日本では、めっきり見ることが少なくなったリヤカーです。
アジアやアフリカなどの国々の中には、人や牛、自転車からオートバイまで、何が牽くかは別として、身近な運搬具の中心となっている地域も少なくありません。私も先日、中国へ旅行した際には、街で当たり前のように活躍するリヤカーをさんざん見てきました。
中国生まれかとも思えるリヤカーですが、実は日本で発明されたのだそうです。大正年間に日本に欧米から入ってきた側車つきのオートバイ、いわゆるサイドカーを見た日本人が、それを真似て、自転車に側車をつけたのが始まりとされています。最初は自転車と一体で3輪だったわけです。
その後、横につけるより後ろの方が荷物が多く積めるということで、リヤカー自体が2輪となり、今のリヤカーの形が出来上がりました。日本の狭い道に入っていくのにも都合が良かったのだろうと思いますが、同時に自転車と切り離して、独立しても使えるようになったわけです。
発明のきっかけとなったサイドカーが日本に入ってきたのは1921年(大正10年)頃とされていますが、1923年の9月におこった関東大震災の時には既に活躍していたと言いますから、急速に普及し支持されたようです。その後、燃料事情の厳しかった戦後の復興の時期まで盛んに使われました。
しかし、その後オート三輪や軽トラックなどの普及に伴って日本では衰退の一途を辿ります。最近では、屋台のおでんとかラーメン屋、焼き芋屋なども、軽トラックの荷台を改造したものが主流となって、いつの間にか身近ではあまり見なくなってしまいました。
それでも、一説には発祥の地とされる秋葉原など、地域によっては比較的使われている場所もあるようですし、少なくなったとは言え、例えば今でも学校などには一台くらいあるのではないでしょうか。最近は災害時の備えとして見直され、自治体の備蓄倉庫に配備されたりするなど、しぶとく生き残っています。
大きなホームセンター等で売られているのも見ますし、通販サイトなどで検索すると結構扱われています。昔の鉄と木で出来たものから進化して、アルミ製となって軽量化され、折りたためて収納時に場所をとらないものも売られています。
日本では、自転車に連結するトレイラーはあまり普及していませんが、写真のような小型リヤカーとでも言うべき製品も発売されています。必要な時に自転車に連結して使い、収納時や持ち運びの際には小さく折りたためるので、使いようによっては、キャンプ場などのアウトドアシーン以外でも活躍しそうです。
街では、ママチャリの前カゴと後ろの荷台に荷物を満載した上に、ハンドルにも5箱セットになったBOXティッシュを引っ掛けて運ぶツワモノも時々見ます(笑)。ふだんの生活の中でも、荷物が多い時にトレイラーが連結出来れば便利そうです。米とか園芸用の土や肥料といった重量物でも安定して運べます。
話は脱線しますが、海外でツワモノと言ったら、日本のママチャリの比ではありません。なんと冷蔵庫でも自転車で持って帰ります(笑)。
もちろんリヤカーの使い方にしたってハンパではありません。
干草なのか雑草なのか、どうやって積んでいるのでしょう。
1本2本じゃ物足りないのでしょう。
極めつけはこちらです。なんとクルマを自転車で運んでいます。スゴイ人がいるものです。
この一連の写真、「
Lords of the Logistic」と題されたブルガリアのサイトのものです。私は海外のブログを見ていて偶然知ったのですが、そのインパクトからか各国のブログなどでも紹介されて、一部で注目が広がっているようです。自転車以外に、オートバイで様々なものを運ぶ人々も掲載されています。
このサイト、上の写真から始まるのですが、国によっては、こんな吊橋でもあればいいほうで、ワイヤー1本と滑車で川や渓谷を渡っていたりします。
こちらは荷物運搬編ではありませんが、そんな場所でも自転車を運ぶ根性がスゴイです。
主にアジアの国々のようですが、笑えると共に、そのたくましさに圧倒されます。先程の自転車に連結するトレイラーなど、かわいらしく見えてしまいます。(モデルの女性が、ではありません。念のため。)アジアの国々を見習おうと言うつもりはありませんが(笑)、もっと自転車を運搬具として活用することを考えてもいいのかも知れません。
連休は穏やかな天気に恵まれた所が多かったようです。自転車三昧だった方も多いかもしれませんね。
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中国でも、リヤカーを連結した自転車がたくさん行き交っている。
Posted by cycleroad at 23:30│
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