
廃棄物でも分別して、使えるものはリサイクルしたほうがいいのは言うまでもありません。
今は、リサイクルだけではなく4Rが大切と言われたりします。4R、すなわち、リフューズ(Refuse)、リデュース(Reduse)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の4つの頭文字をとった4Rです。リサイクルする前に、3つのRを実践しなければなりません。
まずリフューズ、不要な物を買わない、あるいは過剰な包装などを断る必要があります。次にリデュース、なるべく資源量を減らしたり、長く使えるものを選ぶことで使用量を低減することが重要です。そしてリユース、なるべく廃棄せずに再利用し、最後にリサイクル、再資源化して別に利用するというわけです。
ちなみに、この4Rは日本での話で、欧米の場合、リフューズは当たり前と考えるのか、リペア(Repair)、修理して使うが入るようです。家電などを修理しようとすると、往々にして買った方が安かったりする日本では、リペアは現実的でないと、リフューズに入れ替えられたのでしょうか。

ところで、自転車の4Rの状況は、と言うと決してほめられたものではありません。駅前などに放置されたり、ひどい場合は川に不法投棄されるなど、リサイクルされる体制が整っているとは言えない状況です。格安のママチャリが出回ることで、放置自転車として撤去移動されただけで新しく購入する人がいるなど、リフューズもお寒いものがあります。
リデュースにしても、あまり資源量が減らせる製品ではありませんし、やはり格安でママチャリが買えることで、長く使う人が多いとも言えません。しいて言うなら、放置自転車を再生して途上国などへ送り、リユースする取り組みがあるくらいでしょうか。それにしても、全体から見ればほんの一部に過ぎません。
リユースと言えば、最近はリサイクルショップに持ち込んだり、フリーマーケットやネットオークションで中古の自転車を売買する人もあるでしょう。ただ、あまりサイズが問題にならないシティサイクルはともかく、スポーツバイクの場合、サイズの問題があるので誰にでも売れるわけではありません。
スポーツバイクは、通常フレームのサイズやステムなどで身体の寸法に合わせる必要があります。身長や股下、腕の長さなど人によってサイズが違うので、同じモデルでも複数のサイズが設定されています。もちろん体格の違う女性や子供が大人の男性用のスポーツバイクに乗るわけにはいきません。
そんな常識を打ち破ろうと言うのが、この“
Versabikes”です。コンセプトモデルなので、まだ商品化されたわけではありませんが、その考え方はユニークです。必要に応じてフレームに設けられた関節のような部分の角度を変えることで、フレームのサイズを自在に変えることが出来ます。一つのサイズで様々な体格の人に対応出来ます。
ライダーが乗り慣れてくると、微妙にライディングポジションも変わってくるものですが、ステムなどの部品を変えずに、いつでもアジャストすることが出来ます。体格の違う人にも売ることが出来るので、いざ売却する時、容易になるというメリットもあります。リユースしやすいわけです。
Nathan Durflingerさんというデザイナーの作品ですが、面白いコンセプトです。レンタサイクルにも持って来いでしょう。日本ではスポーツバイクのレンタサイクルをあまり見ませんが、これならお客さんの体格に柔軟に対応することが出来そうです。
もう一つ、子供用にピッタリです。成長期の子供は、すぐサイズが変わってしまいますが、この“Versabikes”なら、成長に応じてフレームを変えていけるので、買い替えを余儀なくされることもなくなります。そう言えば上の写真、「お馬さんごっこ」をする親が、子供が乗りやすいように少し屈んであげる形に見えてこないでしょうか。
子ども用の自転車が、成長に合わせて何回くらい買い替えられるものなのかはわかりませんが、一台で対応できるならば、リデュースに貢献することは間違いないでしょう。売る時にでも、成長期のどの時期の子供を持つ親にでも売れるでしょうから、リユースにも貢献できます。
難点としては、重量が重くなりそうですし、フレームの剛性も落ちそうです。デメリットも想定されるので、普通に自分にあったフレームサイズを買うほうがいいと考える人も多いと思います。ただ、資源の有効利用の観点からすれば、こんな考え方の自転車があってもいいのかも知れません。
消費税率引き上げをめぐる自民党の内紛は一段落したようです。せっかく景気対策を打っても、それに冷や水を浴びせるような税率引き上げを今から言わなくてもいいと思いますけどね。自ら、わざわざ政策の効果を減らすようなことをするなんて、変わってますね。
関連記事
パッと見にはわからない怪物
自転車はフレームばかりではなく、タイヤのサイズもいろいろある。
自転車選びを混乱させる要素
タイヤサイズの表記の仕方にはいろいろあり、初心者を混乱させる。
わずかな違いで大きく変わる
女性の場合、実はクランクのサイズなどにも気を使ったほうがいい。
Posted by cycleroad at 23:30│
Comments(2)│
TrackBack(0)