January 08, 2009

今後の進化を予見させる意匠

今月から来月にかけて、新しいモデルが続々と発売されます。


と、言っても、電動アシスト自転車の話です。昨年12月1日に施行された道路交通法施行規則の改正で、時速10キロメートル未満の低速域でのモーターのアシスト比率が、これまでの1対1から、最大1対2になりました。この新基準に合わせたモデルが、来月上旬にかけて各社から相次いで発売されます。

スポーツバイクに乗る人にとっては、あまり興味のないカテゴリーだと思いますが、日本人の圧倒的大多数がママチャリに乗っているわけですから、これを潜在的な顧客と見るならば、その数は膨大です。値段も10万円前後と、街に溢れる格安ママチャリとは1ケタ違います。各メーカーとも力が入るわけです。

実際に、電動アシスト自転車の売り上げは右肩上がりだと言います。一時期のガソリン高や景気後退を受け、クルマの代替としての電動アシスト自転車に注目が集まっている面もあるのでしょう。自転車ブームでスポーツバイクも売れていますが、実用面、何よりラクであることを重視する人が多いのも間違いありません。

ヤマハパナソニックブリジストン

今回の法律の改正では、アシスト比率が変わっただけで、外観が特に変わるわけではありません。ただ、環境への関心が高まる中、自転車は疲れるけど電動アシストならばと考える人も増え、従来のママチャリ型ではない、男性向けや、スタイリッシュなモデルなど、新しいデザインの電動アシストサイクルも増えていると言います。

ところで、この電動アシスト自転車、発明されて今年で16年目という新しい自転車です。技術の進歩や、現代人の生活の変化などを背景に生まれてきた自転車と言えるでしょう。今後も、時代の変化に伴って新たなコンセプトの自転車が生まれたり、デザインも進化していくことが予想されます。

もちろん、どんな自転車が登場してくるのか、確かなことはわかりません。でも、デザイナーたちが描く未来の自転車デザインを見ると、その一端を垣間見られるような気がします。未来のテクノロジーと工業デザインを集めた“Tuvie”というサイトにも、自転車のデザインがいくつか載っています。

sTrikeSunny Day
(それぞれ写真をクリックすると、“Tuvie”の該当ページにリンクします。以下同じ。)

左側の“sTrike”と名付けられた自転車は、3輪のリカンベントをベースにフードが取り付けられています。全天候型の自転車としてニーズがありそうです。右の“Sunny Day”は、太陽電池パネルが取り付けられた折りたたみ自転車です。当然予想されるコンセプトと言えます。

Svepa bikeOne Urban Bike

左、“Svepa bike”は、キックボードのようにも乗れるシティサイクルです。2人乗りも出来ます。ステップが付いていますが、後ろの人はここに立って乗ります。“One Urban Bike”は、ユニークな形のフォールディングバイク、折りたたみ自転車です。

Backpack BicycleRotation City Bike

“Backpack Bicycle”は、その名の通り、背中に背負えるように設計された折りたたみ自転車です。リュックに入れるのではなく、リュック型に畳めます。“Rotation City Bike”のほうは、2輪にも1輪車にもなり、折りたたんで運ぶ形と3つのカタチにローテーションします。

CarvXMonocycle

“CarvX”は、すでに製品となっていますが、オフロードを4輪で走行し、タイヤを傾けてカーブする、新しいタイプのリカンベント型の4輪自転車です。右の“Monocycle”のほうは、自律的にバランスをとることができる、いわば1輪 の自転車です。

RostaXE Tricycle Bike

“Rosta”も人目をひく未来的デザインです。リカンベントに近い姿勢でこぎますが、ギヤは駆動輪である前輪の中に内蔵される形となっていて、チェーンもありません。“XE Tricycle Bike”も、斬新な構造をもった電動ハイブリッド自転車です。

この“Tuvie”というサイトには、ほかにも私が以前取り上げたことのある自転車デザインがいくつか載っています。自転車以外にも、さまざまな工業製品のデザインが集められており、どれも未来を予感させるような魅力的なデザインで、見ていて飽きません。

