March 29, 2008

世界で一番高いヒルクライム

今年は例年より早く桜が開花したところも多いようです。


春の訪れとともに、外出をするにも気持ちのいいシーズンとなってきました。一方で、今週あたりでもまだ雪が降っている場所もあるわけですが、ウィンタースポーツはそろそろ終盤といったところでしょうか。スキーは春スキーへ、登山は山にもよるのでしょうけど、冬山から春山登山のシーズンへと移っていくのでしょう。

その登山ですが、中高年を中心に一大ブームになっています。私は、身近にある低い山のハイキングならともかく、本格的な登山はしたことがありません。一度、春の山で雪の中をトレッキングしたことはあるのですが、天候の安定した中、ガイドについて登っただけで、ほとんどハイキングに毛の生えた程度の経験でしかありません。

ですから、知った風なことを言う資格は全くありません。ただ、素人が遠足気分で登れる山であっても、普段見ることのない眺望や動植物、おいしい空気と爽快感、日常から離れて大自然に囲まれながらかく汗、目的地についた時の達成感など、ブームになる理由がわからないでもありません。

レクリエーションとしての登山であれば、有酸素運動でもあり、森林浴でリフレッシュもするでしょう。途中は必ずしも楽な道ばかりとは限りませんが、体力と相談し、自分の内面と向き合いながら苦労して登ったり、出会う美しい景色に感動したりなど、その醍醐味はいろいろあるに違いありません。

Snowpod

しかし、本格的な登山となると話は違います。最悪の場合は滑落や遭難、雪山なら雪崩や凍死という事態もありえます。もちろん無謀な冒険をするわけではなく、細心の注意を払って、場合によっては中止や撤退するなど的確に判断すれば、必ずしも危険ばかりではないでしょうが、それ相応のリスクを伴うことは間違いありません。

そして挑む山が高くなればなるほど、そのリスクは増すでしょう。時に体力と精神力の限界にまで追い詰められるような厳しい世界です。でも、挑む山が高く、道のりが長く、難易度が上がれば上がるほど、より大きな達成感が得られるのも確かなのだと思います。だから登山者は、より困難な山を目指すのでしょう。

ほかにも大きな危険を伴うスポーツはたくさんあります。そうした限界に挑戦するようなスポーツと同じように、スリルや極限状態に身をおくことが、たまらない刺激であることも事実なのでしょう。アドレナリンが出まくるような体験に、一種の病みつきのような症状になるのも登山に限ったことではありません。

私のような素人からは隔絶した世界なので、そのあたりまではよく分かりません。ある意味、山に登るというのは、本能に近いものがあるのでしょう。凍傷で手足の指を失うなどしても、なお挑戦し続ける人たちも少なくありません。ちよっと想像を超える部分ですが、それだけ強烈な魅力を持っているとしか考えられません。

中には、足の機能を失っても山に登りたい人だっているのでしょう。そこで登場するのが山岳登坂用のハンドサイクルです。Snowpodと名付けられています。この自転車を製作するMobility Engineering社は、普通のハンドサイクルと共に、登山用のハンドサイクルを提供しています。

登山用ハンドサイクル雪上自転車

その外観は雪上車のようです。いや、まさしく人力の雪上車と言えるでしょう。キャタピラーを備え、45度の傾斜でも登っていく能力があります。かなり特殊な状況でのみ使われる自転車、しかもハンドサイクルです。普通の人は、まず見る機会もないと思いますが、足が動かなくても山に登りたい人にとっては大きな味方となることでしょう。

Snowpod以前に取り上げたことがありますが(関連記事参照)、簡単に言うとペダルを手でこげるようにした自転車がハンドサイクルです。もちろん健常者でも使えますが、普通は足のほうがはるかに力が強いこともあって、わざわざ手を使うことはありません。主に足の不自由な人が使います。

日本ではあまり知られていませんが、それまで車椅子でしか移動できなかった人でも風をきって走ることが出来る素晴らしい乗り物です。何かの事情で足の機能を失ったとしても、自転車に乗るのをあきらめる必要はありません。この事実によって大きく力づけられる人もいます。

Snowpodは、このハンドサイクルの雪山版です。雪山や万年雪があるような高い山で、登坂能力を発揮する自転車なのです。そんな場所をハンドサイクルで登るなんて驚きですが、足でこぐなら歩いて登るほうがいいわけです。わざわざ自転車を持って上がる必要もありません。

素晴らしい景色

しかし、足が不自由な場合、手だけで登山は困難ですが、このような登坂能力のある自転車なら登れます。場所によってサポートは必要でしょうが、何より自分の力で登れるわけです。わざわざ自転車でと感じる人もあるでしょうが、この自分の力で登るというのは大きな要素なのだと思います。

登山の経験のない普通の人にしてみれば、ただでさえ雪山、あるいは万年雪のあるような高山に登るのは並大抵のことではないように思えます。それをハンドサイクルで登ろうと言うのですから、その不屈の闘志たるや、ちょっと想像を超えるものがあります。

登山の魅力

ヒルクライムで坂を登る自転車乗りはたくさんいるわけですが、まさしく地球上で最も高い場所で坂を登る自転車ということになるでしょう。もちろん、私たちが日ごろチャレンジするような峠道とは比べるべくもありませんが、そのスピリットには少しあやかりたいものです。



とうとうガソリンは値下げになるようですね。月内は、極力ガソリンを使わないにしているのか、心なしか自転車に乗る人が多いような..。んなことはないか(笑)。

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なんで漕がなきゃいけないの
あまり知られていないが、ハンドサイクルという自転車がある。

きっかけになる自転車の形は
ハンドサイクルの認知度が、もっと上がればいいと思うのだが。

足だけでなく手も使ってみる
足だけでなく、手と足の両方を使う自転車というのも存在する。


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