
前回の記事を書いた後、少し気になったので、もう少し調べてみました。
前回取り上げた、Extreme Gravity Competitionという重力によるクルマのレースについては、過去にクルマを扱った多くのサイトでも取り上げられていました。でも、何故かボルボの車輌ばかりです。他のメーカーの参加車輌については、どこもほとんど触れていません。
その他のメーカーが気になったので、もう少し調べてみました。同コンペは
公式サイトがあって、Extreme Gravity Race(XGR)というレースとして継続しているようです。XGR in 2007は近日公開となっていますが、サイトは休止中で過去の記録も見ることが出来ません。
なかなか紹介している所がなかったのですが、イタリアのサイト、「
Virtual Car」に、他のメーカーの参加車輌も載っていました。話題としては前回で完結していますが、せっかく見つけたので番外編ということにしようと思います。まず左がアウディ、右がベントレーです。ボルボに劣らず、なかなか高い完成度です。

ベントレーは、前から見るとこんな感じで、レーシングカーのようにタイヤが張り出し安定感があります。でも、人が乗り込んでから、フタをしてあげないといけません。

こちらはクライスラー、張り出したタイヤは同じタイプです。やはり空気力学的に似てくるのでしょうか。ただ、このままではペダルをこげるほどの広さはなさそうです。

次はフォルクスワーゲン、タイヤはボディと一体型です。どこかワーゲンを思わせます。意図的にデザインしているのかも知れません。

世界最大のゼネラルモータース。個性的ですが、きれいなフォルムです。

日本のメーカーもあります。こちらは日産。GMと同じタイヤにも空気抵抗を軽減するカバーがついていますが、印象はまた少し違います。

マツダも参加しています。スラントノーズで前方が見やすそうです。

メジャーなメーカー以外のチームも参加しています。

クラシックで個性的なものも見えます。段差くらいは、ちょっと手で持ち上げて..。

うっすら、ハンドルを持つ手とドライバーの顔が見えます。特にボルボの肩を持つつもりはありませんが、美しいラインは、やはり際立っています。
下の写真を見ると、いざという時は持ち上げて、部屋の中へしまえる軽さのようです(笑)。

こんな、幼児の乗るオモチャみたいな「重力車」を改造した「バイシクルカー」について、リカンベントスタイルも馴染みがないですし、面白いけど現実的でない、実現は無理と考えるのが普通なのかも知れません。でも本当に「バイシクルカー」が普及する可能性はないのでしょうか。
環境に配慮したクルマ、燃料電池車や電気自動車も進化を続けて行くでしょう。ただ燃料電池車が普及して「水素」スタンドが整備されたとしても、その水素を取り出すのは、依然として原油や天然ガスからです。電気についても、現在の日本でさえ、その半分を火力発電に頼っており、温暖化ガスを排出し続けています。

化石燃料が有限であることは自明であり、やはり環境負荷を考えるなら、電車などの公共交通を利用し、置き換えられる部分は自転車にして、都市部では合理的と言えないクルマを排除するのは、至極合理的かつ現実的な考え方です。日本はまだ遅れていますが、環境に先進的なヨーロッパの国を見ても、少なくとも先進国では自然な考え方でしょう。
都市中心部においてクルマの流入を制限し、公共交通と自転車にすることは渋滞対策としても有効ですし、騒音や大気汚染、ヒートアイランド、地球温暖化ガス低減、土地の有効利用と、メリットは少なくありません。今でも、なるべく歩こうと心がける人は多いですが、健康への意識も後押しするでしょう。
現在のように、クルマと混在していては無理がありますが、都市の中心へのクルマの流入を制限して、自転車で安全快適に走行出来れば、多くの人が利用するはずです。電動アシストを利用するのもいいでしょう。自転車の弱点である雨に強く、空気力学的にスピードの出るバイシクルカーが普及してもおかしくありません。
そのためには、都市政策が大きく転換されなければなりませんが、環境問題に関心が高まりつつある昨今、人々の意識も変わりつつありますし、世界の趨勢に影響を受けて大きく変わり始めないとも限りません。クルマが大手を振って通っている現在からは、まだ想像できませんが、可能性がないわけではないと思っています。
もう桜が咲こうかという時期に来て寒いですね。バイシクルカー、風を遮って寒さにも強そうです(笑)。
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実は、すでに日本でバイシクルカーを開発している会社がある。
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その国産バイシクルカーに、試乗する機会に恵まれたことがある。
Posted by cycleroad at 01:00│
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