
ポイントカード、サイフの中に何枚くらい入っていますか。

スーパーや家電量販店、レンタルショップやコンビニ、ガソリンスタンド、飲食店から行きつけの理髪店に至るまで、ありとあらゆる店のポイントカードが入っているという人も多いでしょう。サイフがポイントカードでパンパンに膨らんでいるかも知れません。
顧客を囲い込むためのポイント制は、まさに百花繚乱といった感じです。とうとう政府の追加経済政策にまで、「エコポイント」の制度が導入されました。個人消費を刺激するため、政府までポイントを活用しようとしています。そして、今度は自転車通勤にまで「ポイント」です。
環境省、電動アシスト自転車実験 エコ通勤普及へ特典ポイント
環境省は、マイカー通勤から自転車や公共交通機関の利用に転換する「エコ通勤」の効果を検証するため、今年秋から民間企業などと連携して社会実験を始める。電動アシスト自転車で通勤する社員に対して特典に交換可能なポイントを付与して旅行商品の割引を受けられる実験などを立ち上げる。この実験を通じて二酸化炭素(CO2)の排出削減につながる通勤スタイルの有効性をアピールしたい考えだ。
今回の実験では、企業などが提案したエコ通勤社会実験に、環境省が1件当たり上限2000万円程度の委託料を支給し、実験結果を報告してもらう。環境省は、公募で集めた約20件の提案の中から特に効果が見込まれる3件を選定した。
なかでも注目を集めそうなのが、JTBグループのJTB首都圏(東京都千代田区)が提案する、「企業のエコ通勤支援」だ。同社が電動アシスト自転車リース業務を引き受けて、マイカー通勤の抑制をめざす企業が同自転車を借りてエコ通勤を実践する。
実験でJTB首都圏のサービスを活用するのは、ともに埼玉県にあるグループ会社のJTB関東(さいたま市中央区)と、産業・建設関連商社のオキナヤ(熊谷市)。この2社がマイカー通勤を行う社員の中からエコ通勤への参加者を募り、こうした通勤スタイルの普及に向けた課題を明らかにする。
さらに、参加者へのインセンティブの付与の仕方についても検討する。電動アシスト自転車を使った際にカロリー消費量やCO2排出削減量などを携帯電話で確認できる仕掛けを入れたり、自転車の利用頻度と距離に応じてポイントを獲得できるようにして、たまったポイントで旅行商品の割引が受けられる特典を付与することも検討する。
環境省は、エコ通勤が温暖化対策に加えて、都市部の渋滞緩和や企業にとっても従業員の健康増進、マイカー通勤手当の抑制につながるとみている。西尾哲茂事務次官は30日の記者会見で「自動車単体の低公害化・低燃費化に加え、歩いてでも自転車でも暮らせてエネルギー消費の少ないコンパクトシティー化も促進したい」と説明する。
もっとも、旗振り役の環境省は近距離でも幹部の移動に依然、公用車を使っている。セキュリティー上の問題などもあるとみられるが、民間からは「まずは環境省が範を垂れるべきでは」と皮肉る声も出ている。(フジサンケイ ビジネスアイ 2009/5/1)
本来、さまざまな商品やサービスへの対価、あるいはその権利などの交換を仲立ちするのが貨幣、お金の役割です。統一の基準であり、価値を比較するにも単純明快です。それが、いわば仮想通貨であるポイントの発行が多くなると、煩雑で、使える場所もそれぞれに限られるなど、非常に面倒になります。
発行側にはいろいろとメリットが考えられます。値引きよりポイントなら多く付与できるので、顧客にもメリットがあるという理屈もわからないではありません。しかし、いかんせん多すぎると感じるのは私だけではないでしょう。使えずに死蔵され、無駄になるポイントも膨大な量になるはずです。

その意味で、何でもかんでもポイントというのは問題がある気がしないでもありませんが、自転車の活用を推進しようという取組み自体は大いに評価出来ます。不満な点から入ってしまいましたが、ようやく本当の意味でのエコを推進する動きと言えるのではないでしょうか。
