その消費動向が注目されていますが、団塊世代が大量に定年退職を迎えます。
定年後の計画は人それぞれでしょうが、中には、キャンピングカーを使って、のんびり日本一周をしたいという希望を持つ人達もいて、キャンピングカーへの関心や需要も確実に伸びる方向にあるそうです。自然の中で滞在したり、好きなときに気ままに移動出来る旅、という点が魅力なのでしょう。
日本でキャンピングカーと言えば、普通はレジャーや旅行用ですが、本場アメリカではモーターホームと呼ばれ、バカンスだけでなく、文字通り動く家として使っている人も多いわけです。もちろん定年後の世代に限らず、より若い世代でも、各地を移動しながら暮らす人がいます。
日本でも、旅行でなら日本各地を巡る人はいますし、定年後に限りません。でも、一箇所に定住せずにモーターホームで暮らす人は少ないと思います。全くないわけではないでしょうが、やはり国民性なのか、狩猟民族と違って定住して暮らしてきた農耕民族だからか、米国とは大きく事情が異なります。
そんな、お国柄の違いという訳でもないのでしょうが、米国には、なんとモーターホームバイクに住んでいる人もいます。バイシクルホームと言うべきか、つまり自転車ホームです。日本流に言うならキャンピング自転車でしょうか。サドルの後ろにあるのはキャビン、すなわち居住空間なのです。仕上がりはともかく、発想は面白いです。
屋根付きの自転車と言えば、主に風の抵抗を小さくするため、フェアリングと呼ばれる流線型のカプセル状のものを被せた自転車があります。ベロモービルとか、バイシクルカーと呼ばれ、リカンベントがベースになっている場合が多く、やはり、ほとんどが手作りです。
この自転車ホームにも、サドルの上に日除けはついていますが、フェアリングの外にありますし、それらとは似て非なるものです。これまでも、いろいろ変わった自転車を取り上げてきましたが、家になる自転車、住宅兼用自転車というのは、ありそうで無かったジャンルです。私も初めて見ました(笑)。
製作者であり居住者でもあるライアン・ブライアンさんは、全米各地どころかメキシコまで、この自転車で足を伸ばしたそうです。設計的にはアポロ宇宙船の月着陸船と月面探検車のデザインに影響されたと言います。言われれば何となく印象がないでもありません。横風には弱そうですが、スタンドもしっかりしています。
手作りですが、意外にしっかり出来ているらしく、豪雨にあってもキャビンの中は全く乾燥したままで、非常に快適なのだそうです。確かに、日本なら雨露のしのげる場所で野宿も出来るでしょうが、広大なアメリカ大陸を旅するには、雨以外にも雪や砂嵐など、苛酷な天候をしのぐキャビンが欲しくなるのも頷けます。
この自転車ホーム、実はライアンさんの3番目の「船」だそうですが、希望があれば他の人用にも、こうした自転車を製作したいと考えているそうです。スピードは出そうにありませんが、のんびり時間を気にしないなら、こんな自転車で旅するのも、ちょっと面白いかも知れません。
とは言え、アメリカ人から見ても、かなりインパクトのあるスタイルのようですし、さすがにアメリカと言っても目立つのは間違いなさそうです。団塊世代の方の中には、自転車でのアメリカ大陸横断を考えている方もいらっしゃるかも知れませんが、どんな自転車にするかは、よくよく考えることをお勧めします(笑)。
最近、夜遅く更新することが多いのですが、どうしても深夜の時間帯は混んでいるのか、なかなか更新やRSSが反映しない時があります。特に、ここ数日はブログサーバーの調子も悪かったようで、全く閲覧出来ない時間帯もあったようです。エラー画面になって、無駄足を踏ませてしまった方、すみません。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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