
今日は、前線が本州付近を通過した関係で、強い風が吹いたところも多かったようです。
自転車にとって雨はもちろん、向い風や横風も憂鬱なものです。これから気温が下がれば外へ出るのも億劫になるなど、どうしても気象条件に左右されるのは仕方のないところです。天気によっては、トレーニングなどの目的で、室内でローラー台やトレーナーを使って自転車をこぐという人もいると思います。
家の中で本物の自転車をこぐというのは、普通の人が聞いたら驚く話だと思います。そもそも自転車を室内に保管するなんて感覚もありません。しかし、昨今の健康ブームもあいまって、エアロバイクなどの健康器具を購入して家の中でトレーニングすることを思えば、そんなに違和感はないのかも知れません。
私もトレーナーを使っていますが、自転車を室内保管している関係もあって、別にエアロバイクを購入するするよりスペースの節約にもなります。クランクの長さやサドルとハンドルの距離など、自分のカラダに合ったサイズの器具として使える点もメリットかも知れません。

今月の初めにサイクルモードという自転車の展示会に出かけた話は、先日も書きました。試乗もあって、自転車本体がメインであることには間違いありませんが、ヘルメットやサイクルジャージをはじめ、様々なパーツや関連製品も出展されていました。
今回が初めての展示というわけではありませんが、以前より目立っているように感じたのは、室内練習用のトレーナー関連の機器です。コンピューターを使って、画面に道路を走行する映像を再生し、実際に屋外を走行しているような状況をバーチャルに再現する機器もいくつかありました。
Realaxiomや、
CompuTrainerといった製品です。手持ちのパソコンに接続するなどして、アウトドアでバイクに乗るような視覚を再現し、またアウトドアでは不可能なハイレベルのトレーニングを実現することができるのだそうです。世界中の有名バイクレースのコースも3Dで再現されると言います。

ふだんから実際に行われたレースのDVDを見て気分を盛り上げながらトレーニングしている人もいると思いますが、テレビの中継画面などとは違って、実際に自分が走行しているような景色が展開するようです。これで前から扇風機でも回せば、かなり気分が出そうです(笑)。
私の行った時間帯も、けっこう人だかりがしており、注目を集めていたようです。私は、時間がかかりそうだったので、実車の試乗を優先して試しませんでしたが、見た感じでは、バーチャルリアリティと呼ぶほどではないものの、モニターに最近普及しつつある大画面テレビを使うなどすれば、意外に臨場感も出そうです。
仮想のライバルキャラクターと競い合うことによって、退屈せず、効果的なトレーニングが出来るのが売りだそうです。ライバルのレベルも自由に変えられ、前回の自分と競争することも出来たり、出場予定のレースコースのデータをダウンロードしてシミュレーション出来るなど、機能も満載です。
効率のよいトレーニングの為、パワーや心拍数などの測定値や、ペダリングの解析も画面て把握できるなど、説明を読む限り、面白そうなシステムです。価格面などもありますから、個人で導入する人がどれだけいるか分かりませんが、スポーツジムなどに導入されれば人気も出そうです。
仮想のキャラクターと競うところなど、パソコンやテレビゲームのレースゲームのようです。考えてみれば、ゲーム機のコントローラーがトレーナーに替わっただけとも言えます。今どきは、いろいろなものがゲームのテーマとなりますから、ゲームの一種として人気が出ても不思議ではありません。

最近はゲーム機も進化してますし、コントローラーのタイプもいろいろあるようですから、サイクリスト以外には、コントローラーとしてトレーナーが売れるかも知れません。ゆくゆくはネットで対戦するようになって、バーチャルロードレース大会が開かれれば、有名選手との競演も夢ではありません(笑)。
今回は、ほかに写真のような製品もプロモーションされていました。電気刺激によって筋肉を収縮させることで筋肉を強化出来る機器だそうです。少し前にテレピ通販などで流行った、お腹を電気で痙攣させて細くするダイエット機器を連想してしまうのは私だけでしょうか(笑)。
使ったことがないので何とも言えませんが、プロの選手も取り入れるトレーニングだそうで、会場でも多くの人が試していました。全く動かずにトレーニングできるので、関節にも負担をかけず、息が切れることもなく、移動の車内などでも長時間トレーニング出来るのだそうです。
将来、ゴーグル状のディスプレーやヘッドフォンなどの機器と組み合わせれば、それこそ寝たままで、アルプスの山道を登る擬似体験ができるようになるのかも知れません。バーチャルリアリティの進歩で感覚をだますだけでなく、実際に筋肉も強化されたり疲れたりするわけです。
もともとは雨天時の屋外走行の代替や、トレーニングの補助が目的だったものが、それ自体が新たなトレーニングのスタイルとして確立し、進化していると見ることも出来ます。今さら断るまでもなく、現在の常識では、自転車はアウトドアを走るものですが、将来もそうあり続けるとは限りません。

街のフィットネスクラブやトレーニングジムでは、ランニング用のトレーニングマシンの上で走っている人がたくさんいます。今どきは、駅のホームで小走りになることを除けば、室内でしか走ることがない人も大勢いるに違いありません。
そう考えれば、近未来の都市では、駅までのアシとしての自転車は別としても、特にスポーツバイクは室内で使うものになっていることも全くあり得ない話ではありません。極端な仮説ですが、自転車に屋外で乗らない人を増やす可能性のある原因はいろいろ考えられます。
交通事故や道路環境の悪化、排気ガスやダイオキシンなどの大気汚染、中国大陸から飛来する黄砂、スギ花粉などによるアレルギー、オゾン層の破壊による強い紫外線の危険、ヒートアイランド現象による熱中症、そのほか気候変動による激しい気象現象、などなど。
ちょっとシュールな感じもしますが、そのほうが交通事故などのリスクもなく、時間が有効に使えるなどのメリットが大きくなれば、当然のように外を走行しなくなるでしょう。ちょうど子どもたちが、諸般の事情や遊び方も変わって、屋外で遊ばなくなったのと同じことです。
自転車も、フィットネスやトレーニングの道具として見るならば、現代の技術を取り入れ、また時代を反映して変わって行くのも、むしろ当然です。私としては10年後も普通に屋外を走っていたいですが、機器だって10年も経てば大きな進歩を遂げるでしょうから、案外インドアサイクリングもしているかも知れません。
サイクルモードは携帯電話で写真を撮りました。今どきの携帯は綺麗に撮れるのですが、手ブレにはイマイチ弱いようです。(私が下手だからか?)というのも、ずっと使っていたデジカメが壊れてしまったからですが、コンパクトデジカメも最近は安くなっていますし、修理代が、下手をすると新しく買うのと大差なくなってしまうのが悩ましいところですね。
あ、ちなみに私は例のお腹ヒクヒクを買ったわけではありませんので念のため(笑)。
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