ガソリン車よりハイブリッド車や電気自動車のほうがエコと言えばそうでしょう。しかし、電気にしても、日本の場合、依然としてその6割以上を化石燃料による発電に頼っているのも事実です。火力発電所では大量のCO2を排出しています。それを莫大なロスをしながら送電して使っているわけです。
そう考えると、もしクルマを使わなくてすむのであれば、エコカーなんかより自転車のほうが圧倒的に環境に優しいのは明らかです。エコカー優遇を必ずしも悪いとは言いませんが、自転車にしたほうが断トツにいいわけですから、クルマから自転車にするならば、エコカー減税などより、もっと優遇してもいいくらいです。
もちろん、日本経済のことを考えれば、クルマが売れないのも困ります。しかし、経済への配慮ばかりでは、京都議定書の削減目標達成など困難です。クルマを全く無くせと言うわけではありません。依然として必要ですが、自転車で置き換えてもいい部分、渋滞してクルマのメリットの少ない部分くらいは自転車にしてもいいでしょう。

温暖化対策だけでなく、都市部の渋滞緩和や企業には従業員の健康増進につながるわけですから、自転車を利用するメリットは小さくありません。エコカー優遇より、自転車通勤優遇のほうが環境や福祉の面では正論でしょう。私も以前からさんざん書いてきましたが、今まで無かったのがおかしいくらいです。
今回環境省も主張していますが、こんなことずっと前からわかっていたはずです。マイカー通勤を減らすべきという主張は以前からありましたが、自動車業界への配慮もあってか、なかなか具体的な代替手段に結びついていませんでした。ようやく自転車通勤という選択肢が、現実的な手段として認識され始めたという面もありそうです。
自転車を有効に活用しようという考え方は、ほかでも徐々に広がりを見せつつあります。東京世田谷区は、東西の方向には移動しやすいものの、南北方向へは公共交通が不十分なため移動が面倒です。そこで、通称「がやリン」と呼ばれる独自のコミュニティサイクルを設置しています。
自転車で、便利・楽しい・エコな街 東京都世田谷区
東京・世田谷区では、区民が共同で自転車を利用できる「コミュニティサイクル」と呼ばれるサービスを実施している。専用駐輪場から自転車を借り、返却する場所も選べる新たなレンタサイクルは、交通手段としてだけでなく、環境や健康面でも見直されている自転車を利用した新たな街づくりとしても注目されている。
手軽に借りて、返せる「コミュニティサイクル」
(中略)放置自転車を再利用する形で、世田谷区では、平成6年からレンタサイクル事業を行ってきた。借りた場所に返却する従来のレンタサイクルは一般的だが、世田谷区が2年前から実施している「コミュニティサイクル」は、借りた場所とは別の場所にも返却できるのが特徴だ。
同様の自転車サービスはヨーロッパで普及しており、スペイン・バルセロナやフランスのリヨン、パリといった都市では、こうした自転車の共同利用がすでに公共アクセスとして一般に愛用されている。自転車は、交通渋滞や大気汚染が問題となる自動車とは異なり、手軽で、クリーンな交通手段として見直されている。(中略)
ポートの増設や休日利用も計画 「ブルーゾーン」など安全対策が課題
「区では 今後10年で、2キロ間隔でポートを設置し、地域を自転車のネットワークで結ぶことを計画している」(世田谷区交通政策担当部交通安全自転車課・安藤武男氏)という。また、ロードバイクやマウンテンバイク、3人乗りの自転車などの導入により、平日の通勤通学だけでなく、休日の利用促進を図ることも検討しているという。
利用希望者が年々増える一方で、経堂や桜上水での定期利用の登録には、半年から1年ほど待たないと登録できない状況となっている。これは、貸出用の自転車が不足していることや各ポートの駐輪スペース不足が主な要因だ。自転車の不足は、放置自転車の減少によるため、区では新たに自転車を購入するなどの対策も検討している。また、利用者にとって便利な駅前周辺に広いポート(駐輪場)を設置するのは、税制面での負担も大きい。
