June 21, 2008

自転車通勤をより快適にする

自転車通勤する人が増えています。


とは言っても、全体から見れば、まだごく少数です。ただ、自転車通勤は、自宅から最寄り駅まででなく、仕事場まで直接自転車で通勤することだということも認知されつつあるようですし、徐々に増えているのも確かなようです。環境問題から、世界の都市でも自転車を通勤や通学に使うことに注目が集まっています。

前回、“DESIGN 21”というサイトが自転車をもっと活用するアイディアを募集した、“Power To The Pedal”と題されたコンペを取り上げました。その中の最終選考に残った優れた作品を取り上げたわけですが、もちろん、それ以外にも多くのアイディアが寄せられています。

その数、221にも上ります。大部分は、選考に残らなかったこともあり、率直に言ってあまり評価に値するようなものではありません。しかし、前回取り上げたもの以外にも、ちょっと目をひくものがあります。必ずしも実用性が高いとは言えないものもありますが、自転車通勤と関連して、いくつか見てみたいと思います。

自転車で通勤すると、スーツがヨレヨレになってしまうと敬遠する人もあるでしょう。職場に置いておいて着替える人もいると思いますが、ずっと毎日同じスーツを着るわけにもいきません。そこで、“AURA - Garment and Laptop Pannier”です。スーツをシワにせず会社まで持って行けます。

AURA - Garment and Laptop PannierAURA - Garment and Laptop Pannier

あまりスマートな形とは言えませんが、こんなアイテムがあったら欲しくなる人もいるでしょう。スーツより、自転車だとコンピューターを持ち運ぶのに不便だという方には、“Bicycle Laptop carrier/case”です。メッセンジャーバッグなどで運ぶより安定しますし、ハードケースなので安心です。

Bicycle Laptop carrier/caseBicycle Laptop carrier/case

でも、冬の自転車は手が冷たくてねぇ..なんて人にはこちら。“Glove warming”は、伊達に風車がついているわけではありません。自転車が走行する上で受ける風の力によって発電し、その電力を使って、グリップ部分に仕込まれたニクロム線でハンドルを温めるというアクセサリーです。

Glove warmingGlove warming

通勤経路によっては、駐車車両などが多く、頻繁に後方確認をしなければならない場合もあるでしょう。首も疲れます。バックミラーを装着する人もあると思いますが、“WATCH YOUR BACK”という手もあります。腕時計のように装着するバックミラーです。何らかの理由で、自転車にミラーを付けたくない人にお勧めです。

WATCH YOUR BACKWATCH YOUR BACKWATCH YOUR BACK

毎日自転車通勤していれば、アクシデントも起きます。ちょっとした調整なども含め、工具が欲しいこともあるでしょう。ただ、毎日持っていくのも大変だし..とお嘆きの貴兄には、“Tool Lock”があります。U字ロックの各部が、アーレンキーなどの工具になっています。

Tool LockTool Lock

しかし、なんと言っても一番の問題は雨でしょう。自転車通勤に限りませんが、自転車にとって雨は厄介な問題です。雨に強い自転車もいろいろ構想されています。やはり、屋根をつける案が多いです。中には、太陽電池パネルを組み込むなんて欲張りなプランもあります。

rainroofDOROTHY

リカンベントも有力な候補になるかも知れません。

Pannon Rider from HungaryHuman Energy Moving Urban Vehicle (urb 21)

下のデザインは、ちょっと変わっています。雨を遮るフードは横から出てきます。

IncaseIncase

中には、お尻が痛いからとか、前傾姿勢で肩が凝るとか、自転車の乗車姿勢が嫌で自転車通勤を嫌う人があるかも知れません。“elliptiGO glide bike”はどうでしょう。歩くような感じで乗る自転車です。歩いて通勤したい人でも自転車の速さが得られます。

elliptiGO glide bikeelliptiGO glide bike

女性の場合、さらに自転車通勤のハードルが高いかも知れません。スカートで行きたい日もあるはずですが、スカートで自転車に乗るのは躊躇する人もいるでしょう。“Dress your bicycle!”は、自転車に被せる形で使い、自転車を『着る』ように乗れるのでスカートでも安心です。冬の寒さにも強そうです。

Dress your bicycle!

女性が自転車通勤をするなら、ファッションも気になる要素でしょう。服を汚さないように、こんなポンチョがあってもいいかも知れません。“Velomode”は、急の雨にも対応しますし、防寒対策にもなります。手が寒くないような工夫もあります。

VelomodeVelomode

自転車通勤するなら、安全のためにヘルメットはかぶりたいけど、デザインが男性的なものしかないと感じている女性も多いのではないでしょうか。“low profile_high impact”のようなヘッドギアは有効かも知れません。この上に自分に似合う帽子をかぶったり、その帽子も天気やその日の服装に合わせて変えることが出来ます。

low profile_high impactlow profile_high impact

ヘルメットはかぶるけど、可愛くないのよねー、という貴女には、“Handmade Helmet Covers”という手があります。手作りのニット帽(カバー)をヘルメットにかぶせるというアイディアです。手作りなので個性も強調出来ます。もちん男性もどうぞ。

Handmade Helmet CoversHandmade Helmet Covers

日本では、あまり馴染みがないと思いますが、ニューヨークあたりのメッセンジャーで、車道を走行しながら、勝手にトラックなどにつかまり引っ張ってもらうことで、自分でペダルをこがずにラクをする人を見ることがあります。もちろん危険なので、決してお勧めするわけではありません。

