August 17, 2007

自転車かそうでないかの違い

暑い都会を離れて、夏休みは涼しい山道をMTBで..、なんて方もいらっしゃるでしょう。


マウンテンバイクにも、トレイルライドやツーリング、ダウンヒルなど、いろいろな楽しみ方があります。でも、一輪車で山道を走破しようという人は、まだあまり多くないはずです。近頃は授業などに取り入れられて、器用に乗りこなす小学生もいますが、一輪車自体、誰でも乗れるわけではありません。

その一輪車で山道を走行しようというのが、マウンテンバイクの一輪車版、マウンテン・ユニサイクリングの世界です。普通の一輪車と違ってオフロード・サイクリング用の、太いタイヤと頑丈なフレームで作られたマウンテン一輪車、マウンテン・ユニサイクルを用います。

上りにも比較的強く、場所によって自転車だと走行が難しいようなところ、幅の狭いところでも、一輪車ならジャンプしながら上れたりします。一輪車に乗れない人から見れば、すごい技です。そのMTBならぬ“muni”の分野で、世界一有名なのがカナダ人のクリス・ホルム(Kris Holm)さんです。

 (ボリューム注意)

動画で見ると凄いテクニックです。高所恐怖症の人ならずとも背筋がゾクッとするような断崖でも平気で走行しています。この方、テレビなどでも紹介されることがありますが、ユニサイクルに乗ったまま普段の生活が出来るほど、一輪車をまさに手足のように自在に操る、一輪車と一体化しているような人です。

このくらい自由に操れると、自分の足を車輪に置き換えたようなもので、移動には便利そうです。変速装置はないとは言え(本人が現在開発中との話。)、歩くより早く移動できます。また自転車より場所をとらず、持ち運んだり、公共交通に載せるにも有利など優れた面もあります。

Kris Holmマウンテン・ユニサイクリング

しかし、やはり普通の人が容易に乗りこなせないのでは一般的にはなりえないでしょう。小学校の教具に採用されて久しいことを考えれば、あるいは今後乗りこなせる人が増えていくのかも知れませんが、少なくとも現状で移動手段として利用するには無理があります。

ところが、この一輪車からサドルとペダルを取ったような形状の全く新しい乗り物、この“Magic Wheel”なら誰でも簡単に乗れるようになると言います。後ろに小さい補助輪がついていますが、スケートボードを一輪車にしたような乗り物と言ったほうが適切でしょうか。いずれにせよ新しい発想の乗り物です。

Magic Wheel下の動画を見てもらえれば一目瞭然ですが、まさにスケートボードのような感じで足で蹴って進みます。スケートボードより直進安定性が高そうですし、タイヤの径が大きい分、スピードもスムースに出るはずです。平均して2時間も練習すれば乗れるようになる、もしくは「病みつき」になると言います。

正確には2輪車ですが、一輪車と同じようにかさ張らず、持ち運びに便利です。サドルやペダルがない分、さらに運びやすそうです。折りたたみ自転車のように畳む手間もなく、置いておく場所も小さくて済みます。もしこれが流行れば、電車にも持ち込みやすいので、駅前の違法駐輪も減るかも知れません。

動画を見るぶんには、手軽ですし軽快に走行しそうです。長距離の走行やアップダウンは別として、ちょっとした距離ならメインの車輪は一輪でもいいですし、駆動力もキックで充分とも言えます。街中の短い距離なら、素早く移動できて便利そうです。電車やバスなど公共交通と組み合わせての移動手段として使えそうにも見えます。

新しい乗り物としてユニークなことは間違いありませんが、実際問題として、その実用性はどうなのでしょう。日本に上陸して流行したとしたら、普及して、自転車に代わる存在とまではいかないにしても、新しい移動手段になる可能性はあるのでしょうか。

 (ボリューム注意)

冷静に考えると、残念ながらこのMagic Wheel 、日本で公道を走行するのは難しそうです。道路交通法上、自転車のように軽車両には分類されず、スケートボードなどと一緒で「遊具」になるはずです。ちなみに一輪車も遊具ですので公道は走行できません。

