February 28, 2009

安全に食べる為に必要なこと

自転車は食べ物でもあります。


と、書くのはさすがに語弊があると思いますが、実際に食べる人がいるようです。ロイターの記事から引用します。


アルジェリアの大食漢、ギネス記録更新を狙う

アルジェリアのサリム・ハイニさん(25)は、蛍光灯、ろうそく、おがくず、くぎのほか、一度に1000個以上のゆで卵を食べることができるという。ハイニさんは今、その変わった特技でギネスブック入りを狙っている。

ハイニさんが自分の特殊な消化能力に気付いたのは8年前のイスラム教断食月(ラマダン)のこと。日没後に取る食事では、いくら食べても満腹にならず、ハイニさんの食欲はそれ以来、増進し続けているという。

2たる分のオリーブオイルを一気飲みし、40個のパン、75杯のショルバ(アルジェリアのスープ)などを食べたことがあるとロイターに語るハイニさん。ほかにも、35キロもある羊の丸焼きを平らげた「食歴」を持つ大食漢だ。

多くのアルジェリアの若者同様、ハイニさんも仕事を持っておらず、まともな食事を取らずに何日も過ごすことがあるという。

自転車を食べる男

あるとき、地元の友人や親族たちにその特殊な食欲を仕事にすればと勧められ、ハイニさんは大食いコンテストに参加。今では全国で30県の頂点に立つ大食いチャンピオンとなり、海外での試合にも出掛けるという。

そんなハイニさんが目指すのは、ギネスブックの「世界で最も変わった食事」部門の更新。同部門では、フランス人男性が自転車128台、スーパーのカート15台、シャンデリア6つ、ベッド2台、スキー1セットを食べた記録を持つ。

記録の更新は難しいが、ハイニさんは「ギネスブックを更新できたら本当に光栄。ギネスは外国人だけのものじゃない」と意気込んでいる。[アルジェ 16日 ロイター]


確かに、たまにテレビの奇人変人を紹介する番組を見ていると、蛍光灯などをバリバリ食べてしまうような人が出てくることがあります。決まって出てくるテロップが、「決してマネをしないでください。」というものですが、蛍光灯を食べられる人は、そうはいないでしょう。このハイニさんは、その一人のようです。

1度に1000個のゆで卵は、あるいは「ギャル曽根」あたりなら食べられるのかも知れませんが、蛍光灯とかクギなど、普通の人なら1個でも食べるのは困難です。しかし、上には上がいるもので、この記事にあるフランス男性は、いくらギネス記録保持者とは言っても凄すぎます。

自転車を食べるだけでも信じられませんが、なんと128台です。スーパーのカートが15台、スキーが1セットと言いますから、自転車は比較的食べやすいのでしょうか(笑)。いくら、「さまざまな角度から自転車の話題を」と言っても、まさか自転車を食べるという話題を載せるとは思いませんでした。

自転車なんて、煮ても焼いても食べやすくはならないと思いますが、常人の理解を超える胃腸の持ち主なのでしょう。口に入るものなら、何でも食べられるのかも知れません。まあ、胃腸は丈夫であるに越したことはないとは思いますが、それにしても想像を絶します。

「自転車食べ歩き」が趣味と言う人は少なくないと思いますが、本当に「自転車食べ歩き」出来る人がいるとは思いませんでした。私も見たわけではないので確かなことはわかりませんが、自転車をノコギリなどで小さく切って、そのまま丸呑みにするようです。

でも考えてみれば、別の意味で私たちも、最近は何を食べさせられるかわからない時代と言えなくもありません。ギョウザに農薬、乳製品にメラミンなど、食べ物ではないものが混ざる事件が相次いでいます。金属などの異物混入事件もありますし、廃鶏や工業用の事故米も流通していました。

ここのところ、他のニュースに隠れてあまり大きく報道されませんが、依然として食品偽装事件も後を絶ちません。食品を扱う会社のモラル崩壊はとどまるところを知らず、この景気後退、金融危機で背に腹を変えられなくなり、偽装を行う会社が更に増えていても不思議ではありません。

消費者は、加工食品から自分で調理する方向へ、また外食から家での食事へとシフトする傾向が見られると言います。畑を借りて家庭菜園を始めたり、ベランダで栽培するミニ野菜が人気になっているとも聞きます。しかし、そうした自衛策では限度があるのも確かです。

