街角でもコミュニケーション

街中を自転車で走っている人の中には、クルマを信じきっているかのように見える人があります。
例えば、車道の左端を走行していて、前方の駐車車輌を避けて道路の中央方向へふくらむ時など、当然振り返って後続車を確認する局面があります。そんな場面でも、クルマが避けるものと信じきっているのか、全く後ろを振り向かずに進路を変える人が時々います。危ないとすら思ってないのかも知れません。
クルマが徐行するなり回避するのが当然とも言えますが、何かの理由で気づくのが遅れたり、とっさに避けられないことだってあります。原因が自転車側にあっても、弱者優先でクルマの過失割合が大きくなりますので、ドライバーの側にしてみれば、確認も合図もしない無責任な乗り方の自転車には腹が立つことでしょう。
安全確認の問題ですが、考えてみれば合図の問題もあります。つまりハンドサイン、手信号です。道路交通法では、「自転車をふくむ車両の運転手は左折、右折、転回、徐行、停止等または同一方向に進みながら進路をかえるときは、手、方向指示器などで合図をしなければならない。」と定められています。
合図の不履行は5万円以下の罰金となるれっきとした交通違反ですが、街で自転車に乗って手信号をしている人を探すほうが困難です。もちろんスポーツ車に乗るようなサイクリストの中には、きちんと合図している人もいますが、全体としては、合図が義務だと知っている人すら少ないのが現状ではないでしょうか。

今は皆無に近いですが、何十年か前にはウィンカーのついた自転車が流行った時代もありました。当時の豆電球に乾電池を何本も使っていたのに比べれば、今ならLEDとボタン電池で、格段に軽くて明るいウィンカーが出来そうですが、一部の幼児用自転車を除けばウィンカーのついた自転車は売られていません。
アクセサリーとしても、ヘッドライトやテールランプは売っていますが、自転車用のウィンカーは聞きませんし、例えあっても今、自転車につけようという人は少ないでしょう。自転車の幅が狭いこともあって左右が見分けづらく、点滅するテールランプに見られて方向指示器として認識されない可能性も高いです。
やはり手で合図したほうが分かりやすいですが、暗くなると目立ちません。そのあたりを解消したのがオーストラリアはSafe Turn社の、
Safe Turn Indicatorです。ゴムバンドで手首などにつける自転車用ウィンカーです。グローブにつけても構いません。

見た目はただのオレンジ色のLEDライトです。でも、単に自転車に付けずに、腕に装着するようにしただけではありません。内部の傾斜センサーによって、腕をあげると初めて点滅するのです。ずっと点滅しているテールランプを腕につけているのとは違い、まさにウィンカーの挙動をするわけです。
スイッチ操作は必要なく、ハンドサインで合図をすれば自動的に点滅するわけですから誰でも使えます。手信号をするのは面倒という人でも、このセーフターンインジケーターをつけていれば手を上げたくなりそうです。今さら手信号は恥かしいという人でも、合図がするのが楽しくなるかも知れません。

クルマ同士もウィンカーやクラクションなどで意思疎通をしながら円滑な交通を実現するわけですが、安全のためには、自転車とクルマも、もっとハンドサインなどを使ってコミュニケーションすべきです。ドライバーだって、きちんと合図をされれば悪い気はしないでしょう。
いきなり飛び出されるのと違い、自転車が後方を意識していると分かれば、ドライバーにとっても安心感が違います。右左折や停止など決められた合図だけでなく、自転車同士も含め、進路を譲ってもらったら手を挙げるなどすれば、スムーズな交通と安全の向上にも役立つはずです。
このPortable Bicycle Indicatorなら、もの珍しさもあって、ドライバーも思わずニッコリしてしまうかも知れません。ちなみに、四十肩とか五十肩の人のためという訳ではありませんが、スイッチの入る角度は15度刻みで調整できますのでご心配なく(笑)。
しかし不二家の不祥事は、後から後から、とめどなく出てきますね。あきれ果てるとはこのことでしょう。シンボルのペコちゃんも悲しげに見えるなどという声も聞きますが、新聞で見たこの川柳が秀逸だと思いました。
ペコちゃんは 本気で舌を 出していた
関連記事
ご利益ある御守を身につける
後続車などに合図を送るという意味では、こちらも有効だと思う。
風物詩や祝祭としてではなく
安全を考えるなら、夜間にも目立ったほうがいいのは間違いない。
後ろへ向かってアピールする
最近、ライト類も安くて軽く種類も豊富なので利用しない手はない。
Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。
Posted by cycleroad at 12:30│
Comments(4)│
TrackBack(0)
この記事へのトラックバックURL
ご無沙汰しております。普段車道では私も、出来る限り手信号はするようにしていますが、車の交通量や後ろからの追い込みが速すぎるとタイミング的に出来ないですし、また、片側通行の場合、右手を思い切り伸ばすのは怖かったりします。 ご紹介されている商品、すごく使えそうですね。
時に、最近大阪市内で車道を走るママチャリが急増していると感じておりますがいかがでしょうか?「自転車は軽車両につき車道が原則」という部分を報道する、メディアの影響の一面だと思いますが(昨日もクローズアップ現代で取り上げられていましたね)、とにかく自転車は車道を走れば良い、と思われる方が多いようで、かえって危険です。車も我々も、注意しなければいけませんね。更に、この現況で自転車と車との事故が増えれば、自転車を歩道にあげたい勢力の思う壺だと危惧しています。
noriさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
手信号を誤解しているのではないかと思われるようなドライバーもいますね。駐車車輌で、仕方なく右側へ出る場合でも、手信号を出した途端にクラクションを鳴らすとか..。もちろん安全確認していますし、鳴らされる場面でないのに、手信号を出したことに対する反発に思える時があります。
そうですか。地域差もあると思いますが、私の通る地域ではあまり変わった感じはしませんね。クローズアップ現代は私も見ました。メディアの影響は大きいと思いますが、ここへ来て急速に車道原則を知る人が増えたとしても、早速車道を通る人ばかりとも思えないですね。何か特有の事情があるのかも知れません。
今まで、一貫して広くとった歩道に自転車を走らせる方針でしたから、多くの人が急に車道に溢れ出せば混乱は避けられないでしょう。ハード面も含め、円滑な移行策が必要ですね。
少し前のエントリーへのコメント、失礼いたします。
先日一人で街中・郊外を続けて走ったのですが、まだまだ初心者の私、スピードは遅いし、右折かどうかはっきりしないし、ずいぶん危なっかしかったことと思います。
ミラー(これはすぐに取り付けられますね)とウインカーがあればいいのに!と切実に思いました。ウインカーは私が自転車を購入した店で取り扱っているようなので、早速きいてみます。個人的にいえば、ハンドルから手を離さずにスイッチで操作できるウインカーがあれば、もっと嬉しいのですが。
nocchingさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
古い記事でも一向に構いません、ご遠慮なく。
私も世界のあちこちの都市で自転車に乗った経験がありますが、交通ルールや道に不慣れなだけでなく、独特の慣行があったり、周囲の人やクルマの挙動など、特に街中では慣れるまでは気疲れしますよね。
メルボルンで、このIndicatorをつけている人は多いのでしょうか。余計なお世話ですが、現地の人の動作や走り方も参考にしたほうがいいかも知れませんね。しばらく慣れるまでは、Indicatorが必要になるような夜間は控えたほうが無難かも知れませんし..。いずれにせよ、くれぐれも事故にはお気を付け下さい。
メルボルンにも秋葉原のような場所があれば、スイッチとコードとLEDで自作出来るのでしょうけどね(笑)。
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)