厳密には道路で乗ることは禁止されませんが、道路交通法76条4項の「道路における禁止行為等」に抵触するので、交通の頻繁な道路においては乗れないことになります。ローラー・スケートなどと一緒で、クルマのほとんど通らないような道路でしか乗ることを認められないでしょう。

一応2輪ですがブレーキも無く、普通自転車にもなりません。歩道走行出来るのは普通自転車だけなので、歩道走行すると違反になります。もちろん軽車両でないことから車道も走行できません。遊具を移動手段として使うと、たまにスケートボードで道路を走行して赤切符を切られる人がいますが、同じ様に摘発されることになります。

公園などで乗るにしても、地方自治体の条例によってスケートボード類が禁止されている場合も多いので、せっかくの新製品ですが、日本では乗る場所を探すのにも苦労しそうです。爆発的にヒットして、現状追認される可能性もないとは言いませんが、あまり見通しは明るくありません。

マジック・ホイールMagic Wheel

場合によっては一輪車も便利そうですし、2輪もいらない場合もあるでしょう。乗り方によっては、ハンドルやサドル、ペダルやブレーキも不要かもしれません。しかし、いくら同じタイヤを使った乗り物とは言え、移動手段として考えると、自転車とそれ以外の乗り物は、大きく扱いが違っているのも確かです。



気温40度以上、出ましたね。私も先日は足がつってしまいました。暑さで汗をかくと、水分だけでなく塩分やミネラルも失われます。水分補給だけでなく、スポーツ飲料などでミネラルの補給もお忘れなく。

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この記事へのコメント
こんにちは。危険な暑さが続いていますね。私も10数年ぶりに海水浴に出かけましたら、僅か2.5時間程度の滞在(うち直射日光下は1時間半程度)で強烈な日焼けを生じてしまいました。おかげで、折角ホイールとタイヤを新品にし、バーテープを張り替えてロングツーリングに出かける予定が、服も着られない状態で会社も休んじゃいました…。オゾン層の破壊が進み、今や日光浴とか海水浴という時代じゃないのかな、という気が致します。ところでご紹介されている一輪車の方ですが、先日BSで放送されていましたよね?違う方でしょうか。山道を激しく下っていく姿は恐ろしくも勇ましく感じました。
Posted by nori at August 20, 2007 08:50
こんにちはcycleroadさん。巧みな三段論法にMagic Wheel買ってしまいそうになりました(笑)。でもこれは良さそうですね!ホイールサイズが大きいのでスム―ズに走行しそうですし、でも確かに日本ではむずかしいでしょうね。キックボードでも認められないので同じ扱いでしょうね。
Posted by ベロモ at August 20, 2007 20:59
noriさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
それは大変でしたね。海辺は紫外線が強いのは間違いないでしょうけど、十数年ぶりの海水浴ということを抜きにしても、確かに以前より紫外線が強まっているのかも知れません。
海水浴場としても有名なオーストラリアのゴールドコーストでは、海水浴場入口に、「真剣に紫外線の危険を警告する、死亡する危険性も十分ある」云々という警告看板が、あちこちに立っています。日本でもそのくらいの注意が必要になりつつあるのでしょうか。
BSに出ていましたか。私はその番組を見ていませんが、一輪車で山道なら、おそらくこの人でしょう。そのくらい有名らしいです。一輪車は、ただでさえ下りが怖いらしいですから、テクニックだけでなく度胸も凄いのでしょうね。
Posted by cycleroad at August 21, 2007 08:36
ベロモさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
危ないところでしたね(笑)。いや、別に買わそうとしているわけではないですけど..(笑)。
なんだか日本への送料がかなり割高らしく、その点も躊躇させる部分のようです。あまり知られていませんし、店頭で大々的に売られ始めない限り、日本では流行しなさそうです。ただ、私も一度乗ってみたい気はしますね。
Posted by cycleroad at August 21, 2007 08:55
 
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