September 26, 2009

万一起きた時どうするべきか

先日、観光客がクマに襲われるという事件がおきました。


乗鞍スカイラインのバスターミナルで今月19日、ツキノワグマが観光客らを次々に襲い、9人が重軽傷を負ったという事件です。ニュースでご覧になった方も多いと思いますが、現場は土産物屋などもある大きなバスターミナルで、大勢の人がいる場所だったにも関わらず、クマに次々と観光客が襲われたという事実に驚きます。

「クマだ」店内パニック今回の件に限らず、時々クマに襲われるというニュースを耳にします。でも、都市部に住んでいる人の多くは、動物園か観光クマ牧場以外でクマと出会うなんて、思いもよらないのが実際のところだと思います。間に柵も何もない状態でクマと対峙するなんて、自分の身に起こることなど一生ないと考える人も多いかも知れません。

しかし、確率は高くないにせよ、行楽やレジャーなどで郊外へ出かける人なら誰でも、場所によってはクマと遭遇してしまうことは充分ありえます。都市部に住んでいる人であっても、少なくともその可能性くらいは自覚しておいたほうがよさそうです。

いや、自分は登山や山歩きをしないから大丈夫と考えるのは間違いです。山でなく平地で出会う可能性だってあります。山に木の実が不作の年には、餌を求めて人里に下りてくると言いますし、最近は農作物や栗や柿といった果実、人間の捨てたゴミの味を覚えて、場所によっては人里近くにクマが出没することも珍しくないようです。

クマは射殺そもそも最近は、クマ猟で追われた経験がないため、人間を怖いと思っていない新世代のクマが増えているという話も聞きます。山奥深くでなく、民家のすぐ近くとか、例えば尾瀬のような大勢のハイカーがいる場所でも、クマは人間を恐れずに襲ってきたという事例が過去にも起きています。

登山や山歩きをする人だけではありません。自転車に乗っていてクマに遭遇した人も少なくありません。それも、マウンテンバイクで林道を行くような人ばかりとは限らないのです。さすがに交通量の多い道路はないとしても、山深い峠道などなら、クマと舗装路で出くわしても不思議ではありません。そして、もし遭遇したら即、命の危険に晒されます。

北海道あたりなら、もっと身近でしょう。私の知り合いにも遭遇したことのある人がいで、本人の口から聞いたことがあります。北海道の郊外ですが、近くに人家もある比較的集落に近い場所です。舗装された道路を自転車で走っていて、カーブを抜けたら道路脇にクマがいたそうです。

クマに襲われ9人が重軽傷そんな、クマと遭う可能性のあるような地域には行かないから大丈夫と考える人もあるでしょう。しかし、関東で言えば、奥多摩や丹沢、秩父のような、比較的都市部に近い場所でも遭遇例が多数報告されています。東京都内、神奈川県内、埼玉県内でもクマに遭遇する可能性は充分あるわけです。

出かけた先で、クマ出没注意などと、実際に看板がかかっているのを見たことがある人も多いと思います。もし現実に出くわした時、死んだフリでもしようものなら、助かるものも助からない場合があります。少なくとも、知識だけは身に着けておいたほうがいいでしょうし、出来れば未然に防ぎたいものです。

クマは人間を襲う時に、後ろ足で立ち上がり、頭部や首を襲う習性があると言います。実際に死亡例、重症例は、頸動脈などに打撃を加えられた場合が多いそうです。その意味でも、無防備に死んだフリでもしようものなら、致命傷を受ける危険性があるわけです。

注意が分散され致命傷はなしまず、クマに遭わないのが一番ですので、鈴や笛など音が出るものを携行し、相手に気づかせて、向こうに逃げてもらうに越したことはありません。仮に出会っても、遠くで発見できれば、静かにその場を離れることが出来ます。なるべく見通しが良い場所を通り、突然出くわさないようにしたほうがいいのは間違いないでしょう。

実際に遭遇してしまったら、クマから視線を離さず、ゆっくりと後ずさりするのがいいとされています。間違っても背中を向けて、走って逃げたりしてはいけないわけです。場面にもよりますが、自転車なら逃げ切れるだろうと、向きを変えようものなら、あっという間に飛びかかられる可能性だってあります。

クマへの対処の仕方は、いろいろな説があります。クマが人を襲う理由も場面によっていろいろだと言いますし、クマの年齢や性別によっても行動が違ったり、時期によっても襲い方が変化したりするようです。クマの状態や遭遇した場所などのシチュエーションによっても変わってくるはずです。

逃げまどう登山客、突進するクマ私は専門家ではありませんし、幸い対峙した経験もないので、実際の対処方法については何とも言えません。下手なことを書くのもまずいですし、いろいろある中で、どれが正しいか判断する材料も持ち合わせていません。興味のある方は、ネットなり専門書なりで調べていただきたいと思います。

