
自転車に乗る人にとって、理想的な道とはどんなものでしょう。
車道を通るなら、幅員に余裕があって駐車車輌などの障害物がなく、路面の舗装がきれいで走りやすいことが挙げられるでしょう。信号で停まることも少ないほうが嬉しいですし、クルマと近接したり交差することによる事故のリスクを考えれば、クルマを気にせず走れる自転車専用道がベターです。
その専用道に歩行者は歩いておらず、視界も開けて、子どもや動物などが突然脇から飛び出すこともなく、景色がよければ、なお可です。マナーの悪い他の自転車もおらず、ついでに暑くもなく寒くもなく、雨に降られる心配もなくて、向い風や横風もほとんど無ければ最高です。
理想を言えば、ある程度の距離ごとに休憩場所も欲しいところです。飲料の補給や食事も便利だと言うことありません。いざという時のため、工具や部品、救急箱なども備えてあったら究極...サイクリングの神様がいたら怒られそうですが(笑)、考えていくとキリがありません。
人によって理想とする道は多少違うかもしれませんが、全ての点で自転車に理想的な道は、残念ながら存在しません。日本の道路の厳しい現実を考えれば、広大な牧場か農園でも所有していて、私有地に自分専用の道でも造らない限り実現は無理、いや、例え私有地であっても、天気や風までは制御出来ません。
そう考えると、この
Super Trainer を空調の効いた自分の部屋に設置するのは、ある意味、理想的な環境と言えるかも知れません。道は無限軌道ですが、飲食物に工具や部品も手近にありますし、雨や風も含め、先に挙げた条件は全てクリアしています。大画面テレビでDVDでも流せば景色も選べます(笑)。
従来の後輪固定型のトレーナーは、エアロバイクと同様、ペダルをこぐ運動にはなりますが実走行とは違います。いわゆる3本ローラーなら実走行に近いトレーニングが出来ますが、このスーパートレーナーなら、狭いとは言え路面上を走行するわけですから、さらに実走に近い状態です。登り坂にして角度も変えられます。
このスーパートレーナー、少なくとも日本では、まだスポーツクラブにすら導入されてはいないようです。扇風機までついて(笑)、練習コースをプログラミング出来るなど機能的にも面白そうですが、よほどのプロの選手でもない限り、自分の家に置くのは現実的でないのも間違いありません。

そこで、この
Inside Rideでは、より身近な
E−motion Rollers も紹介しています。実は、私も最初こちらをYouTubeの動画で見かけて、このInside Ride.comの存在を知り、後から上の Super Trainer も扱っていることを知りました。
見た目は、ただの3本ローラーです。普通のローラー台は、室内でのトレーニングやレース前のウォーミングアップのため、床や地面の上に置いて使います。つまり固定されたローラーの上でバランスを取りながら、脱輪や転倒をしないよう、うまく走らせる必要があるわけです。
多少コツもあって、最初は難しかったりするのですが、このE−motion Rollers は、ローラー台が前後にスライドするようになっており、今までの3本ローラー台と違って、より簡単かつ安全に、より効果的なトレーニングが出来て、より満足できると主張しています。

←こちらは、従来型の一般的な3本ローラー。
↓下のような初心者用の前輪固定器具もある。

普通のローラー台は、脱輪したり落車しないようバランスをとって、ローラー台上の位置をキープする必要があるわけですが、サイトのビデオギャラリーなどを見ても分かるとおり、かなり激しく漕いだり、立ち漕ぎ、いわゆるダンシングをしても、その動きを吸収してくれています。→
よくわかる動画(音が出ます)
↑YouTubeの動画。(中央の再生ボタンをクリック、もしくは2度クリック。全て音が出ますので音量注意。)
スーパートレーナーの動画もあります。
確かに、より自然で実走に近い乗り方をしても、脱輪したり落車しにくい構造のようです。乗ったことがないので、「室内ライドの常識を変えた」かどうかまでは分かりませんが、今までのローラー台の数倍の値段をとるだけのことはあるのかも知れません。

トレーニングということだけで言えば、その機械も進歩しているので、天候や環境に左右されず、交通事故などのリスクもない室内トレーニングも有効でしょう。より効果的に負荷をかけられたり、同じ心拍数などの条件を保ったまま、長時間トレーニングすることも出来ます。
ある意味では、自転車を漕ぐ理想的な環境とも言えますが、一般的にはこうした室内トレーニング、なかなか続かないという人も多いはずです。なんと言っても飽きますし、良くも悪くも、アクシデントもなければ、いい意味でのスリルや緊張感もなく、サイクリングに出かけるのとは比べようもありません。
気持ちの良い風を受けて走ったり、季節を感じることもなければ、サイクリングの途中で新たな発見をしたり、人と出会うこともないわけです。自転車を乗るのに理想的な道には、様々な「変化」やリアルな「刺激」も重要な要素と言えるのかも知れません。
最近、オーストラリアの大干ばつが報じられていますが、北東部のクインズランド州では、
下水を飲料用にリサイクル処理した水を飲むしかないと発表したそうです。深刻な事態ですね。観光地も多いところですが、イメージ悪化も避けられないでしょう。下水を使うくらいなら海水ではダメなのでしょうか。
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Posted by cycleroad at 22:00│
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