May 16, 2008

過ぎたるは及ばざるがごとし

北京オリンピックまであと3ヶ月をきりました。


そんな折りに中国を襲った大地震ですが、被災地への交通が寸断され救援活動は依然難航しているようです。日本でも連日報道されていますが、少しでも多くの人が救助されるよう願うしかありません、まだ被害の全容は明らかではありませんが、内陸部で起こる地震としては世界最大規模と言いますから、相当なものになるのでしょう。

阪神淡路大震災の何十倍という力で、遠く離れた北京や台北でも揺れが観測されたほどと言いますから、未曾有の大災害であることは間違いありません。温家宝首相が即日現地入りするなど、中国政府も全力を挙げて災害救助に取り組んでいるようですが、対応を誤れば内外の批判を浴びかねないことも背景にあるのでしょう。

つい先日まで、聖火リレーはチベット問題への批難から抗議活動が頻発し、世界中から注目されました。その前は、ダルフール問題への対応を巡って国際的な非難が浴びせられていましたし、中国の食品や玩具、健康食品や医薬品などによる死傷事故が世界各国で相次ぎ、中国製品への不信感が強まりました。

中国経済の成長に懸念が広がる中、インフレで経済の舵取りも難しい局面です。今年の春節を襲った大寒波では多数の死者が出て、初動が遅れた政府に対して人民の不満が高まりました。オリンピック期間の北京の大気汚染への懸念も各国に広がっていますし、中国政府は、悲願の北京五輪に向けて試練が続いています。

ロイター

ところで、その北京オリンピックの日本代表に決まって、本番へ向けて調整を続ける各種目の選手たちも、開幕が近づくにつれ、大きくなるプレッシャーと戦っているのではないでしょうか。この時期、テレビなどで繰り返し決意を聞かれていますが、のしかかる重圧は決して小さくないはずです。

オリンピック出場など無縁な身としては想像すべくもありませんが、「死ぬ気でやる」とか、インタビューの端々にも、その精神的な負担の大きさをうかがうことが出来たりします。特にメダルが期待される人気種目など、少しでも国民の期待に応えようと、更にハードな練習を重ねている選手も多いに違いありません。

大きくなる重圧から逃れるため、また、本番への自信をつけるためにも、ハードなトレーニングに打ち込むのは理解できます。ただ、そのトレーニングも度を越すと逆効果になる場合があります。スポーツ科学の世界では一般的に言われていることのようですが、その一つが「オーバートレーニング症候群」です。

通常、トレーニングをすると疲労で筋力や持久力などの身体機能は一時的に落ちますが、回復したときには以前より向上します。身体機能は、これを繰り返しながら強化されていくわけです。ところが、疲労回復が不十分なのにトレーニングを重ねてしまうと、身体機能が回復せず、低下してしまうことがあるのです。

アサヒコムこれがオーバートレーニング症候群と言われるもので、軽度なものなら競技の記録が悪くなる程度の話ですが、重症になると身体にも様々な症状が現れ、慢性的な疲労から不眠やうつ症状にまで至ることがあるそうです。この時期に記録が悪くなれば、更に練習を重ね、悪循環に陥ることも少なくないでしょう。

オリンピックを目指すような選手ならコーチもついているし大丈夫だろうと思えば、そうでもありません。事実、過去にも大きな国民の期待を受けながら、実力通りのパフォーマンスを発揮できなかった選手はいるわけで、その中にオーバートレーニング症候群に陥った選手もいたと言われています。

限界に挑むトップクラスの選手だからこそ、オーバートレーニング症候群になるとも言えるわけですが、熱心に部活動を続ける中高生、大学生などにも起きる恐れはあります。身体機能が高いから起きるわけではなく、練習の量や強度が増加したり、スケジュールが過密になることによって、誰にも起きる可能性はあるのです。

もちろん、週末だけ趣味で自転車に乗るような人には関係ないでしょう。しかし、趣味で自転車を始める人の中にも、チームに入ったりレースに出るようになって、好成績を目指してハードなトレーニングを自らに課す人もいます。仕事で疲労が溜まった体に、さらに鞭打って、練習に打ち込んでしまう人もいるでしょう。

music netダイエットを目的に自転車を始める人も少なくないと思います。最初のうちは順調に体重が減る場合が多いですが、当然ながら、ある程度のところまでいくと減らなくなります。しかし、それまでの減量の成果に気を良くして、更にハードに頑張ってしまう人もいるはずです。

単なる過労とは違い、オーバートレーニング症候群になると、立っていられないほど体調が悪化し、長期間寝込んでしまうこともあるそうです。後遺症で疲労感がとれなくなったり、頭痛などの症状に悩まされたりすることもあると言います。さらに、長期に休養しても、なかなか元の状態に戻らないこともあります。

何も、そんなになるまで..と普通は思いますが、えてして人間には、そういう面があるのも確かです。ダイエットが高じて拒食症になる人だっています。何かに『ハマって』しまうと、自分でも知らないうちに、どこまでも行ってしまう、なんてことがあるのも否めません。

単純に比較するわけにはいきせんが、仕事で、いわゆるオーバーワークの状態になっている人は少なくないでしょう。それがエスカレートして燃え尽きた状態になったり、「うつ」になったりする例は、いくらでもあります。自分では気づかないうちに頑張ってしまって、許容範囲を超えてしまうという意味では、同じなのかも知れません。

特に、凝り性の人や、負けず嫌いの人、数字にこだわる人、真面目に打ち込んでしまう人は、可能性がないとは言えないと思います。趣味とは言え、自分の属する職場や友人グループ内などでの関係悪化や虚栄心、プライドなどから、つい頑張ってしまうこともないとは言えないのではないでしょうか。

オーバートレーニング症候群は、燃え尽き症候群と呼ばれたりもするようですが、せっかくの趣味なのに、身体や精神を病んでしまっては元も子もありません。とかく熱中すると頑張ってしまいがちですが、燃え尽きる前に、意識的に休息をとるなど、自分の身体の状態をコントロールすることが重要です。

慢性疲労症候群と呼ばれることもあるそうですが、オーバートレーニングしなくても仕事で疲れ気味の人は多いわけで、慢性的に疲れた状態、いわゆる慢性疲労だったりします。楽しくてレースなどに熱中してしまうのも分かりますが、日頃から休息や栄養補給、回復期間を考慮したスケジュールをとることも必要でしょう。

スポーツも、のめり込んでやり過ぎてしまい、かえって身体機能を損なってしまっては意味がありません。時には運動をセーブして、疲労回復や身体のケアを考えるべきです。いつ、どんな状況に対処する必要に迫られるかわかりませんし、いいコンディションの維持に努めたいものです。



ミャンマーのほうも大きな被害が出ています。感染症なども発生しているとか..。こちらは、もはや完全に人災へ移行しています。世界中の人が感じていると思いますが、この軍事政権、なんとかならないものなのでしょうか。

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むしろ運動が足りない“アンダーワーク”に悩む人が多いと思う。

やってみなけりゃわからない
オリンピックをきっかけにスポーツを始める人も増えるだろう。

はやる気持ちを抑えるために
有酸素運動として行うのであれば、ペースを守ることが重要だ。



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