November 27, 2007

どんな運動がどれだけ必要か

日頃の運動不足を自覚している人は少なくないでしょう。


運動をしたほうがいいことは分かっていても、忙しさや面倒くささにかまけて、何もしていないという人も多いに違いありません。最近は、生活習慣病とかメタボリックシンドロームといった言葉もよく耳にするようになりました。何か始めて、運動不足を解消しなければと考えている人も多いのではないでしょうか。

内臓脂肪が気になる人も..。趣味で自転車に乗る人でも、自転車通勤でもしていればともかく、忙しくて定期的には乗れない人もあるでしょう。天気などで毎週末乗れるとは限りませんし、寒い時には乗らないなど、乗る時が偏るので、生活習慣病予防に必要な運動量としては足りていない人もあるかも知れません。

もちろん、ふだん運動習慣のない人が、いきなり毎日自転車で40kmとか、歩いて一万歩といった目標をたてても長続きしません。スポーツジムなどに通うにしても、よほどヤル気がないと、モチベーションが続かないことも多いでしょう。なかなか運動不足の解消は難しいものです。

また、実際に運動不足を解消して生活習慣病を予防しようと思ったら、どんな運動を、どれ位やればいいのだろうという素朴な疑問もわいてきます。人によって、運動不足でないと感じる運動量もまちまちで、自分は運動不足と感じていない人もあるのではないでしょうか。

例えば、毎日最寄り駅までバスに乗らずに20分、往復40分歩いていて、週末にはプールで連続一時間泳いでいるので運動不足ではないと考えている人もいるでしょう。一方、例えば毎日1時間くらいジョギングでもしていないと、運動が足りているとは言えないと感じる人もいるに違いありません。

どのくらい運動すれば?

厳密には、基礎代謝量や摂取エネルギー量、そして運動で消費するエネルギーを細かく計算しなければなりませんが、簡単に運動量の目安がつかめる指標があります。厚生労働省が昨年まとめた「健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)」に詳しく載っており、PDFでダウンロードできます。

その指標は、メッツとエクササイズという単位で、簡単に必要な運動量を計算できる仕組みになっています。運動強度がメッツで表され、例えば3メッツの運動を1時間行うと3エクササイズとなります。6メッツを30分でも3エクササイズです。つまり1エクササイズは、1メッツ・時ということになります。

内臓脂肪によるリンゴ型の肥満強さ3メッツに当たる運動は、歩行、軽い筋トレ、バレーボール、ボウリング、家の掃除、階段を下りるなどです。4メッツは、速歩、自転車(ゆっくり)、子どもと遊ぶ、高齢者の介護など、5メッツはソフトボールや野球、かなりの速歩(毎分107メートル)などです。

6メッツとなると、エアロビクス、バスケットボール、階段の上り下り、雪かき、7メッツは、ジョギング、サッカー、テニス、スケート、スキー、8メッツは、ランニング、水泳、サイクリング(時速20キロ)、重い荷物の運搬、農作業などとなっています。

これを元に、必要な運動量の目安は週23エクササイズ以上、うち4エクササイズは速歩や水泳などの強い運動を行うように勧めています。目をひくのは、通勤での歩行はもちろん、家の掃除、雪かきや介護なども運動量に参入できるところです。こうした生活での活動と合わせて、必要な運動を確保すればいいわけです。

立ってギターを弾くとか、ドラムをたたく、配管工事、大工仕事といったものも運動としてエクササイズに換算されています。運動不足を解消するのは、必ずしもスポーツでなくてもいいわけです。運動不足解消の目途が、よりたちやすくなるのではないでしょうか。

エクササイズの例

先ほどの例で言えば、往復40分の歩行5日と水泳1時間では合計18エクササイズとなって基準より少なく、運動不足と言えます。一方毎日1時間ジョギングを7日間行ったら49エクササイズ、基準の2倍を超える、十分な運動量ということになるわけです。

自転車はゆっくり走って4メッツですが、時速20キロなら8メッツと大きな運動強度です。20キロを1時間かけるサイクリングなら、週3回で基準をクリアすることになります。30分づつ6回でも構いません。他の生活活動を差し引いて、最低限必要な運動時間をスケジュールとして組んでみるのもいいでしょう。

運動不足を解消したい

消費エネルギーは、同じ運動をしても、その人の体重によって違ってくるわけですが、簡易換算式も載っています。エネルギー消費量=1.05×エクササイズ×体重となります。1エクササイズあたり、50kgの人なら53kcal、70kgの人なら74kcalということになります。

