この自転車ブームで、夫婦や恋人同士などで自転車店を訪れ、揃って購入する人も目立つと言います。折りたたみ自転車などを電車に持ち込み、知らない土地をサイクリングする「輪行」を旅行感覚で二人で始める人もあり、若いカップルから中高年の夫婦まで、二人共通の趣味として自転車を楽しむ人も増えているようです。
つい先日も、電車内で輪行袋を抱えたカップルを見かけました。最近始めた人でも、スポーツバイクは折りたたみでなくても簡単にタイヤが外せて分解できることや、袋に入れて電車にも持ち込めることを知り、また、自宅近くでのサイクリングに飽き足らなくなって輪行する人も増えているんじゃないかと思います。
一人もいいですが、誰かと一緒にツーリングするのも楽しいものです。ただ、男女の場合どうしても脚力に差があって、ペースを合わせる必要が出てきます。気がついたら引き離してしまっていたり、女性のほうも、ついて行こうと頑張りすぎると辛くなったりします。
もちろん並走するわけにもいかないので、会話が弾むわけでもなく、結局あまり楽しくなくなってしまい、一緒に乗らなくなってしまったという人の話も聞いたことがあります。相手のペースに気を使わなくてすめばいいのに、なんて思っているカップルもあるかも知れません。
そんな時、タンデム(二人乗り)の自転車があれば便利です。離れてしまうこともありませんし、肩越しになら会話も出来ます。しかし、日本では法令により、長野県など一部を除いてタンデムの自転車で公道を走行することは認められていません。タンデムの自転車を持っている人も、そうはいないでしょう。
一部の観光地などには、タンデムの貸し自転車もありますが、走行できるところが限られています。しかし、実は上の
写真の記事にもあるように、タンデムでも3輪なら禁止でない県も多いので、見た目は2輪ですが、後ろのタイヤをダブルにした3輪のタンデム自転車も存在します(右や下は2輪のタンデム自転車)。
この3輪のタンデム自転車なら公道を走れる県も増えるので、日本でのタンデム走行も現実味を増しますが、いずれにせよ、特殊な自転車ですから、いつも使うわけではないですし、保管場所などを考えると、なかなか購入に踏み切れない場合が多いかも知れません。
中には、自分で作ってしまおうと考える人もいます。特に海外では自転車を自作して楽しむ人が少なくありません。ただ、タンデム自転車のフレームを作るには溶接の技術も必要だし、ちょっと素人には敷居が高いかなという気もします。ところが、“Nkevin90”さんの考えたタンデムは違います。
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brilliantly simple tandem bike”と名付けられたこのタンデムバイク、その名の通り、実にシンプルです。普通の2台の自転車を使って作ります。1台の前輪を外し、そのフロントフォークを、もう1台の後輪のハブの部分に連結してしまうおうというアイディアです。
なるほど、言われてみれば簡単なことですが、なかなか思いつかない改造です。ちょっと盲点だった感じです。工具も電動ドリル以外は特別な工具を使いませんし、材料は2台の普通の自転車です。乗らなくなった自転車が転がっている、なんて人なら手軽に挑戦出来ます。
チェーンも連結していますし、ヘッドチューブの部分にボルトを通して、後ろのハンドルが動かないよう固定しています。しかし、後輪はスプロケットがついているぶん幅が違います。クイックリリースも2台分収めるようには出来ていませんから、見た目よりは加工が難しそうです。
もちろん改造するのも、それに乗るのも自己責任です。実際には、フレームが後輪のハブ部分でしか連結されていないので、強度的にどうなのかなどの疑問がないでもないですが、アイディアとしてはユニークですし、乗らなくなった自転車で簡単に作れるというのも魅力です。
発想としては実に面白いと思います。どうせならタンデムに固定してしまわず、いつもは一人乗りで、いざという時、合体させてタンデムになる自転車なんて出来たら便利でしょう。2人別々に走行してもよし、気が向いたらタンデムに変形させて2人乗りしてもよし、なんていう自転車だったら、ちょっと楽しそうです。
別々に自走して待ち合わせ、タンデムで走り、帰りはまた別々に、なんてスタイルも可能になります。夫婦で2台ですみますから、余計に保管場所をとりませんし、輪行する場合でも1台ずつ輪行するのと変わりません。タンデム状態では3輪になるわけですから、日本の法律もクリアするのではないでしょうか。
外した1輪は邪魔になってしまうので、うまく携行する工夫が必要になりますが、1台2役、2台で3台分の使い方が出来ます。2人3脚ならぬ、2人3輪です(笑)。好きな時にタンデムに出来る自転車、結構人気が出そうな気がします。よし、開発してみようというメーカー、ありませんか。
西日本は豪雨で大変なことになっていますね。ついつい、川の様子などを見に行きたくなってしまいますが、それで流されてしまう人もあります。ご注意を。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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