家庭菜園

一部には、食の信頼を取り戻すため加工工場に監視カメラを取り付けたり、さまざまな検査や工程を導入して異物混入事故を防ごうとする動きもあります。また業界での自主基準のレベルを引き上げたり、あらたな認証制度を設けたりするような試みもあるようです。

対策を進める姿勢は評価できるものの、本来なら不必要、あるいは過剰な監視体制などにより、消費者が余計なコスト負担を求められる傾向がないとは言えません。安全の為のコストと言えばそれまでですが、一部の不埒な悪徳会社のために、余計なコスト負担をさせられるのも癪な話です。

三笠フーズ場合によっては、中小の業者にはクリアするのが困難なレベルの業界基準や認証制度を定め、ライバルを淘汰する道具に使われかねない事例もあるやに聞きます。中小企業にとっては死活問題ですし、企業同士の賭け金吊り上げ競争に巻き込まれる消費者こそいい迷惑です。寡占化が進むのも好ましくありません。

疑い出したらキリがありませんが、認証制度を悪用した事例は過去にもありましたし、商品の流通経路などを明示してあっても、それ自体が信じられる保証はありません。生産者の顔写真が貼ってある商品が売れていると見るや、ウソの写真を貼って平然と売っているところまでありました。

実際に、自分のところの商品はトレーサビリティが確立しているから安全だとアピールしているのも見ます。でも、そのトレーサビリティが偽装されています。それで信用が得られると思っているほうがノー天気というものでしょう。太鼓判を押しているほうが、かえって怪しいくらいです。認証制度を巻き込んだ不正だってありえます。

取り締まる法律も、事故米の三笠フーズのような悪質なものまで不正競争防止法で検挙されているのを見ると、その不備を感じるのは私だけではないでしょう。食品衛生法とかJAS法、不正競争防止法に景品表示法などは歯止めとして機能しているのでしょうか。刑法の詐欺罪や傷害罪で裁いてほしいと思う事件も少なくありません。

産地偽装食の安全を揺るがすような事件の多くは、内部告発によって明らかになるようです。消費者の安全を守ることになる、この告発者こそ保護すべきです。日本でも公益通報者保護法が成立しましたが、まだ十分な体制とは言えません。告発者が解雇されないまでも、閑職にまわされるなどして精神的な報復を受けた例もあります。

解雇のリスクを犯してまで通報する人の勇気と正義感には、もっと報いるべきではないでしょうか。職場にいづらくならないよう匿名性を守ったり、もし居づらくなったら、再就職などを保証するなど厚く保護すべきです。海外では課徴金などの一部を支給する国もあります。

告発された企業やその従業員は、存続や生活の糧が危機に瀕するわけですから、告発者を恨むのも理解できます。しかし、当事者以外の人は告発者を称えこそすれ、白い目で見るのは間違っていないでしょうか。日本では、どうも伝統的に密告者、裏切り者として悪いイメージを持つ人も少なくないようです。

牛肉偽装で、政府から補助金を騙しとろうとした雪印食品を告発した倉庫会社、西宮冷蔵が、他の取引先からも裏切り者のような扱いを受けたのも、その一例です。雪印グループはともかく、全く関係のない会社まで取引を停止するのは、道義にもとる行為ではないでしょうか。

安全な農作物会社というのは、社員にとって共同体です。その存続が脅かされる内部告発は、共同体の利益を損なうという意味で、その構成員にとっては憎むべき「悪」に見えるでしょう。共同体にとっての「正義」は会社の存続と社員の雇用を守ることになりますから、それを犯す内部告発は許せない行為に見えます。

実は、こうした論理こそ、不正が蔓延する土壌であるのは明らかです。国民全体、あるいは環境汚染など地球全体に不利益をもたらす悪事だったとしても、自分たちの利益を守るという目的を共有する共同体にとっては必要なこと、やむを得ないことに見えてしまうのが、食品偽装などを生む下地になるのは間違いありません。

そう考えれば、関係者以外の国民全体で報いてやらなければ、告発者の立場がありません。自分だって不利益を被る可能性があるのに正直に告発し、日本国民全体の健康を守ろうとした正義感と勇気を賞賛するような社会になっていかなければいけないのではないでしょうか。

しかし、勇気ある告発を支援する体制ができたしても、JAS法や不正競争防止法でしか罰せられないというのでは、果たして歯止めになるのか疑問が残ります。特に確信犯で偽装に手を染め、濡れ手に粟のボロ儲けを企む幹部にとっては、そのリスクを冒しても十分うま味があるから、これだけ後を絶たないのでしょう。