また、自転車と自動車、自転車と歩行者の事故など、安全面での対策も重要になっている。道路交通法では、自転車は原則車道の左側を通行し、自転車通行可の歩道では車道側を、自転車道が設けられている道路ではそこを通行することが定められている(道路交通法 第17条第1項、第18条第1項、第63条の4、第63条の3)。
世田谷区では、区内の一部道路に自転車専用通行帯「ブルーゾーン」を導入し、自転車と自動車や歩行者とを明確に分けるようにしているが、住宅街のため道路幅が狭い地域の多い世田谷区にとって、ブルーゾーンの設置は難しい課題だという。
緑が多く、憧れの住宅地である世田谷区では、放置自転車の再利用によるコミュニティサイクルで、地域交通の利便性を高め、環境に優しく、楽しい街づくりが進んでいる。(2009年4月28日 読売新聞)
形はいろいろですが、各地で自転車活用への動きは出始めています。
CO2削減へ自転車配置 飯田市が今夏から公共施設に
飯田市は130台の電動自転車などを購入して市役所や中心市街地の公民館などに置くほか、宿泊施設や企業に貸し出す事業を始めると発表した。自転車の利用を促進し、二酸化炭素(CO2)排出削減を狙う。今年夏から秋にかけて、順次配置していく。
同市は国の環境モデル都市に選ばれていて、自転車の購入は環境省から1910万円の補助を受ける。電動自転車100台のほか、マウンテンバイクなども30台購入する。公共施設はいわゆる「丘の上」など旧市の5つの公民館などに置き、市民が自由に利用できる。宿泊施設ではまちなか観光、企業へは通勤用に貸し出す。(後略)(中日新聞 2009年4月22日)
ところで、お隣の韓国でも「自転車優先政策」の議論が起こりつつあります。
【取材日記】オランダの「自転車優先政策」を学ぼう
先月、自転車関連取材のためにオランダのアムステルダムに出張に行ったときだ。車でホテルへ行こうとしたが、ナビゲーションが周辺をぐるぐると回るだけで到着できなかった。
ある所から進入しようとしても「遮断された道です」というメッセージが出た。30分迷って仕方なくホテルから1キロ以上離れた所に車を止めてホテルに入った。ホテルの職員に 「駐車場にはどうやって行くのか」と問うと、彼はにこっと笑って「アムステルダムに駐車場があるホテルは珍しい」と答えた。「市内には車の進入が難しいから」と言うのだ。なるほど聞けば純然と自転車に乗る人のためだというのだった。
「すべての都市行政の優先基準は自転車」という市関係者の説明からわかるように、アムステルダムは自転車のための社会だった。まず市内には自動車進入禁止区域が多かった。駐車場料金も1日におよそ10万ウォン(約7155円)。だから市内に車で乗り込もうなどとは思わない。アムステルダムの最大の収入源のうちの一つは駐車料金なのに、大部分自転車関連予算に使われている。
自転車に乗る人たちへの配慮も格別だ。都心と住宅街、どこにでも自転車専用道路がある。信号も自転車のための別の信号機がある。横断歩道には自動車停止線の前方に自転車停止線が設置されている。自転車に乗る人の安全とともに自動車の排ガスを避けることができるようにした配慮だった。
自動車運転手が自転車通行がよく見えるように信号の上には丸い鏡が付いている。自動車と自転車が事故を起こせば大部分自動車の運転手に責任が課される。
市の関係者に「自動車に乗る人は大部分、自転車にも乗るので不満を口にしない」と話す。このおかげでアムステルダム都心の交通別分担率のうち、自転車が60%を超える。韓国でも自転車に対する関心が大きく増えている。利用者も多くなった。この際、アムステルダムのような画期的な自転車優待政策を実施すれば“自転車天国・韓国”はいくらでも可能なのではないだろうか。(中央日報 2009.04.28)
私も行ったことがありますが、アムステルダムの徹底ぶりは確かに参考になります。伝統的な理由もあって、自転車の利用が日本よりはるかに進んでいなかった韓国でも、このような議論が出始めています。自転車への注目は、日本だけの傾向ではないのです。
【社説】自転車時代の開幕を知らせた「ハイソウル自転車大行進」
