックについて考えたことはありませんでしたが、ただ走り回って燃料を消費し排気ガスを撒き散らすだけと考えれば、確かにイメージは良くありません。どうせなら自転車を使おうという広告主が出てきても良さそうです。なんなら、健康対策を兼ねて広告主の社員自ら自転車をこぐ手もあります(笑)。自転車に置き換えるべき典型的な例かも知れません。
そもそも、自転車で街を走り回っている人は既にたくさんいるわけですから、それらの自転車を広告メディアにするマッチングサービスが出てきても不思議ではありません。自転車に広告を載せて走ってもいい人と、街で移動する広告媒体を求める広告主をつなぐ広告代理店業です。
健康のため、あるいは買い物や通勤など、どうせ走り回るわけですし、メディアとしても役立つなら一石二鳥です。自転車を使えば使うほどお金も稼げる、なんてことになれば、不必要なクルマの利用も減って、環境や省エネにも大きく貢献するでしょう。ひょっとしたら自転車には広告が当たり前になるかも知れません。
前回の記事は改めて読んでみると、我ながら分かりにくい部分があったので手直しをしました。
関連記事
使ってない部分の有効利用
自転車のラッピング広告とも言うべきものも始まりつつある
3輪にすると広がる使いみち
デンマーク人が考える自転車広告の形はこうなるらしい
風物詩や祝祭としてではなく
でも自転車じゃ電源はとれないから夜間はどうするのよ?
Posted by cycleroad at 19:00│
Comments(2)