今回の東京開催は金曜日を含めた3日間の日程となり、初日の金曜は15時から21時のナイター開催でした。わざわざ土日に時間をとってまで行く気はない、あるいは都合で行かれないけれど、平日の仕事帰りならば、ちょっとのぞいてみようかという人にも間口を広げる意図があるのでしょうか、新しい試みです。
私も偶然土日の両日とも用事があったので、なんとか仕事の都合をつけて、この金曜日に行ってみました。幕張メッセに着いたのは16時頃です。まだこの時間なら普通は仕事中の方が多いでしょうから、当然すいているものと思えば、予想外の混雑ぶりです。この日は女性無料デーということあり、女性の姿もだいぶ多く感じました。
すでに人気ブランドの人気モデルの試乗には行列が出来、かなりの時間がかかっていたようです。予約制をとっていたメーカーでも人気車は、ずっと先の時間帯まで予約が埋まっていました。試乗コースは去年より増えていましたが、それでも多くの人であふれていました。
注:冒頭の写真をクリックすると、アサヒコムのフォトギャラリーにジャンプします。下の写真は私の撮ったものですが、カーソルを置くと説明が出ます。
一昨年より昨年、昨年より今年と、一段と人気が高まっている感じです。平日の夜だったこともあって、スーツ姿の来場者も目につきます。昨年より女性や中高年の方も多く、また一段と客層が広がっている印象も受けます。乗り方や仕草などからの推察ですが、初心者の方の割合も増えている気がします。
平日でこの調子ですから、土日は更に混雑しただろうことは想像に難くありません。やはり試乗目的の人が圧倒的に多いと思われますが、人気はどうしても偏ります。一方、人気モデルに乗れる人数は物理的に限られるわけで、その面では年々条件が悪化していると言えそうです。
土日には近くの幕張海浜公園にMTB用の試乗会場も設置されるなど、試乗コースは増強されていますが、年々イベントとしての知名度があがって入場者が増えた上に、類似の東京サイクルショーは業者向けになってしまったこともあって、混雑が激化したことでは、来場者の満足度は低下しているのかも知れません。
私は、あまりにも行列しているような人気車は外したので、それなりに試乗は出来ました。興味のあるブランドに乗ってみたり、コンパクトクランクだとか新しいシフトなどの使用感を試したり、素材の違いを乗り比べたりなど、そこそこ試乗を楽しめました。
しかし、購入の判断材料にしようとターゲットを絞って試乗しに来た人は、不完全燃焼の部分もあったでしょう。人気車なら待ち時間も長くなりますし、必ずしも希望するサイズがあるとも限りません。そもそも試乗コースの距離が短いですし、乗れる時間も限られています。ブランドによっては、わずか一周で終えるよう求められたりします。
コースも混雑していて自由に走行できるわけでもありません。私は、特にどうしても確かめたいモデルがあるわけでもなし、サイズがなければ承知の上で乗ってみるなど、こだわるものもなく(笑)、元々イベントと割り切っているのでいいですが、そうでない人にはストレスがたまるかも知れません。
一方、初めてスポーツ系の自転車に乗るという初心者の方にも絶好の機会なわけですが、コースが混んでいて集団で走行するようになります。今年からは試乗時のヘルメット着用が義務付けられたとは言え、慣れない人には、酷な環境だったとも考えられます。あまりスポーツバイクの楽しさを実感するどころではないかも知れません。
また、混雑した会場内を自転車を押して試乗コースまで移動しなければなりませんし、試乗の申し込み方法や乗れる時間もメーカーによってまちまちです。システム的に未成熟な部分や、展示と試乗を混在させていることの無理も、だんだん表面化してきそうです。イベントとして、今後のあり方が問われていくのかも知れません。
ただ、それでもこれだけ多くの人が来場するのは、こうした試乗の機会が貴重だからでしょう。ショップの試乗会などもありますが、ブランド横断的に、広く試乗できる可能性のある機会は、そうありません。試乗に対するニーズの高さに対して、サイクルモードが大阪と合わせても年間5日間しかないのは決定的に不足と言えます。
サイクルモード、場所は毎年東京と大阪です。かなり広範囲から来場されるようですが、他の地域に住んでいる方にとっては、そう簡単に来場出来るものではありません。スポーツバイク普及のためにも、もっと多くの地域で開催できないものでしょうか。
今回のサイクルモードで使われた試乗車、来週大阪でも使われるものと思われますが、その後はどうなるのでしょう。一部のショップで割引販売されるという話も聞きますが、定かではありません。今回使われた試乗車を一括して主催者が預かるなどして、全国キャラバンにすることは出来ないのでしょうか。
例えば各都道府県で一週間ずつ、順次試乗イベントとして開催したら、結構人数が集まるのではないでしょうか。輸送や準備、撤収を見込んでも週3日ずつくらいは開催出来そうです。機会を逃した人も、隣の県くらいなら行けるでしょう。各メーカーにとっては、いい販売促進になり、展示等が無ければ採算も合うのではないでしょうか。
会場の確保の問題はありますが、試乗だけなら、各地域のサイクリングコースを利用するなどの方法も考えられます。高価な展示場は不要です。むしろその方が、距離が長くとれて試乗としては有意義です。なかなか東京や大阪の短いコースでは判断材料にはなりませんので、両地区の人も各地の開催へ出かけるかも知れません。
元々、ある意味ではクルマなどより、試乗して自分に合ったものを選びたい乗り物です。スポーツバイクブームと言われる今なら、充分ニーズもあるでしょう。別にメーカーや販売店の売上アップに加勢するつもりはありませんが、地球温暖化対策として、政府が助成してもいいくらいです。それだけの効果も見込める可能性があります。
クルマのディーラーと違って、一ショップが多くの車種の試乗車を揃えるのは不可能です。メーカーも販促として試乗車ワンセットくらい喜んで提供するでしょう。試乗の機会を増やしたからと言って、特定のブランドの寡占化が進むとも限りません。購入検討者にとっても、これほどありがたいことはありません。
以前にも何度も書きましたので繰り返しませんが、スポーツバイクの普及は、既に乗っている人にとっても、様々な形で走行環境が改善することにつながると思います。業界としても、おそらく諸般の事情もあるのでしょうが、せっかくのブーム、もっと利用しなければ、勿体ないのではないでしょうか。
なんとか、オシム監督には頑張ってほしいですね。
関連記事
サイクルモードに切り替えろ
昨年のサイクルモード2006に行った時の記事も参考までに。
ゆくゆくは自転車におまかせ
一昨年のサイクルモード2005に行った時はどんなだったか。
自転車ショーの過去いま未来
業者向けになって事実上消滅したサイクルショーの最終回。
こんばんは。そうですか、そんなに混雑してるんですね。まあ、我が家は大阪会場から2駅程ですので、気合いを入れて行ってみます。ところで、気になる点を教えて頂きたいのですが、まず、皆さん服装的にはどんな具合だったのでしょうか?こちらやサイトの写真を見る限り、バリバリのサイクルウェアというのは少ないようで、意外に平服というかラフな人が見受けられますね。難しいところです。それと、こういうところにこそ、down low glowやsafe turnを出品して日本人ユーザー獲得に邁進すべきだと思うのですが…(大阪も夜まで開店なら、down low glow付きバイクで出掛けてアピールしてあげるのですが)
そして、こういうイベントには駐輪場と警備員も配置されているとのことですので、是非自転車で出かけたいですが、逆に狙われそうですね。