絵を描いたり、コンサートや観劇などに出かけたりするにもいい季節でしょう。個人的には、作品を創ったり演じたりするより、もっぱら見て楽しむ方ですが、芸術と言ってもいろいろあります。アメリカ・デルタデザイン社のサイト、“
The art of storage”を見ていると、収納も芸術なんだなと感じさせます。
何度か書いたことがありますが、趣味の自転車乗りの人が、周囲から一番理解されにくいのが、自転車の収納方法かも知れません。自転車は、おそらくかなり高い割合で、室外保管されているのは間違いありませんし、自転車を室内に保管する人がいるという事実を初めて聞いて驚く人も多いと思います。
一般的に言って、郊外の住宅環境ならガレージなどに収納できる場合も多いでしょう。しかし、特に都会に住む場合、なかなかそうもいきません。ママチャリなら外で雨ざらしになっていることも多いでしょうが、趣味で自転車を始めた時、初めに悩むのが、その保管場所ではないでしょうか。
マンションなど集合住宅であれば、1階に自転車置き場があったりしますが、屋外に、良くて申し訳程度の屋根がついているだけだったりします。幸い屋内だったとしても、大量のママチャリと並べて置いて、愛車を引っ張り出すにも一苦労、一週間も経てば傷だらけ、という状態にさらすのも忍びありません。
ママチャリを見下すような書き方になってしまいますが、何しろ値段もケタ違いです。もちろん盗まれたり、パーツを外されたりする可能性も小さくありません。砂ボコリなどメンテナンス的にも過酷な環境だったり、何よりパーツが錆びる危険性が高いのも問題です。どこか別に収納場所を探すしかありません。
なかには、駐車場にとめたクルマの中に保管している人などもあると思いますが、多くは室内保管ということにならざるを得ないのではないでしょうか。玄関の隅とか、ベランダとかが多いかも知れません。もちろん、そうした定番の場所を確保できなければ、部屋の中です。
私も、ママチャリにしか乗っていなかった昔は、自転車を部屋の中に入れるなんて思いもよりませんでした。しかし、今は室内保管です。実は、室外にも屋根があって濡れないスペースもあるのですが、あえて室内に保管しています。濡れなくてもやはり錆びやすいですし、盗難などもあるので、そういう人も多いのではないでしょうか。
ママチャリと違って、スポーツバイクは一般にスマートですし、そのフォルムを美しいと感じるサイクリストは多いはずです。慣れれば、そんなに違和感のあるものでもないですし、簡単なメンテナンスなら室内で出来ますので、寒い思いをしないで済むメリットもあります。
ただ家族には不評です(笑)。私の場合も一台ではないので、なるべく邪魔にならぬよう、また見た目にも圧迫感を与えないよう配慮しています。やはり普通の人の感覚からすれば、室内に自転車というのは違和感があるのも事実です。カバーをかけるなど、いろいろ苦慮している人は多いのかも知れません。
“The art of storage”のサイトに出てくる収納例のように、スマートな保管の仕方が出来ればいいのですが、そう簡単なことではありません。こんな映画に出てくるような部屋に住んでいるなら、あるいは可能でしょう。でも、いくら芸術的なセンスがあったとしても、普通の日本式の部屋では難しいものがあります。
ただ、この収納例、参考にならないでしょうか。自転車を吊下げたり、縦に壁に引っかけたり、日本式の部屋でも工夫すれば、少しはスッキリ収納できるかも知れません。例えば自転車を縦置きにして、タンスと壁の間に納まるようにすれば、目障り感は大いに低減するでしょう。
部屋によって千差万別ですから一概には言えませんが、どこか上手いスペースがあれば、吊り上げるなんてことも考えられます。そうでなくても、壁掛けにすれば場所をとりません。絵などを飾ってあるスペースがあるなら、自転車に掛け替える手もあるかも知れません。(芸術の秋の趣旨からは外れますが..笑)
最近、ペットOKのマンションなどが増えていると言います。今までの保守的な住居とは違って、新しいライフスタイルに合うような間取りや様々な工夫が施された住宅も人気だと言います。もちろん収納にも配慮され、そのカタチも多様化しているようです。
ならば、自転車の室内保管に配慮した住まいが出現しても良さそうなものです。寡聞にして知りませんが、おそらくまだ無いでしょう。賃貸住宅も、差別化のためいろいろな特色を出すところが増えていますし、スポーツバイクがブームだと言います。サイクリスト向け物件を打ち出しても面白いのではないでしょうか。
(注:ここから下の写真は日本で販売されている製品です。)
例えば、ワンタッチで自転車を押し入れの上の天袋に収納できる装置なんてどうでしょう。玄関の天井から自転車を吊るす機構なら、もっと便利かも知れません。まっすぐではなく横に寝かした向きで天井に貼り付けるような吊り下げかたなら、邪魔にならないのではと想像します。(やっぱり邪魔かな..笑)
家具だって考えられます。ワンタッチで下に自転車が入る引き出しのついたベッドなんてどうでしょうか。多少奥行きが必要ですが、洋服ダンスの端の一列に自転車をぶら下げられたら、外からも見えなくて好都合です。ちょっと防虫剤臭くなりそうですけど..(笑)。
もし、住宅産業や不動産関係、家具メーカー関連の方がご覧になってましたら、いかがでしょう。スポーツバイクがブームとは言え、まだまだなのでしょうけど、最初に出せば話題になるかも知れません。芸術的なスペースの使い方の自転車収納、あってもいいと思うのですが..。
今度の法相、かなり変わっている気がするんですけど、気のせいでしょうか。内容は大いに問題なので、笑っては不謹慎なのでしょうけど..。やっばりKYなんですかね。
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