August 09, 2009

女性が自転車を使わない理由

夏は海水浴に出かけたり、薄着になる機会も増えます。


そのため、夏に向けて、春先からダイエットに取り組むという女性も多いようです。先日、友人達とピアガーデンで一杯やっていた時も、そんな話になりました。比較的飲めるクチの友人の女性が、久しぶりにビールを飲んだと言うので、何か理由があるのか聞いてみると、ダイエットのためにビールを控えていたと言うのです。

甘いものや脂っこいものと同じで、ビールやお酒もカロリーが高いですから、ダイエットの大敵というわけです。カロリーだけでなく、ビールなどを飲むと、身体がむくむ気がするとも言っていました。まあ、日常的にダイエットに気を使う女性は多いですから、さして珍しいことではないのでしょう。

禁酒などしたことのない私にしてみれば、一部の女性のダイエットに対する熱心さ、意志の強さには敬服する部分があります。最近は、男性でもメタボなどと言われたり、お腹まわりを気にして運動に励む人も少なくないと思いますが、ダイエットのために禁酒するのは、言うは易しでも、行うは難しでしょう(笑)。

最近は、飲料などにもカロリーゼロという商品を良く見ます。ビール系飲料には糖質ゼロなどという製品も出ています。どれも売れているようですし、必ずしもダイエットしていなくても、カロリーや糖質などの摂取は極力減らしたいという人が多いのは間違いなさそうです。

THE ダイエット!ダイエットをしようという意志、そのために食事などの量を減らす努力には敬服しますが、なかなか簡単には体重が減らないのがツライところです。巷でも何々ダイエットと、入れ替わり立ち替わり新たな手法が話題を集めますが、必ずしも有効とは限らず、どれも決定版とはならないようです。

流行のダイエット法の中には、同じものを食べ続けたり、何かの成分だけ断つなど極端なものもあります。カロリーを減らすのは必要ですが、栄養まで偏ってしまい、筋肉が落ちてしまうことも往々にしてあります。すると、脂肪より筋肉のほうが重いので、体重が減ったように見えます。

しかし、筋肉が落ちて体重は減るものの、体脂肪は増えてしまっていたりします。いわゆる「かくれ肥満」と言われる状態になる女性も少なくないと言います。筋肉が減ると代謝も落ちるので、よりカロリーを消費しにくい身体になってしまい、ダイエットとしては失敗です。筋肉を落とさないためにも、食事制限だけでなく運動が必要です。

もちろん、ダイエットのためにジョギングをしたり、スポーツジムに通ってエアロビクスやマシントレーニングをするなど、さまざまな運動をしている人も多いと思います。当然、自転車もその一つとなりえるはずですが、なぜか男性に比べて女性でダイエットに自転車を取り入れている人は少ない気がします。

自転車に乗り始め、半年で体重が大きく減ったなんて話もよく聞きますので、ダイエットには非常に有効だと思うのですが、なぜかそういう話は男性ばかりです。女性の例はあまり聞きません。特に調査したわけではありませんが、そこにはいくつか理由があるような気がします。

家庭用エアロバイクスポーツジムでエアロバイクをこぐのは別として、街でスポーツバイクに乗っている人は、圧倒的に男性が多いのは間違いありません。女性がダイエットを目的にして、もっと自転車に乗っていてもいいような気がしますが、男性に比べると、あまり人気が高いとは言えないようです。

自転車でダイエットと言っても、休日に少し乗るくらいでは痩せません。やはり、それなりの頻度と時間が必要ですし、それを継続しないと効果は見えてこないでしょう。ある程度の距離を自転車通勤すれば効果テキメンですが、職場まで自転車通勤するような女性が、男性に比べ圧倒的に少ないのは間違いありません。

やはり、スカートなど服装の問題や、化粧や汗、着がえの問題など、女性が自転車通勤するには、いろいろと問題があるということなのでしょう。欧米には、自転車で通勤する女性が比較的よく見られる都市もありますが、まだまだ日本では認知度も低く、世間的に理解が得られていないのも理由だと思われます。

通勤でなく、帰宅後に自転車で走ってもいいと思いますが、夜間ですし、近くの道路は交通量が多くて危険とか、なかなかトレーニングに向いた場所がないと感じている人も多いようです。夜間ジョギングする女性も増えていますが、ジョギングに比べて自転車は場所を見つけにくいのかも知れません。

男性と比べて減量の効果が出にくいのは確かです。男性は内臓脂肪で太っている人が多く、これは有酸素運動を継続的に始めると、みるみる減っていく場合が少なくありません。女性の場合は、皮下脂肪が多いので、内臓脂肪と比べてはるかに落ちにくく、時間がかかります。それで、自転車の効果を実感しにくいのも一因でしょうか。