これからも、素材や加工技術の進歩、社会やライフスタイル、自転車に対するニーズや考え方の変化などを受けて、こうした新しい自転車が生まれてくることでしょう。もちろん、斬新な形が必ずしも実用的ではありませんし、このまま製品化されるとも限りませんが、ちょっと登場が楽しみになるデザインと言えるのではないでしょうか。



関東などでは明日は雪の予報です。都会は雪に弱いといつも指摘されるところですが、また大混乱になるかも知れませんね。

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この記事へのコメント
はじめまして 管理人さま

ブログランキング登録後より立ち寄らせて頂いております
 斬新な記事 管理人様のこだわり いつも楽しく考えさせられながら拝見しております 今後も記事楽しみです 宜しくお願い致します。
Posted by あきぼー at January 09, 2009 08:39
電動アシストは,新機種が出るため買い控えされていたのか,スポーツ車と比較すると売上が上がっていませんでした。
しかし,このアシスト比が2倍になった自転車が不景気を背景にオートバイからのシフトを呼ぶかもしれませんね。

ガソリン価格が下がる前に売り出せばさらに効果的だったでしょうが,なかなか商売のタイミングを計るのは難しいようです。
 ただし,今こそ不景気に夜需要減退によって原油価格は下がりましたが,原油採掘の新規投資も出来ない状態になりましたので,しばらくすれば,紛争やロシアの供給停止問題などによる需給関係からまた原油価格が上昇すると思われます。
 そのときには自転車全般がまた見直されると考えられます。

 応援ポチ!
Posted by nekki5149 at January 10, 2009 13:05
あきぼーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いつもご覧いただきありがとうございます。よろしければ、ご意見・ご感想もコメントしてください。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
なお、同じ内容でしたので、一つコメントを削除させていただきました。
Posted by cycleroad at January 10, 2009 19:58
nekki5149さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車の売り上げ動向にお詳しいようですね。私はあまり詳しい数字は知りませんが、昨年の電動アシスト自転車の売り上げは、原付バイクを上回りそうな勢いだとの報道も見ます。景気の動向もあるとは思いますが、アシスト比率の改定により、今年はさらに売上を伸ばす可能性もありますね。
昨年の原油価格は大きく乱高下しました。世界的な金融危機で、足もとの原油需要は減退していますが、WTIの価格で原油価格が左右される以上、今後も投機的な思惑も含め、価格が振れることは十分考えられるでしょうね。
Posted by cycleroad at January 10, 2009 20:16
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

寒いですね。。

自転車、今とても売れてるそうですね!自転車の世界は今後ますます広がって行くでしょうね。

徒然閑写を今年は、少しだけ原点に戻します。
Posted by uncle-mac at January 11, 2009 12:23
はじめまして。
電動アシスト自転車、もっと普及するといいですよね。
運転免許を持っている人は、車からバイクへシフトしている方々もいます。
バイクをパスし、自転車を選択してほしいです。
ガソリン高騰で、多くの方々が必然的にエコ的運転や運用をしました。
あの時の行動を、今も継続してくれていればいいですね。
パリでのレンタサイクルは、電動アシストが多くを占めているそうです。
デザイン面については、まずは実用第一で進めていってほしいと思いました。
Posted by エディ at January 11, 2009 20:44
uncle-macさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いいたします。
そうですね。自転車ブームとムーブメントと両面あるような気がします。
リニューアルされたようですね。私も少し変えようかななどと考えてます。
Posted by cycleroad at January 12, 2009 23:06
エディさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、電動アシストサイクルは、昨日今日出た製品ではありませんが、昨年のヒット商品番付にランクされるなど、注目が高まっていますし、今後も普及の流れが拡大していきそうです。
原油高をきっかけに自転車に乗り始めた人でも、必ずしも原油価格が下がったからと言ってクルマにそのまま戻っているとは限らないようです。あらためて自転車を見直す機会となった人もあったのでしょう。
今のクルマの販売不振も、金融危機だけが原因ではないと言う人もいます。少しずつ、人々の意識も変わっているのかも知れませんね。
Posted by cycleroad at January 12, 2009 23:18
 
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