先週末、ソウル都心を6000台の自転車が走った。ソウル市と中央日報が共同主催した「ハイソウル自転車大行進」がオリンピック公園−ソウル広場区間で行われたのだ。子どもから90歳近い高齢者までが道路に出てペダルを踏んだ。家族や友人、職場の同僚、同好会のメンバーが並んで走り、自転車に乗る楽しさを満喫した。ソウル都心で初めて開催された自転車行進だった。同日、京畿道(キョンギド)の水原(スウォン)や仁川(インチョン)、済州(チェジュ)でも自転車行進が開かれた。全国各地で自転車同好会メンバー3万人が参加し、来月3日まで行われる「第1回大韓民国自転車祝典」の開幕となった。
和合と祭りの今回の自転車祝典は、自転車の利用を広める起爆剤になると期待されている。この行事をきっかけに全国で自転車ブームが起き、政府と地方自治体が自転車政策を重視すると考えられるからだ。自転車大行進に参加した呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は自転車の効用を「1石6鳥」という言葉で表した。自転車に乗れば健康によいうえ、交通渋滞の解消、駐車難の解消、エネルギー節約、二酸化炭素排出の減少、大気汚染の改善に効果があるということだ。その通りだ。
問題は、自転車の利用が広まれば、自転車がレジャー手段から抜け出し、主要交通手段に変わらなければならないという点だ。そのためには国内の自転車インフラを十分に整えなければならない。政府・地方自治体が自転車を安全かつ便利に利用できる環境をつくる政策的な努力を急がなければならない。李明博(イ・ミョンバク)大統領も先日、「自転車はグリーン(緑色)成長のパートナー」とし、自転車時代の開幕を急ぐべきだと強調した。自転車出退勤可能地域を拡大するため、まずは自転車専用道路を拡充する努力を傾ける必要がある。ソウルの場合、2012年までに車線を減らす‘道路ダイエット’を通して自転車専用道路207キロを造成し、ソウルの交通地図を刷新するという方針だ。
盗難や雪・雨から守る自転車専用駐車場も地下鉄駅など都市の各地に設置しなければならない。毎年240億ウォンを投じて自転車専用道路と駐車場を拡充するコペンハーゲンをうらやましそうに眺めている場合ではない。自動車と自転車が共存する交通文化も定着させなければならない。そうすれば自転車に通行優先権を与えたり、交差点に自転車専用の信号待ちスペースを確保する案を推進する必要がある。自転車の通行を助ける法と制度的な補完がなければ、自転車の利用は活性化しないだろう。(中央日報 2009.04.27)
日本は雨が多いので、雨に濡れての移動を強いるのであれば、現実的な交通手段とは言えない部分が出てきます。しかし、電動アシスト自転車ならば屋根付きの自転車にも出来るので、雨が降っても自転車で移動できます。バッテリーなどの技術の進歩が自転車の活用を後押ししている部分もあります。
低炭素社会モデル都市に四日市市 未来型自転車研究も
低炭素社会に向け、地域住民や企業、自治体が一体となって取り組むモデル事業都市に、四日市市が選ばれた。自転車を活用した街づくりや燃料電池を使った未来型自転車の研究などが計画されている。経済産業省が地球温暖化対策に向けた地域の取り組みを支援する事業で、四日市市の事業費は1億4000万円。期間は来年3月まで。
未来型自転車の研究は、四日市市に事業所がある三菱化学が社内アイデアコンテストで開発した電動アシスト自転車を改良するかたちで進められる。この自転車は燃料にリチウムイオン電池、充電用の発電には太陽電池を使用。二酸化炭素(CO2)を全く出さずに走らせることができ、今後は電池の性能向上やコストダウンの研究を進める。イベントで市民が試乗できる機会も設ける。このほか、「低炭素社会とはどういうものか」を実感してもらうイベントやシンポジウムなどの開催も計画。近く地域住民や企業が参加する検討会を設置し、具体的な取り組みを決めるという。(中日新聞 2009年4月26日)