ただ、死んだフリはかえって危ないこと、後ずさりをして背を向けて逃げないことは、ほぼ共通しているような気がします。背を向けて逃げると、クマは反射的に追う習性があると言いますので、攻撃を誘発するようなものです。この点だけでも知っておいて損はないと思います。

向こうも警戒しているので、声をあげたり、手を挙げて大きく見せるといいとか、手持ちのものを捨てて注意をそらすといいという説もあります。もし突進してきた場合は、何らかの方法で反撃すると、怯んでクマも逃げ出す場合があるとも言います。クマよけスプレーなどがあれば、撃退の可能性も高まりそうです。

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このあたり、本当かどうかわかりませんし、出来れば、本当かどうか試す機会が訪れないことを祈ります。私もその場に至ったら、きっと頭が真っ白になってしまって、思い出せるかも自信がありません。最悪の場合は、頭と首の後ろと腹を保護して身体を丸めるといいと言いますが、そんな状態で冷静に判断できるとも思えません。

秋は陽気もいいですし、街なかや都市近郊ばかりでなく、たまには遠くへ出かけたくなります。この季節、郊外へのツーリング、峠道へのチャレンジ、MTBでトレイルなどの計画を立てている人も多いでしょう。自転車に乗るのにクマ対策をしろと言うつもりはありませんが、秋は春と並んでクマに遭遇しやい季節とも言われています。

クマに遭遇する可能性は高くないと思いますが、出くわす可能性があるかも知れないと思っているのと、全く考えていないのでは、結果に差が出てくるような気がします。特に人里離れた場所でなくても、クマの生息圏と自転車での行動圏とが接近、もしくは重なっている場所があることは、頭の隅にいれておいてもいいかも知れません。


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今日も、いい天気でしたね。この先も、休みの日と秋晴れが、うまく重なってくれるとありがたいのですが..。

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この記事へのコメント
こんにちは。

仰るとおり野生動物に遭遇するかもしれない、の意識を持つ事は重要だと思います。
「だろう」運転ではなく「かも知れない」運転をしなさい、
と教習所で言われるのと似ていますね。

私は実家が中国山地の山深い所なので、クマは身近な存在です。
怖さはそこそこ分かります。
メタボな体型からは想像できませんが走る速さはかなりのものです。
(と言っても遠くから見ただけですが)

この記事が被害を減らす力になるといいですね。
Posted by 大阪のオバチャン at September 28, 2009 18:45
大阪のオバチャンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
人間では逃げ切れない速さで突進するそうですね。私は生まれも東京なので身近だったことはないのですが、実は、北海道でヒグマとニアミスしたことがあります。
私は気付かなかったのですが、同行していた山のベテランが素早く回避してくれたので助かりました。距離も多少あったのと、向こうも回避したようです。
その同行者は、イザという時、戦うためにナタを用意しているようなツワモノで、地形やクマの生態にも詳しい人だったので心強かったのですが、さすがに背筋が寒くなりました。
イザと言う時、この記事を思い出すのは無理でしょうが(笑)、背中を見せて逃げたら危険など、頭の片隅にでも残って、役に立つことがあったら嬉しいですね。
Posted by cycleroad at September 29, 2009 23:19
北海道ではヒグマが身近におりますので、いつも注意を払っております。
本州の熊と違い、人の生活圏の近くにいるヒグマは体長2mくらい。山奥ですと3mクラスになります。

死んだふりは全く効果がなく、トンデモ話の類です。
襲われて生還した人に共通したのは「闘う」事だそうです。

クマ避けスプレーですが、専門家の間でも効果に関して諸説ありましたが、
一昨年、北海道で熊スプレーにより撃退した事例が報告されてから、装備する人が増えてる様です。

また、峠道を走っていて鹿に激突し、ロードバイクを廃車にして怪我をされた方も居ります。

大切なのは元々は動物の生活圏に人が入っていると言うことを意識すること。
それと動物の習性を理解して、山などで地元の人の話を聞く事が大事かと思います。

先日も山の中で、今年は木の実が少なく、こういう年はヒグマが低い土地に降りてくるという話を
地元の人に聞きました。
Posted by Lee at September 30, 2009 12:49
Leeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
北海道では身近でしょうね。月の輪熊より、ヒグマはかなり凶暴だと言いますし、怖い存在です。
私も死んだフリなんて、子供の絵本の世界の話だと思っていましたが、意外に信じている、と言うより本当のことを知らない人が多いことに驚きました。
そうみたいですね。襲いかかられたら、死に物狂いで闘って、初めて生還の可能性が出るという話はよく聞きます。
そうですか。間違って自分に噴射してしまうと、相当ひどい状態になるという話も聞きます。北米のグリズリー相手に開発されたようですから、効き目はあるのでしょうね。
他のことにしても、何でもそうですが、自然をなめたら危険ということでしょうね。
今年は危なそうですか。被害がないといいのですが..。
Posted by cycleroad at October 01, 2009 21:39
 
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