メタボリックシンドロームの目安とされる腹囲を1センチ減らすためには1kgの体重減が必要とされています。内蔵脂肪を1kg燃焼させるには7千kcal必要です。1ヶ月で減らすためには、1日あたり230kcal余計に運動する必要が出てきます。70kgの人なら1日あたり3エクササイズの加算が必要と、ダイエットの目安にも使えるわけです。

腹囲の測り方

まとめてではなく、なるべく週毎に平均して運動を継続する必要がありますが、毎日寝る前に、その日のエクササイズ数を計算して足していき、週末に足りない分のエクササイズをするといった使い方も出来るでしょう。今日は雨だから、自転車に乗る代わりに、同じエクササイズになるよう違う運動をするなんて換算も容易です。

毎日同じ運動だと飽きてしまう人でも、いろいろと違う運動を組み合わせて行うのも容易ですし、運動を数字に置き換えて毎日少しずつこなすというやり方自体、ゲーム感覚で楽しめて面白いと思います。運動していると言う方も、しなくちゃと言う方も、ちょっとエクササイズを計算してみてはいかがでしょうか。



消費期限切れの偽装、マクドナルドもですか..。後から後から出てきますね。こう多いとインパクトも薄れますし、消費者もいちいち覚えてられないので、会社もダメージが少ないかも知れません。マスコミの注目や非難の矛先が移るので、過去の発覚企業は内心ほくそ笑んでいるかも知れません。そう言えば、先日銀座の不二家の前を通りましたが、何事もなかったかのように店は大混雑でした。

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この記事へのコメント
僕は、自転車のが、歩くよりラクだから乗ってるんですよね。
おそらく、僕の自転車の乗り方では、消費エネルギーは歩くより低いです。
Posted by 赤蝮銀次郎 at November 28, 2007 04:17
赤蝮銀次郎さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
日本では、スポーツバイクに乗る人の割合は圧倒的に少なく、ママチャリなどのシティサイクルに乗る人が大部分を占めています。おっしゃるように、そうした大多数の人の自転車を使う理由が、「歩くよりラクだから」、「歩くより速いから」というものなのは間違いないところでしょう。
ただ、同じ距離なら、自転車の方が早く着いてしまうのでそう感じないだけで、同じ時間で比べたら、速度から言って、例えば4倍くらい遠いところへ行くことになり、ガイドに載っているように、一般的には徒歩より消費エネルギーが高くなります。
楽に思えて、実は効果的な有酸素運動でもある所以でもありますが、このことを、意外に思われる人も多いでしょうね。
Posted by cycleroad at November 28, 2007 21:19
胴回りは体幹のトレーニングでもやはり増えてしまうので、ダイエットができても結局あまり変わらないかむしろ増えてしまう事もあるかと思います。

ボディビルの世界なんかだとウエストラインを美しく出すためと、上半身のテーパーした逆三角形の体型を強調するためにあえて腸腰筋群を鍛えないような事もあるようなのですが…。

以前どこかで高齢者の統計で腸腰筋群が太いグループの方が全般的に健康だという話を聞いたことがある(当たり前ですが)ので、ウエストサイズで健康を測ること自体がちょっと妙な感じもいたします。

まあ多少の犠牲を伴っても国民運動としてメタボ追放をした方が全体としては得になる、という事なのでしょうが・・・。
Posted by 鉄下駄 at November 30, 2007 08:53
鉄下駄さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、そういう面はありますね。メタボリックシンドロームの判定基準として胴回りのサイズを採用することや、日本肥満学会の基準値に対して、専門家からも異論が相次いでいると報道されています。胴周りが太いから、即、内臓脂肪による肥満とも言えませんよね。
私も以前、腸腰筋を鍛えるのに自転車が有効であり、高齢者の寝たきりを防ぐのに効果があるという話を記事に書いたことがあります。
ウエストサイズで健康を測るのはともかく、メッツとエクササイズという単位で、運動量を計算できるこの仕組みは、簡単で目安とするには便利ではと思います。
国全体の医療費や介護費用など福祉予算の増大に歯止めをかけたいことは間違いないでしょうね。結局税金や保険料として負担する我々の得になるのも確かでしょうけど。
Posted by cycleroad at November 30, 2007 22:41
 
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