サイクルモードの試乗以外の部分についてもふれておこうと思います。
ふだん、友人の後ろについて走行していたりすると、そのお尻がサドルの左右どちらかにずれているのに気づくことがあります。本人は、きちんとサドルに座れているかなど意識しておらず、まして左右均等でないとは思いもよらないので、気づいていないことが多いです。しかし意外に少なくないような気がします。
サドルの前後方向にズレて座っている場合は、スムースに足が回転出来なかったりして速く走れませんし、疲れや膝などのトラブルの元になるのは実感しやすいと思います。しかし、同じように腰痛やひざ痛などの原因となる可能性のある「左右へのずれ」は、意外に見逃されやすいようです。
当人に指摘してみると、案の定、どちらかの膝だけ原因不明の痛みをかかえていたりします。また、その理由をよく調べてみると、癖もありますが、サドルと坐骨の幅が合っていないといった構造的な問題が隠されている場合もあります。サドルの幅が狭いため、どちらかの坐骨が落ちて傾いてしまうのでしょう。
乗り始めの頃のお尻の痛みにも共通することですが、人の骨格はそれぞれなワケで、なかなか自分にあったサドルを見つけるのは難しいということもあるのでしょう。直接お尻に痛みが出れば試行錯誤もするでしょうが、腰痛や膝痛がサドルのせいとは疑わない場合も多いと思います。
先週のサイクルモードで、確かスペシャライズドのブースだったと思いますが、座った時のお尻の圧力が目で見てわかるようになっている装置を使い、サドルのフィッティングを判断してくれるコーナーがありました。もちろん左右のバランスが崩れていれば一目瞭然です。
自分の坐骨の幅なども確認出来て、お尻が痛い場合などに、サドルを選択する判断材料にもなります。あまり時間の余裕がなかったので、私は通り過ぎただけですが、案外見過ごされがちなだけに、とても有意義だと思います。お尻の痛みに悩んでいる人には特にお勧めかも知れません。
既にスポーツバイクに乗っていて、買い替えなどを検討しているわけでもなければ、サイクルモードでの試乗には興味がないという方も多いでしょう。でも、完成車に試乗するだけでなく、こうした部品や用品を試すにもいい機会です。なかなかショップの店頭には並ばないパーツや試せない用品も少なくないはずです。
ビンディングシューズのフィッティングコーナーもありました。ショップに、必ずしもシューズの品揃えが充実しているとは限らないと思うので、いろいろ履いてみるにはいい機会です。実際にクリートを装着した状態で、ビンディングペダルへの着脱を試すことも出来るようになっていて、私の見た時間帯は盛況でした。
足裏の形状を測定するなどして、最適なシューズ選びの判断材料も提供してくれていたようです。自転車と直接接することになる手、足、お尻の三か所は、悩みも多いところですが、その分選択肢もたくさんあります。特に悩んでいなくても、偶然見つけたパーツに交換したら、走行感覚が一新されたという話もよくあります。
試乗の長い順番待ちをしなくても、完成車がトレーナーにセットされていて、その場でパーツの操作感などを気軽に試すことが出来るようになっているコーナーもありました。もちろん、展示会でもあるわけですから、試すもの以外でも、車体やいろいろな部品と「出会った」人も多いに違いありません。
好きな人なら、思わず欲しくなってしまうものも多いでしょうから、財布的には危険でもあります。自覚して足を遠ざけている人も少なくないかも知れません(笑)。新製品や、新しく日本に上陸したものを見つける楽しみもあります。大阪開催は今週末ですから、あまりバラすのもなんなので、一つだけ挙げておこうと思います。
以前、トピークの空気式のフェンダーを載せましたが、こちらはロッドアンテナのように伸びる泥除けです。極めてシンプルです。私は初めて見ました。見てしまえば、今までなかった(?)のが不思議なくらい簡単なアイディアです。畳んだ状態では、反射板になるのも優れています。
そのほか、自転車ツーキニストの疋田さんをはじめ、さまざまなゲストによるトークショーなどのイベントも行われていました。私は見ませんでしたが、サイクルウェアのファッションショーなどもあったようですし、幕張海浜公園のMTBコース会場では、プロ選手によるデモンストレーションも行われたようです。
入門者向けに、自転車の乗り方や選び方といったデモも各ブースで盛んに行われていましたし、シティサイクルなどのスポーツバイク以外の展示や試乗もたくさんありました。カタログを集めたり、プレゼントの抽選があったりなど、自転車乗りならいろいろと楽しめる内容だったのではないでしょうか。
余談ですが、もう一つ。会場の幕張メッセから帰る途中の駐輪場に、道路に面して写真のような無料ポンプが設置されているのを見つけました。千葉ロッテマリーンズの本拠地、千葉マリンスタジアムが近いためか、ボビー・バレンタイン監督の写真付きです。おそらく千葉市内、それも幕張周辺だけなのでしょう。
バルブは確認し忘れましたが、ボタンを押すだけで、自動で空気が注入されます。私も持っていますが、左の写真のような英式バルブに変換するアダプターさえ持っていれば、スポーツバイクでも使えるはずです。圧力計もついていますし、携帯用の小さいインフレーターで空気を入れる大変さを思えば、とてもありがたい設備でしょう。
ママチャリなどでも、こまめに空気を入れることにより、パンクなどの無用なトラブルを減らせます。こうしたポンプが、街角に普通に設置されるようになれば便利です。自転車用のインフラ設備の一つとして、整備を進める自治体が増えることを期待したいです。
ヒトの皮膚から万能細胞というニュースが世界を駆け巡っていますね。臓器移植や難病で苦しんでいる方など、再生医療の実現を待ち望んでいる方には大きな希望の光でしょう。これがぬか喜びにならないよう、なんとか実用化まで辿りついてほしいものです。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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