映画「THE ダイエット!」ふだんから、ママチャリを駅までの通勤など使っているため、かえって、ダイエットに効果のある運動とは思えない、カッタルイとか、つまらないと思っている人も多いのかも知れません。単純に女性向けに身体にあうスポーツバイクが少ないとか、自転車好きの女性が男性と比べて少ないということもありそうです。

そして何より、自転車は足が太くなると誤解している人が相変わらず多いのも大きな理由だと思われます。どうしても競輪選手などの太い太ももをイメージしてしまうので、敬遠する人は少なくないはずです。私も何度か書いていますが、これは全くの誤解です。

競輪選手のトレーニングは、筋肉が無酸素状態になるような過酷なものです。それであんなに太ももが発達するわけで、普通の人には、やろうと思っても出来るものではありません。したがって、我々が普通に乗るぶんには、贅肉がとれ、締まって細くなりこそすれ、脚が太くなることはないのです。

競輪選手より、むしろロードレースの選手に近い運動になりますが、それにしても毎日何百キロも走るわけではありません。ちなみに、欧米のロードレースの女子選手の中にはファッションモデルを兼業とする人もいるほど、スリムで締まった脚をしています。日本ではロードレースの選手がメジャーでないことも影響しているようです。

街でママチャリに乗っている人を見ると、サドルも低いですし、坂も力任せに登っている人が多いようです。太ももの筋肉も張るでしょう。スポーツバイクの場合は、ギヤと回転数で登りますので、太ももに力を入れると言うより、足を回転させる感じです。ママチャリの場合と筋肉の使い方が違うのも誤解を招く要因のようです。

ダイエット自転車は、筋力トレーニングと言うより、優れた有酸素運動であることは論を待ちません。ジョギングと違ってヒザなどの関節や心臓に対する負担も少なく、長時間続けられるのもメリットです。始めればわかりますが、爽快で楽しく、継続するのが比較的容易なことも見逃せません。楽しみながら痩せられるというわけです。

また、大腰筋などのいわゆるインナーマッスルが鍛えられる運動という特徴もあります。骨盤が安定しますし、大臀筋や太ももの裏のハムストリングスが鍛えられ、たれ下がりがちなお尻の筋肉も引き締まります。つまり、女性にとって気になる下半身がスッキリする効果が大きいのです。

競輪選手のように「ムキムキ」にはなりませんが、ふくらはぎなどの筋肉も鍛えられます。足の筋肉は第2の心臓と言われ、血液を心臓へ戻すポンプの役割をしています。ここが鍛えられることで、血行が良くなり、冷え性なども改善しますし、リンパ液などの循環も助けるので、下半身のむくみもとれると言われています。

ダイエット効果に加え、下半身までスッキリするわけですから、女性にとって、まさに「やらない手はない」運動ではないでしょうか。もちろん、運動だけでなくカロリーのコントロールも必要ですし、効果も人によってそれぞれでしょうが、少なくとも、もっと多くの女性が興味をもってもいいのではないかと感じます。

自転車ダイエットは、必ずしも女性にとって取り入れやすいメニューとは言えないかも知れません。もちろん、食事をコントロールする様々なダイエットを否定するわけでもありません。ただ、今まであまり注目していなかった女性には、一度試してみる価値は十分あると思います。







ここのところ、メディアは酒井容疑者一色です。社会的なインパクトの大きな事件なんでしょうが、あまりに集中しすぎじゃないでしょうかね。

関連記事

スピニングでペダルをまわす
スポーツジムの中で行う自転車トレーニングのプログラムもある。

景色を楽しみながら運動する
景色が変わることで、飽きないで続けられるという面はあるだろう。

サイクリングに理想的な環境
雨天の場合など室内でも自転車トレーニングをすることは可能だ。

日本人を密かに太らせる原因
生活の中の意外な部分に肥満の原因が隠れている可能性もある。


このエントリーをはてなブックマークに追加

 


Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。



 






この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
おはようございます。
仰るとおり膝に負担も掛けずいい運動だと思うのですが
なかなか広がらないのが残念ですよね。

勤め先から半径1Km以上5Km以内でないと自転車通勤不可、
となっており泣く泣く自転車通勤を諦めているクチです。
因みに同僚の女性でママチャリではない自転車通勤の方、
かなり多いんです。
だからこそ余計に残念な距離規制です。

Posted by 大阪のオバチャン at August 11, 2009 06:00
クロスバイクで本格的な自転車通勤(片道10キロ)を始めて1年ちょっと(冬季は除く)になりますが、今日健康診断に行ったら「白く輝いていたレバー」からスッカリ脂肪が取れて脂肪肝が直ってました。
糖尿病扱いだった血糖値もギリギリ正常値にまで改善してました。

