April 22, 2008

常識の壁を打ち破る目覚まし

昔から「春眠暁を覚えず」などと言います。


なぜかこの時期、やたらに眠いという人は多いと思います。ゆえなきことではなく、日照時間とホルモンのバランスか、自律神経だったか忘れましたが、生理学的な理由を何かで読んだような記憶があります。いずれにせよ、古代中国の詩人でなくても眠くなるようです。

ここのところ、季節外れの暖かさになっている地域も多いようなので、ぽかぽか陽気につられて、ついウトウト居眠りしてしまうこともあるに違いありません。電車に乗ると、思わず降りる駅を寝過ごしてしまったりします。それでなくても、規則正しい振動のせいか、電車に乗って座ると眠くなる人は多いと思います。

僅かの間でも、うたた寝は心地よいものです。電車に乗って、うたた寝はしたいですが、誰でも乗り過ごしたくはありません。偶然見つけた海外のサイトに、日本の写真が載っていました。「起こしてくれ」と言うわけです。笑ってしまいますが、これを見て欲しいと思う人は多いかも知れません。

下記の駅で起こして下さいと書いてある。睡眠中

左の写真、窓に吸盤を張り付けて頭を固定することで安眠もできます。右は、無防備な寝顔を見られなくて済むのもメリットです。前夜の寝不足で本当に眠くて仕方がないなど、寝過ごしが強く懸念される場合、誰もが一度くらい、こんな行く先プレートがあればと考えたことがあるのではないでしょうか。

他にも、俗に言う「お馬鹿な」発明品が載っています。どれもバカバカしい半面、ちょっと共感でき、役に立ちそうで立たないのが特徴でしょうか。そのぶん、可笑しく感じるのかも知れません。さすがに横断歩道の持ち歩きはないとしても、バタースティックや、花粉症対策帽子なら、中には欲しい人がいるかも知れません。

バターナイフはいらない猫舌の人に

写真にも「珍道具」との文字が見えますが、実はこれらの発明品、川上賢司さんという方の主宰する日本珍道具学会によって収集されたものです。この珍道具の紹介された本は、英、独、西、中、仏の5ヶ国語に翻訳、出版されており、海外からも取材が来るほどだそうです。

花粉症に携帯横断歩道

それで、海外のサイトにも出ているのでしょう。こちらのブログにもいくつか紹介されています。左は、アウトドアで使う十徳ナイフの農作業版ということでしょうか。右は、360度のパノラマを、使い捨てのインスタントカメラを並べて実現しています。ただ、見る時まで輪の中に入らなくてもいいと思うのですが..(笑)。

農業用十徳ナイフ360度パノラマインスタントカメラ

どうせ傘をさすなら雨を集めてしまおうというわけですが、子供の頃、誰でも一度は傘を「お猪口」にして、やってみたことがあるのではないでしょうか。さすがにタンクはつけないですけど..。笑えるネクタイですが、案外、営業マンなら、顧客と話すキッカケ、ツカミに使えるかも知れません。

雨集め用傘ポケット付きネクタイ

個人的には、下の動画に出てくるトイレの掃除道具にも似た吸盤付吊革が笑えました。でも、確かに満員電車で、持つ吊り革がないという状況はありえます。案外使えるかも知れません。柄の部分はロープにしてしまえば、畳んで持ち歩けます。吸盤でなくフックにすれば、網棚や棒状の部分に引っかけることも出来そうです。



珍道具学会によれば、これらの珍道具には十カ条からなる掟があります。「暮らしの道具であること」「機能をもっていなければいけない」はわかりますが、「実用になってはいけない」「アナーキーでないといけない」「市販されてはいけない」「金儲けは厳禁」なのだそうです。

あとは、「ユーモアを目的としてはいけない」「ブラックユーモアはいけない」「下ネタはご法度」です。大真面目ということでしょうか。最後に、「インターナショナルであること」、中にはきわめて日本的に見えるものもありますが、海外でもウケているところを見ると、これも満たしているようです。



ところで、これらの珍道具を紹介する書籍も、「楽しいけど実用的じゃない画期的な発明品『珍道具』で大爆笑間違いなし。」というだけでなく、それを生み出す柔軟な発想法にこそ注目すべきなのでしょう。誰にでもある発想力を如何に発揮するか、がポイントになります。

