March 18, 2009

地球の内外を汚しているのは

スペースシャトルが国際宇宙ステーションとドッキングしました。


日本の若田さんの約3か月にわたる長期滞在が始まったわけですが、その国際宇宙ステーションでは先週、宇宙ごみが接近し緊迫するという場面がありました。宇宙のゴミ、スペースデブリは時速3万キロというような、とてつもない猛スピードで飛んでくると言います。衝突すれば大惨事です。

スペースデブリこのスペースデブリ、先月にも米国とロシアの通信衛星が衝突する事故で大量に発生しました。地球から確認できるものだけで1万数千個も地球を周回していると言われ、人工衛星などにとっても大きな脅威です。なんと宇宙空間でもゴミが深刻になっているわけです。

もちろん地球上でもゴミは相変わらず問題になっています。人間の出すゴミは、人間の住む陸地にとどまらず、海洋にまで広がり、数千メートルの深海にまで達していると言います。餌と間違えて飲み込むなど、海洋生物へ与える影響も深刻です。海岸線にも大量に漂着して漁業や観光にダメージを与えています。

こうした海へ流出するゴミは、海岸沿いの住民や、海水浴客などが出すものだけでないのは明らかです。都市部に散乱するゴミも風で飛ばされたり雨に流されたりして、排水溝や河川に落ち、最終的に海へ大量に流出しているはずです。公園のごみ箱からころげ落ちたペットボトルが、いつか深海にまで達するかも知れないわけです。

海岸にも大量に漂着する通常ゴミ問題というと、ゴミの減量化や最終処分場の問題、不法投棄などに注目が集まりがちですが、地球規模で拡散するゴミによる自然破壊、環境汚染も進行しています。そして、それは街でのポイ捨てやゴミの出し方など、我々の行動に深く関わっているのは間違いないでしょう。

サイクリストにとってもゴミのポイ捨ては無関係ではありません。ポイ捨てされたり、どこかのゴミ捨て場などから飛ばされてくるゴミは道路の端に溜まることもあります。つまり自転車の通る場所です。パンクやスリップ、落車などを誘発する場合もあります。

最悪の場合、交通事故の原因にもなりかねません。クルマなら、ある程度のゴミは踏んでも問題ないでしょうが、自転車は路上のごみを避けて通らなければなりません。周囲の交通や歩行者などを気にしながら、路面にまで気を使わなければならないわけです。

プラスチックごみ液体がこぼれているくらいなら問題ないと思われがちですが、以前、私はオイルのようなドロッとした液体を踏んだことがあります。前方に液体が広がっているのが、普通の水たまりに見えたのです。細い道でスペース的に避けようがなく、減速して通り過ぎましたが、まさかオイルだとは思いませんでした。

粘度の高い液体だったので、タイヤについて跳ね上がり、自転車の車体や着ているウェアに飛び散り、なかなか落ちなくてエライ目に遭いました。路上からは見えなかったのですが、道路脇に捨てられていた大きな缶から流れ出し、道を横切っていたのです。なんで捨ててあったのか知りませんが、迷惑なことこの上ありません。

クルマから、タバコの吸い殻などをポイ捨てする人もいます。私は、前方を走行していたクルマの助手席から、火のついたタバコをポイ捨てされ、あやうく直撃されそうになったこともあります。助手席なので、おそらくバックミラーでは見えず、私の存在に気付かなかったのだと思いますが、ひどい行為です。

漂着したライター走行中にクルマからタバコをポイ捨てする人は相変わらず存在します。信号待ちの間に、灰皿にたまった大量の吸い殻を路上に捨てて走り出すクルマも何度か目撃したことがあります。自分のクルマの車内だけきれいになれば良いという、呆れた人達が存在するのは間違いありません。

食べ終わった弁当とか、飲料の缶などをコンビニの袋に入れ、そのままクルマから投棄する人もいます。よく、渋滞する場所や高速道路の高架下、中央分離帯の植え込みの中など、ゴミが大量に捨てられている場所があります。誰かが捨てると心理的なハードルが下がるのか、次々と捨てられて溜まるようです。

こうしてポイ捨てされたゴミが、強風の日や雨などで運ばれて道路の端にたまってサイクリストを脅かしたり、沿道の住民に迷惑をかけたりします。もちろん道路清掃車が清掃していますし、場所にもよるのでしょうけど、実際ゴミの多い道路に出くわすことはあります。そのうち、いくらかは海まで運ばれるのでしょう。

クリーン作戦私は、ポイ捨て禁止法を制定すべきではないかと思います。今でもゴミをポイ捨てすれば、廃棄物処理法違反、もしくは軽犯罪法違反で罰金刑の対象です。多くは路上喫煙禁止などとセットでタバコのポイ捨てが対象のようですが、ポイ捨て禁止条例を定めている自治体もあります。