本人は、毎朝自転車通勤するのが楽しいから続けていただけなんですけど、思わぬ効果でちょっと嬉しかったです。
Posted by Mr.ポテトヘッド at August 12, 2009 15:46
大阪のオバチャンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですか。確かに、禁止されていて出来ないという女性もいらっしゃるでしょうね。
しかし、同僚が自転車通勤出来るのに、距離によって差別されてしまうというのも残念ですね。勤務先にも相当の理由があって出来た規制なのでしょうが、中には形骸化していたり、はっきりした理由もなく規則だけ残っていたりする場合もあると思います。
温暖化対策に取り組む企業の姿勢もアピール出来ることですし、注目を集めている今こそ、担当者の方には規則の見直しを行ってもらいたいものですね。
Posted by cycleroad at August 12, 2009 23:15
Mr.ポテトヘッドさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
それはそれは、おめでとうございます。よかったですね。
男性の場合、ダイエットが目的で始めたわけではないのに、結果としてダイエットになった、体重が減ったという人は少なくないようです。
余計なお世話ですが、思わぬ効果とは言え、せっかく改善したのですから、ぜひ継続して戻らないようにしたいものですね。
Posted by cycleroad at August 12, 2009 23:22
はじめまして。いつも拝見してます。
私は現在北海道に住んでおり、趣味で週末ににクロスバイクに乗っています。
さて、本題ですが、通勤はどうかわかりませんが、以前に比べれば女性サイクリストの人口は増えたと思います。
今年見かけた郊外を移動するツーリング集団の中に女性の姿を見ました。ブームの影響かもしれませんが、女性の方にも浸透してくれると自転車乗りとしてはうれしいですよね。
Posted by さすらいのクラ吹き at August 29, 2009 21:40
さすらいのクラ吹きさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
北海道でも増えてますか。地域によっても差があるのかも知れませんが、私も増えた感じはしています。ただ、男性と比べるとまだかなり少ないのは確かですね。
そうですね、女性の場合は日に焼けたくないだとか、いろんな事情があるとは思いますが、それにしても、まだ少なすぎのような気がします。つまり食わず嫌いの部分や誤解があるのでは、と感じます。もっと広がるといいですね。
Posted by cycleroad at August 30, 2009 11:25
私もフィットネス器具を使うようになってから、血糖値が正常になりました。
十分運動していると、甘い物も安心して食べれますね。食事制限でダイエットするのはとても辛いのですが、運動でストレスを発散しながらのダイエットなら、長続きしそうな気がします。
Posted by ルームランナー at September 01, 2009 16:58
ルームランナーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに食事制限はきついですね。ただ運動もつらいと長続きしない可能性がありますから、比較的楽に有酸素運動できるものが効果的だと思います。
うまく続けば、ダイエットにも健康増進にもなって言うことなしですね。
Posted by cycleroad at September 02, 2009 18:55
初めまして´∀`


あたしゎ自転車で今の体型をキープしてます♪

間食と夜のビールをやめたらちゃんと3食しっかり食べてぃても太ることゎありません。

通勤を利用してスカートゎやめて往復で1時間ですが、坂もあるのでなかなか体力使います。


ママチャリでゎなぃのですが、自転車を停めて信号待ちの時にギリギリ脚がつくくらぃサドルを上げてしっかり筋肉の縮みと伸ばしができるよぅにしてぃるせいか、帰りゎムクミが解消されてぃます♪


信号待ちの時ゎどこかの縁石に脚をのせるか自転車から1度降りればケガすることもありません。

確かに汗をかいて会社に出勤する抵抗ゎありましたが、そんなのゎ何とかなるものです´∀`


カロリー制限するより好きなものを適度に食べて運動を取り入れれば健康的なダイエットになるのでお勧めですょ☆ってダイエットをしてぃる女性に伝えたくてコメントさせていただきました。
Posted by もも at September 11, 2009 21:36
ももさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車を実際に体型のキープに使ってらっしゃいますか。ダイエットだけでなく、定期的な運動は健康増進にも大いに役立っていると思います。
サドルの高さは重要です。おっしゃるようなギリギリ脚がつくくらいの高さというのは、まさに教科書どおりの正しいポジションですね。総じて低い人が多いですから、ママチャリでも、サドルを上げるだけで、ずい分違ってくると思います。
信号待ちに時に、サドルからお尻を外して一度降りると言うのも、まさに正しい乗り方です。
自転車ダイエットが気になっている方など、少しでも多くの女性に参考していただけるといいなと思います。
実際の体験談には説得力があります。貴重なご意見ありがとうございます。
Posted by cycleroad at September 12, 2009 23:03
 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)