ミートホープや三笠フーズは倒産の手続きがとられていますが、大手の場合は、ブランドを変えれば済んでしまうのもあります。中国製冷凍ギョーザによる食中毒事件で、冷凍食品全体の急激な消費者離れを引き起こしたJTは、JTブランドをあきらめ、事業を傘下の加ト吉に移管してイメージ刷新を図ると報じられています。

雪印乳業などもそうです。死者まで出た戦後最大の集団食中毒事件を起こし、売れ残って返品された賞味期限切れの牛乳を再出荷するなど、工場の不衛生さや、ずさんな体質が明るみに出ました。子会社の牛肉偽装まで明らかになりましたが、メグミルクなどブランドを変えたりして存続し、今も部門によってはトップシェアです。

不祥事後も普通に存続している大企業は少なくないと思いますが、もちろん、必ずしもそうした企業が反省していないと言うのではありません。しかし、もし発覚したら信用は地に堕ち、ブランドイメージも失墜して大きな痛手を負うとわかっていても不正を行ったり、消費者を裏切るような行為が後を絶たないのも事実です。

中には懲りずに不祥事を何度も繰り返している企業もあります。不祥事が起きたらブランドを変えたり再編すればいいと、最初から消費者をナメているとまでは言わないものの、大企業にとっては、あまり抑止効果がないのではないかと疑わざるを得ません。それほど一流企業でも多く起きています。

プチ農業消費者のほうも、あまりに事件が多すぎて、どこが不祥事を起こしたか覚えきれないほどです。不祥事後に再編されたり、ブランド名が変わったりすれば、更に覚えていられません。ほとぼりがさめれば、普通に営業が続けられるとすれば、企業に対するプレッシャーになるのでしょうか。

私は、アメリカのように集団代表訴訟が出来るようにすべきではないかと思います。一人の被害者が、自分と同様の損害を被った被害者全体を代表して、比較的容易に損害賠償を請求出来る制度です。個々の損害がわずかでも、被害者が多ければ莫大な金額を請求できます。被害者の救済になると共に、企業にとっては大きな脅威となります。

アメリカはご存じのように訴訟大国で、コーヒーが熱いから火傷したとか、ハンバーガーのせいで太ってしまったと裁判を起こす人がいる国です。こうした制度が出来るとアメリカのようになってしまい、裁判の濫用が起きる可能性もないとは言えませんが、日本ではこうした訴訟リスクがないから、不祥事が後を絶たない面もあるでしょう。

社会的な影響は甚大でも、一人ひとりの被害額となると小さい場合、今は訴訟にもなりません。JAS法の罰則を受けても大企業にとっては大した金額ではないでしょう。しかし、集団代表訴訟、いわば消費者代表訴訟が巨額になる可能性があるとなれば、そのリスクに慎重にならざるを得ません。

ベランダ菜園よく、株主代表訴訟という言葉は聞きますが、消費者代表訴訟があってもいいはずです。会社の利益を上げる機会を損えば、経営者は株主代表訴訟を起こされかねません。しかし、今のところ消費者代表訴訟はありませんから、経営者は株主のほうばかり見るようになるのも当然です。

株主の権利も守る必要がありますが、一部のファンドなどに見られるように、企業に短期の利益ばかりを追求させかねない面もあります。消費者代表訴訟のリスクがあれば、お客様より株主のほうを向き、目先の利益ばかりを追及するような経営は、しづらくなるはずです。

確信犯的に不正を行った企業のオーナーや幹部の刑事責任を重くすると共に、消費者代表訴訟を導入し、大企業でも多額の損害賠償のリスクを負わせるべきです。そして、いつ内部告発され、不正や不誠実な行為が白日の下に曝されるかわからないとなれば、もっと食の安全をゆるがすような事件は減るのではないでしょうか。

自転車を食べる話が、裁判制度の話になってしまいましたが、自転車どころか少量の異物や薬剤ですら食べると問題のある、私たち普通の胃腸を持つ人間にとって、食の安全の確立は急務です。そのためには、もっと有効な自衛のための手段、歯止めをかける仕組みを手に入れる必要があるのではないかと思うのです。



自民党、今度は笹川総務会長ですか。「沈没」発言もひどいですが、何が悪いのかと開き直っていたところを見ると、発言が不適切だと本当に感じていなかったのでしょう。政治家云々と言う前に、人間性を疑いますね。

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