欧州では2割程度なのに、日本では9割5分という高い割合のものがあります。
それは、クルマの全販売に占めるAT(オートマチック)車の割合です。確かに日本ではAT車が当たり前のようになっていますが、それにしても欧州と比べるとずい分違うものです。ディーゼル車の人気の無さなどの理由もあるでしょうが、日本人は、古い形にこだわらないのか、機械仕掛け好きなのか、あるいは横着(笑)なのでしょうか。
いわゆるオートマチック限定免許についても、免許保有者全体に占める割合は8%程度ですが、新規取得者に占める割合は3割近いそうですから今後増えていくでしょう。一昨年には自動二輪のAT免許も出来ましたが、こちらはクルマより好評だと言います。
そう言えば、クラッチ操作なんて長いことやっていない、なんて方も多いでしょう。最近では、CVT(Continuously Variable Transmission)と呼ばれる無段変速機、 正確に言うと連続可変トランスミッションという歯車でなく摩擦で変速比を連続的に変える仕組みを搭載したクルマも珍しくありません。
自転車でも、最近自動でギアを変速してくれるタイプが出ています。私も試乗した経験がありますが、それでもギアがないわけではありませんでした。ところが、とうとうアメリカのブランド・
エルスワース(ELLSWORTH)から、初のCVTの自転車が発売されました。
その名も
The Ride、「革命的」無段変速ドライブを使う世界初の自転車だそうです。「パフォーマンス、快適さ、スタイル、どれをとってもこれまでに乗ったことのない自転車。変則もなめらかで、正確で簡単に楽しめる」そうです。ハンドルやシートポストのアジャスト機構、超軽量アルミフレーム、ベルトドライブなども盛り込まれています。
独創的な形状のタイヤとホイールセット、フェンダーに組込まれたリアライト、幾何学的なデザインなどと言われると、一見ビーチクルーザーにも似て、ありふれているようにも見える楕円形のフレームが、なんだか未来的なデザインに見えてきます。メーカーは自転車の技術を「再定義する」という意気込みようです。
NuVinci CVPと名付けられた無段変速機、クルマで言えばCVTですが、
Fallbrook Technologies社という会社の開発したもので、自転車専用の技術ではありません。電気自動車、農業機械や風力タービンなどにも搭載が期待される技術で、各種の表彰も受けた発明を他に先駆けて自転車に搭載したものだそうです。
もちろん今後、この機構が標準になっていくとは限りません。明らかに速度や性能が上回らない限りスポーツバイクには搭載されないでしょう。しかし、AT車が95%を占める新し物好き(?)の多い日本では案外ウケそうな気もします。電動アシストや自動変速などとも連動して、自転車もハイテクの塊になっていく可能性があります。
クルマの場合、変速装置に限らずどんどん進化しており、昔はエンジンルームを開けて自分であちこち調整をしていた人でも、今はさっぱり分らないのが現状かも知れません。その点、自転車は相変わらずシンプルで、動きや力の伝わり方も一目瞭然でわかりやすく、自分で細かいメンテナンスが出来る「道具」だと考えていた人も多いでしょう。
そこが自転車の良さとも言えると思いますが、この機構などは二重に密閉されて、簡単に自分でメンテナンス出来る代物ではなさそうです。自転車もいよいよハイテク化が加速し、パーツもブラックボックス化していき、将来、自分ではいじれない精密機械になっていくのかも知れません。
日米で過熱報道される中、きちんと結果を出すあたり、松坂選手すごかったですね。次は井川選手ですか。あれ、日本のプロ野球はまだオープン戦でしたっけ?(笑)
関連記事
ゆくゆくは自転車におまかせ
一昨年のサイクルモードで自動変速の自転車には試乗したことがある。
遊び心から生まれてくる明日
デザインという視点でも、未来の自転車は大きく変わるかも知れない。
毒という名の未来のデザイン
自転車会社の出すコンセプトモデルのデザインも意欲的なものがある。
Posted by cycleroad at 23:30│
Comments(2)│
TrackBack(0)