ただ彼らも、窓でも開いていればともかく、普通のクルマはトラックの荷台などと違って掴むところに困るようです。そんな時に“bike remora”です。コバンザメとは言い得て妙ですが、磁石でクルマをキャッチします。シリコンがコーティングされているので傷も付けません。もちろんリリースもワンタッチです。

bike remorabike remora

自転車通勤も、ビル内の専用の駐輪場でもない限り、盗難対策は怠れません。ワイヤー錠などは、うっかり家に忘れてきてしまうこともあるのではないでしょうか。“Saddlock - urban cycling without worry”なら大丈夫です。サドルがワイヤー錠のようなロックになります。サドルを忘れて出かける人はいないでしょう。

Saddlock - urban cycling without worrySaddlock - urban cycling without worry

タクシーの横をすり抜けようとしたら、急にドアが開くなんてこともありえます。“The Door Bell”は、タクシーの料金メーターを「支払」側に倒した時、周囲の自転車に無線トランスミッターで警告信号を送ります。タクシーへの普及が前提ですが、ちょっと面白いアイディアです。ただ、タクシーだけなのが残念です。

The Door BellThe Door Bell

自転車通勤も、始めたころは余裕があっても、だんだん出発が遅くなりがちです。寝坊して朝食を食べる時間がなくなるなんてこともあるでしょう。パンをくわえたまま飛び出しても大丈夫なのが、“Handlebar Food Holder”です。笑ってしまいますが面白いアイディアです。置くのではなく、ちゃんと挟んでくれるところがミソです。

Handlebar Food HolderHandlebar Food Holder

もう一つ。笑ってしまったのが“BicycleDJ”です。自転車を、クラブでDJが使うターンテーブルのようにしてしまおうというものです。いわゆるスクラッチ(ターンテーブルを手で前後に動かしてリズムを刻んだりすること)を足でやるわけです。通勤しながらでもヒップホップ出来ます(笑)。

BicycleDJBicycleDJ

いろいろ見てきましたが、自転車通勤を阻む要素も、案外、ちょっとした工夫で緩和するかも知れません。今まで躊躇していた理由が解消しないとも限りません。既に自転車通勤している人も、ちょっとしたアイディアによって、便利に、ラクに、安全に、快適に、そして楽しくなる可能性があるでしょう。何かヒントはあったでしょうか。



激しい豪雨に見舞われている地域もあるようです。近頃は、梅雨時の雨の降り方のイメージが変わるような雨も多くなっている気がしますね。

関連記事

自転車をもっと活かすために
“Power To The Pedal”というコンペを取り上げた前回の記事。

自転車通勤する距離とコース
なんと、往復130キロも自転車通勤する人がシアトルにいる。

自転車にも便利な駅がほしい
自転車通勤を快適にするような、インフラの充実も期待したい。


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この記事へのコメント
いつも興味深い記事をありがとうございます。
ヘッドギアのアイデアで思い出したことがありますので書き込みさせていただきます。

私は札幌在住なのですが、札幌に株式会社特殊衣料という会社がありまして、
そこでデザインにこだわった保護帽(商品名:アボネット)を開発しているというのを
以前ローカルニュースか何かで目にしました。
元々は高齢の方や障害のある方の転倒時の頭部保護を目的としていたようですが、
現在では一般の帽子と変わらない様なデザインになっています。
自転車で使用した場合の安全性については分かりませんが、確かにヘルメットを
躊躇する方は多いだろうし、なにも被らないよりはましなのではないかと思いまして、
紹介させていただきました。
ホームページはこちら→ http://www.tomoni.co.jp/
Posted by 蹴球芯 at June 23, 2008 14:28
本格的な自転車ってスゴイですね☆
ちょっと興味が沸きました。
また遊びに来ますね☆
Posted by セッチ at June 23, 2008 17:36
蹴球芯さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私は今まで見たことありませんでしたが、こういう商品が一般用にも売られているんですね。
サイトを見ると、主に北海道で売られている商品のようですが、積雪や路面の凍結がある場所では、一般にも転倒に対する備えということでニーズがあるのでしょうか。
自転車の場合、オートバイなどと違って、ヘルメットの着用が義務付けられているわけではなく、その仕様も法令で限定されていないわけですから、もっといろいろな選択肢、スタイルがあってもいいと思います。
ただ、日本では、圧倒的多数の人がヘルメットをかぶっていないわけですし、かぶったほうがいいとすら思っていない人が多いのが実際ですから、こういう商品も、自転車用としてはあまり出てこないのでしょうね。
Posted by cycleroad at June 24, 2008 00:35
セッチさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
実際に乗ってみると、もっとスゴイと思うと思いますよ。ママチャリしか乗ったことがない人が多いので、初めてスポーツバイクに乗って驚く人はたくさんいます。
また是非お越しください。
Posted by cycleroad at June 24, 2008 00:39
はじめまして。
自転車通勤する人が増え事故も多発しておりとても危険がいっぱいですね。車を運転している方がヒヤッッとすることが多いですね。腕時計のように装着するバックミラーはとてもいい商品ですね!

こんな商品を開発しましたのでご紹介いたくコメントさせていただきました。
日本ではまだ自転車に乗る時にヘルメットをかぶるといった習慣がありませんね。簡易型ヘッドギアを開発し新聞などに取り上げられ話題をよんでいます。
お手持ちの帽子の中に簡単にとりつけられる【キャップインヘッドギア】是非ご覧下さい
http://www.elt-p.co.jp/headgear/bicycle.htm
ヘルメットを被りたくなくてもこちらの商品なら手軽にとりつけられるのではないでしょうか。
Posted by G-Revolution at December 28, 2009 10:53
G-Revolutionさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
似たコンセプトの商品は、ヨーロッパなどでは販売されていますが、日本では売られている様子がありませんね。
情報をお寄せいただき、ありがとうございます。
Posted by cycleroad at December 29, 2009 00:01
 
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