逆理の発想 (第1巻)
逆理の発想 (第2巻)
“逆理”の発想〈第3巻〉爆笑 珍道具の世界
   仰天珍道具事典 (Part 1)
   仰天珍道具事典 (Part 2)
仰天珍道具事典―ほとんど実用にならない暮しの道具〈PART3〉 (カタログハウスの本)


川上賢司さんによれば、常識や習慣などの壁を打ち破る必要があると言います。その壁を打ち破るためには、まず目覚ましが必要であり、珍道具こそ、埋もれる発想力の目覚ましの役をしてくれるわけです。そして、氏が「逆理の発想」と呼ぶ、もろもろの価値観と正反対の視点に立って発想することが重要なのだそうです。



珍道具は市販されず、金儲けのためのものではないと言いますが、考えてみると珍道具とアイディア商品は紙一重のような気もします。最初は奇抜な珍商品にしか見えないようなアイディアグッズでも、大ヒット商品となれば誰も変だとは思わなくなるのも確かです。

有名なところでは、かかとの部分のないスリッパ、つま先立ちでいることによりダイエットになるというものですが、最初は珍商品にしか見えなかったと思います。しかし、ご存じのように大ヒットとなり、立派なアイディア商品となりました。うちにもある!という方は多いかも知れません。

居眠りによる乗り過ごし防止にしても、ちゃんとアイディア商品が出ています。耳の中で鳴るアラームなので、あらかじめセットする必要はありますが、周囲の人には大きな音を出して迷惑をかけることがありません。同じような形状ながら、傾くと鳴る居眠り防止アラームというのもあります。






余談ですが、冒頭の行先プレート、個人的には捨てがたいものがあります(笑)。帽子型でなくても、首から下げるか、胸元に止めるなどして、降りる駅を表示しても良さそうです。さすがに現状では恥ずかしいですが、一旦普及してしまえば、お互い様ですし、結構便利になるような気がしないでもありません。

アイディア商品と言っていいのかわかりませんが、自転車にもあります。こちらのキャリーバイクやキャリーミーなどの商品、通販でも自転車専門店ではないところが扱っているところを見ると、ある種のアイディア商品の扱いとなっているのでしょう。



私は乗ったことがないので何とも言えませんが、やはり小径車の中でもひときわタイヤのサイズが小さいのは間違いありません。一般論としてフォールディングバイクの場合、軽くて小さい持ち運びのしやすさと、走行性能は相反する要素ですので、これだけタイヤが小さいと、走行性能的には苦しいだろうなと想像します。

見る人によっては、自転車ベースの珍商品に見えるかも知れません。ただ、中には重宝する人もいるはずです。ごく短い距離だけ臨時的に使うとか、ロッカーに置いて予備にする人もいます。走行性能は目をつぶって、ちょうどこのくらいの大きさだと助かるという人もいるでしょう。

アイディア商品として、とても重宝する製品となるか、笑えるけど使えない珍道具となるかは、使う人にもよりそうです。もとより、個性の時代です。大量生産から多品種少量生産にシフトしていると言われて久しく、生活様式から言っても、電話もテレビも一人一台、「個」の時代になっています。

そう考えると、まだまだアイディア次第で、新しい画期的な商品が現れる余地はいくらでもあると言えます。たまには珍道具や新しいアイディア商品などを見て脳を刺激し、発想力を鍛えておくのも無駄ではないでしょう。意外性のあるものを見て、自分の中の常識や思い込みが崩れるだけでも新鮮です。

同時に、身の回りにある不満や不便、工夫の余地も常に意識しておくといいようです。脳が潜在意識の中で勝手に答えを見つけてくれることもあると言います。何かの拍子に思いついたり、夢で見たりするのは、その作用と言われています。それこそ、うたた寝の間にパッとアイディアが浮かぶなんてことがあるかも知れません。



また、「死刑になりたくて人を殺した、誰でもよかった」という事件が起きました。殺害された被害者の遺族の悲しみと怒りは察するに余りあります。こうした事件、連鎖しているのかも知れません。「ふざけるな」と言いたいのは私だけではないでしょう。

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