
台風一過、全国的に晴れ上がって絶好のお出かけ日和となりました。
秋のシーズンということもあり、今日も全国の行楽地は大勢の人出でにぎわったことでしょう。陽気の良さに誘われて、遠出された方も多かったのではないでしょうか。ただ、せっかくのレジャーに水を差すのが渋滞です。やはり、週末には多くの人が行楽地に集中しますから、あちこちで渋滞もおきます。

サンデードライバーが、たまの休みにクルマに乗れば、どこへ行っても渋滞と言うのでは、クルマの売り上げが伸び悩むのも道理です。しかし、多くの人が集中する、混む場所へ行くのも原因と言えば原因です。どこかへ出かけてリフレッシュしたいけど渋滞にハマりたくないのなら、行き先を慎重に検討するしかありません。
いろいろな穴場があると思いますが、メジャーな行楽地まで出かけなくても、その手前で楽しめたりするところは、案外あるものなのかも知れません。あまり近場では面白くないですし、ドライブも楽しみたいとするなら、高速道路に設置されているハイウェイオアシスを目的地とするのも面白いのではないでしょうか。
ふだん、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアと言ったら、単なるトイレ休憩の場所でしかないという人も多いでしょう。早く行かないと道路が混むからと、行きも帰りもそそくさと用を済ませて、疾風のように通り過ぎるだけというパターンも多そうです。
S.AやP.Aは、トイレや売店、給油所などだけの場所が多いですが、なかにはハイウェイオアシスと呼ばれる施設を併設するところも増えてきています。高速道路の料金所を出ることなく、公園やレクリエーション施設などを利用できます。一般道からアクセス出来るところも少なくありません。

ハイウェイオアシスから一般道へ降りられたり、高速道路料金を清算して引き返すことも出来るので、場所によっては、その先の行楽地の渋滞にハマることなく楽しんで、手前で引き返すというような使い方も出来るでしょう。このハイウェイオアシス、地域振興も兼ねて、さまざまなレジャーが楽しめるようになっています。
例えば、東海北陸自動車道の川島ハイウェイオアシス(以下、H.O)には世界最大級の淡水魚の水族館があります。バーベキュー広場や子供に人気の遊具、観覧車などもあって、一つのアミューズメントパークのようになっており、楽しく過ごせます。
上信越自動車道の佐久平H.Oには、なんとスキー場があります。駐車場からエスカレーターを上ると目の前がゲレンデというアクセスの良さです。用具もレンタル出来て、手ぶらでもスキーに行けます。冬以外も豊かな自然を生かしたイベントが目白押しで、一年を通して楽しめるようになっています。

北陸自動車道の徳光H.Oは、海に面した松任海浜公園と直結していて、海水浴が出来る全国で唯一のHOです。場所柄、周辺の温泉や複合施設なども通年で楽しめるようになっていますし、日本海の新鮮な海産物などを買い求められるお店も設置されています。
徳島自動車道の吉野川H.Oは景勝の地としても有名ですが、HOから吉野川の遊覧船に乗ることが出来ます。また景色のよい露天風呂やサウナ、阿波牛の食べられるレストランなどもあって、観光の拠点としても魅力的なスポットとなっています。
長崎自動車道の金立H.O内には、縄文時代から弥生時代にかけての久保泉丸山遺跡まであります。実は、この遺跡、高速道路建設時に発見されたので高速施設内にあるわけです。5〜6世紀の古墳群もあります。ほかに薬用植物園からグラススキー場、バーベキュー場など、いろいろと揃っています。

道央自動車道の砂川H.Oは全国で2番目、北海道内では初のHOですが、「北海道子どもの国」に隣接しており、ピサの斜塔やストーンヘンジなど世界の名勝をかたどった遊具が人気になっています。地元のおみやげ売り場なども充実しており、高速道路を下りる必要がありません。
東海北陸自動車道の桜ヶ池H.Oには、リゾートホテルまで併設されています。桜ヶ池は、周囲3キロの人造湖ですが、周辺ではキャンプやバーベキュー、サイクリングに釣りなどアウトドアのレジャーが楽しめ、テニスやスケートなどのスポーツもメニューとして用意されています。
他にも、たくさんあり過ぎて書ききれません。天然温泉の入浴施設も各地にありますし、キャンプ場やビジネスホテルが併設されているところまであります。観光シャトルバスが運行されているので、乗り替えて周辺観光地を周遊できるところもあります。

フルーツ狩りとか森林公園のハイキング、地元野菜の朝市、パークゴルフやグランドゴルフ、プールに昆虫採集、トレッキングにクライミングなど、ありとあらゆるレジャーが楽しめます。私は一部しか行ったことがないので、実際のところは分かりませんが、意外に楽しめたり、穴場だったりするのではないでしょうか。
一昨年、道路公団が民営化されて、
東日本、
中日本、
西日本の高速道路会社になったわけですが、それぞれのサイトも以前より親切になって、情報の発信にも力を入れているようです。観光地情報やルート検索、宿泊情報、場合によっては市中と差が発生するSAのガソリン価格の情報などもあります。
民営化されたことにより、全体的なサービスも向上しつつあるのかも知れません。別に、すでに民間の会社をわざわざ宣伝するつもりもないのですが、元は我々の税金が投入されて作られた施設の部分もあるわけですし、必要に応じてうまく活用したいものです。

ところで、このハイウェイオアシス、高速道路の管理上支障があると判断されない限り、原則として高速道路の外からでも利用出来ます。全国に多くの施設があるので、実際にお出かけの際には確認していただくとして、自転車で通りがかっても利用できるわけです。サイクリングの目的地にしてもいいでしょう。
また、ハイウェイオアシスに限らず、サービスエリアやパーキングエリアも、場合によっては自転車でも利用できるようです。ハイウェイオアシスとは違って、外部からの利用歓迎とは書いてありませんが、現に私は、複数のサービスエリアを自転車の時に利用したことがあります。
もちろん本線上からは入れません(笑)が、S.AやP.Aなどの施設は、物資の搬入搬出の為などもあって、裏側で一般道、もしくは一般道からのアプローチ道路にも接している場合が多いと思います。当然、クルマではダメですが、徒歩や自転車なら普通に出入り出来たりします。

そんな、言わば裏口から自転車で入場して、トイレや売店などを利用させてもらったことがありますが、私は、一度も文句を言われたり、咎められたりしたことはありません。歩行者用の通路は施錠されているどころか、門やドアすらない場所もあります。ただ、全国の場所を確認したわけではないので、責任は持てません。
自転車でツーリングに出かける方は、場所にもよりますが、郊外に出ると、いい休憩場所が見つからないこともあると思います。コンビニどころか民家もまばらですし、トイレや飲み物を買ったりするのにも困ります。気軽に使えて、ゆっくり休憩も出来る場所があれば有難いところです。
一般道にある「道の駅」は、自転車で立ち寄って利用する人も多いと思います。高速道路の施設も、例えハイウェイオアシスが併設されてなかったとしても、休憩や補給など、いろいろと便利に使えるでしょう。もしツーリングの途中で、近くに高速道路が通っていたら、地図で探して立ち寄ってみてもいいかも知れません。
他にも昔ながらのドライブインとか、長距離トラックのターミナルとか、案外使える施設はあります。トラック運転手の集まるバイパス沿いの定食屋なんかの食事が意外においしかったりするんですよね(笑)。
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廃線跡を自転車の言わば高速道路に、廃駅を言わばS.Aにしている道。