スポーツバイクなら坂道もずっとラクに登れるのですが、ママチャリしか乗ったことのない人にはイメージ出来ない部分かも知れません。しかし、電動アシストならラクそうだと思える人は多いでしょう。事実その人気は高まっています。電動アシストの普及は、坂道を克服する効果もあります。
鹿児島市:電動アシスト自転車、購入補助が好評 車からの転換促進
◇環境対策、運転免許保有者対象−−今月導入
鹿児島市は、車から自転車への利用転換促進を図ろうと、電動アシスト自転車を購入した運転免許を保有する市民に、購入金額の3分の1(上限3万円)の補助を4月から始めた。市民の反響は大きく、年間200人の見込みに対し、すでに92人(22日現在)が申請している。
補助対象となるのは、4月1日以降に市内の店で電動アシスト自転車を購入した市民で、大型・中型・普通いずれかの自動車免許を持っていることが条件。1人1台限り。補助を受けた市民には、使用した電力や水道量など、エコライフへの取り組み状況のレポート提出を依頼する。
市環境政策課によると、「環境対策としての電動アシスト自転車の購入補助は、全国でも珍しい」取り組みという。市内での電動アシスト自転車販売台数は、これまで年間約140台。これを踏まえ、市は09年度を「200台」と見込み、当初予算に600万円を計上した。
補助制度を販売店も歓迎する。電動アシスト自転車を店頭で約20台扱う、同市平之町の「自転車のトミハラ」の店員、冨ケ原多聞さん(37)は「4月はすでに、3月の5〜6倍売れている。元々自転車が売れる時期だけど、このペースだと10倍近く売れるかも」と話す。売れ筋は8〜12万円。通勤用に買い求める人が目立つという。
申請者の半数以上が、紫原や武岡など高台の居住者で、「電動」であることが魅力らしい。中園豊明課長は「高台が多い鹿児島市では、いくら『車から自転車に』と言っても効果が薄かった。この制度には1日に何十件と問い合わせがあり、反響の大きさに驚いている」と話した。(毎日新聞 2009年4月24日)
こうした動きは、昨今の自転車ブームで、自転車本来のポテンシャルに気付く人が増えたことも背景にありそうです。最寄りの駅やスーパーまでのアシではなく、また、自宅から直接勤務先まで行く自転車通勤の認知度も上がり、マスコミに取り上げられたりするのも大きな要因かも知れません。

自転車が現実的な交通手段として活用出来ること、また是非活用すべきとのコンセンサスが形成されつつあると言えそうです。自転車は原則車道通行であることも、徐々に認識されつつあります。エコ通勤ポイントのようなインセンティブに加え、自転車通勤の為の環境整備にも取り組むべきです。
徒歩や自転車で暮らせるコンパクトシティーというコンセプトも、もっと論じられていいでしょう。今まで当たり前のように考えられていた都市の形も疑う必要があります。大都市でも、そこを通過するクルマは迂回させ、代替できるものは代替し、もっとクルマの流入を制限してもいいのではないでしょうか。
クルマにより、ドアツードアで移動できるのは便利ですが、渋滞でその利便性は減っています。そもそも人間が端に追いやられ、交通事故に遭い、公害の被害を受けているのは本末転倒です。渋滞する都市の中心部へのクルマの乗り入れは制限し、公共交通や自転車などに乗り換えるという考え方があってもいいでしょう。
そろそろアメリカ型のクルマ社会、クルマ優先の都市構造や道路の使い方を見直してみてもいいかも知れません。渋滞や事故、公害防止や温暖化化ガス削減のためにもクルマを置き換えていき、都市へのクルマ流入を減らして、人間が安心して歩いたり、自転車に乗れる街にしてもいいのではないでしょうか。
徐々に広がる、こうした自転車活用へのムーブメントは、もはや時代のトレンドとなりつつあると言っても過言ではないでしょう。ただ、実際に自転車が有効に活用され、機能する社会の実現までには、まだまだ紆余曲折が予想されます。今後、自転車をもっと活用すべきとの考え方が定着するかどうかがポイントと言えそうです。
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