ただ現実問題として、クルマのドライバーに対する歯止めはありません。ちょっと主旨が違うかも知れませんが、道路交通法で、タバコ以外の全てのゴミも含むポイ捨て禁止を明文化してはどうでしょう。今までも他車を危険にさらしたということで、クルマからのゴミのポイ捨てが書類送検された例はありますが、取り締まられるのは稀でしょう。

ポイ捨て禁止一時不停止とか、シートベルト非装着などと同じように道路交通法違反として、点数を減点するか、反則金を科すなど、具体的な行政処分の対象にするわけです。タバコや弁当などのゴミを投棄するドライバーを警察官が現認したら反則切符を切るのです。

警察官には、一時停止違反やケータイ使用、シートベルトなどの取り締まりと同じように取り締まってもらいます。最初は取り締まるのも大変かも知れませんが、ゴミの投棄が道交法違反で即反則金ということがある程度浸透すれば、大きな抑止力になるはずです。むやみに捨てる人は減るに違いありません。

ごみ拾いもちろん、それだけで全てのゴミの投棄を無くすことは出来ないでしょう。歩行者でもゴミを路上に捨てる人はいるので、ドライバーだけを取り締まるのは片手落ちかも知れません。しかし、ドライバーはクルマという隠れ蓑と逃走手段があるぶん、ゴミを丸ごと投げ捨てたり、吸殻をぶちまけたり、悪質な例が多いのは否めません。

少なくとも、ゴミのポイ捨てを減らす一助にはなると思います。公徳心のかけらもない人たちにゴミの収集費用を負担させる意味でも有効ではないでしょうか。自転車乗りとして、ドライバーのポイ捨てに腹を立てていると言うより、ゴミの散乱を何とかして減らすべきではないかと思うのです。

国際宇宙ステーション過去には原子炉を積んだ軍事衛星が地上に落下し、放射能を含む破片が散乱する事故も発生しています。宇宙ゴミは一般人が出すものではありませんが、ゴミがばら撒かれるのを放置し、ゴミだらけになっている点では同じです。いつ我々の頭の上に落ちてきて、多大な被害が発生してもおかしくありません。

自分たちの街が雨や風で掃除されるなら好都合、ゴミが目の前から消えてくれればいい、太平洋のかなたにゴミが沈んでも関係ないと思っていると、いつか自然からしっぺ返しがあるに違いありません。海洋生物が絶滅し、生態系が崩れて海洋資源が枯渇したり、環境汚染が、周りまわって我々に害を為すこともあるでしょう。

もちろん過剰包装をやめたり、マイバッグを使うなどゴミの発生を抑制することも必要です。自然に戻る素材など、テクノロジーの進歩も期待されます。しかし、どうしてもゴミの発生は避けられない部分があります。きちんと回収し、ゴミが散乱していかないよう、私たちの身の回りから気をつけたいものです。



桜前線の北上は早まっているみたいですね。花見の予定も少し繰り上げなくては。酒も多めに用意するかな(笑)。

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見たくないものに目を向ける
自転車で少し遠くに出掛けると、ふだん目にしないものを見るかも。

いつでもどこでも持って行く
水筒などを持ち歩くなら、ゴミの発生を減らすことが出来るはずだ。

買い物カゴには戻らなくても
海へ流れ出たレジ袋を、イルカなどが飲み込む被害も起きている。



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この記事へのコメント
ゴミ問題は実感してます。 特にいろんな所を 走りますので 街のきれい・汚いは すぐ解ります。 毎年富士の樹海ゴミ拾い大会に参加してますが 一部のサイクリストの間で ゴミ拾いDayをしている方を見かけます。(こんど参加しようと考えてます)
最近東京ヘリポート地区をポタしました 非常に恥しい状態に 愕然としました思わず掃除したくなりました。
ゴミ問題は 過去の蓄積もありますが 今なお 一部で ふえている現実が 走っていて 解ります。
Posted by H134 at March 22, 2009 02:29
H134さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車で走っていると、確かにゴミの多い場所がありますね。私も心がけていますが、ゴミを拾う人がいる一方で、ゴミを無法に捨てる人が後を絶たないのが残念なところです。
リサイクル法で料金がかかるなど、ゴミを違法に捨てさせるような面がありますし、そうでなくても自分勝手な人は、自分の家やクルマに置きたくないという理由だけでゴミを捨てるでしょう。何らかの歯止めも必要な気がします。
Posted by cycleroad at March 23, 2009 22:34
 
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