先日も、ある大きな公園を通りかかったら、バーベキューの出来る広場があって、大勢の家族連れやグループがBBQを楽しんでいました。もちろんビールやお酒などが入って、かなり盛り上がっている人たちもいます。近場のお手軽レジャーですが、家族や仲間と過ごす楽しいひと時です。
バーベキューとくれば、やはりビールという人は多いに違いありません。他にも、例えば子供の運動会へ行って、昼間からお酒を飲んで真っ赤になっているお父さんもあるでしょう。地域によっては、秋祭りや芋煮会といったイベントもあって、この時期、青空のもとで一杯なんていう機会は結構多いのかも知れません。
考えてみますと、日本では野外で飲酒をする機会が少なくありません。お花見や花火大会、お月見なんていうのもあります。夏祭りでもお酒が入るでしょうし、海水浴に行って浜辺で飲んだり、キャンプとか釣りなどアウトドアレジャーでも飲み、中にはスキー場などで雪見酒なんて人もいると思います。

古くから日本では、各地で自然に親しむ風流な習わしがいろいろあります。屋形船とか納涼船、京都の納涼床や川床、「やな」とか鵜飼とか簀立てで遊びながら飲んだりもします。野外ということで言えば、現代でもふだんからビヤガーデンで飲んだり、屋台の焼き鳥屋とかおでん屋で飲む人も多いのではないでしょうか。
もっと言えば、喉が渇いて、昼間からコンビニで酒類を買って店の前の道端で飲む人だっているでしょう。花見の季節ともなれば、日本中の人が野外で飲みますが、日本では酒によって暴れたり、何か問題を起こさない限り、誰も文句は言いません。酒の席での失態は大目に見られますし、良し悪しは別として日本は飲酒に寛大です。
これがアメリカあたりだと全く違います。公共の場所では飲酒が禁じられている場合が少なくありません。ビーチなどは当たり前、例えばニューヨークの街中の道端とか公園で静かに一人で飲んでいても、警察に検挙されることが珍しくないのです。(州によって法律が違うので、例えばラスベガスなどネバダ州では平気だったりします。)
実際にはニューヨークにも飲んべえはいるのですが、公共の場所での飲酒は禁止です。そこで酒類の缶や瓶を隠すため、茶色い紙袋に入れ、外から見えないようにして飲んでいたりします。日本人なら、旅先での解放感で、天気が良ければ公園で飲みたくなる人もいると思いますが、旅行者でも容赦なく捕まりますので注意が必要です。
店舗の敷地内に設けられたオープンエアの席は別ですが、ニューヨークには、日本のように屋台で路上で飲ませるようなところはないと思います。公道も当然パブリックスペースですから飲酒禁止なのです。電車内もダメです。公園でバーベキューが出来る場所もありますが、飲酒は禁止なのでお酒は飲めません。

そういうお国柄ということを踏まえて見てみると、この自転車がアメリカ人にとって、いかに斬新か、少しは理解できるでしょう。
走るビールカウンターとでも言うべき自転車です。生ビールの樽と冷却装置を搭載し、カウンターの上にはビールサーバーがついていて、そのままビールを注ぐことが出来ます。
後ろの荷台はピザを乗せるため、また、良く見るとスピーカーまで付いています。つまり、ビアパブ兼ピザハウス、そして屋外ダンスホールまで、オールインワンの自転車というわけです。オレゴンはポートランドで、イベント用に製作されたこの自転車、屋外でもイベント会場内で飲む分には問題ないようです。
日本人が見てもユニークですが、日本には自転車で引っ張るようなリヤカーの屋台がいろいろあります。移動式のバーというだけで珍しいアメリカ人とは、ちょっと印象が違うかも知れません。イベントがカーフリー、つまりクルマお断りということで、飲食サービスも自転車で、ということになったようです。

アメリカでは未成年の飲酒にも厳しく、スーパーでビールを買うにも身分証明書の提示が必要です。日本でも、もちろん未成年の飲酒は禁止ですが、実際には、かなり緩やかと言わざるを得ません。このようにアメリカは飲酒に関して非常に厳格な国のように思えますが、実は驚くことに、飲酒運転については、日本より緩いのです。
日本とは計測方法や基準の単位が違うので、単純には比較できませんが、おそらく日本より3倍近く酒気帯び運転の基準が緩いはずです。もちろんアメリカでも飲酒運転は禁止されていますが、たとえ飲みながら運転していても、検査をして基準値以内である限り、咎められない州まであると言います。
日本のように鉄道網が発達していないので、クルマじゃなければ行けない飲食店が多いのは間違いありません。やはり、クルマ社会という背景があるのでしょう。しかし、一方でアルコール中毒患者の増加が大きな社会問題となっている国ですし、公共の場所や未成年の飲酒に厳しいこととは、いかにもアンバランスに見えます。

この謎を解くカギは、人種にあるのかも知れません。アフリカで誕生した人類は、数十万年前、アフリカに残った黒人と、欧州に移動して白人となった人類、アジアへ移動して黄色人種となった人類に分かれていったのは、よく知られています。このうち、アジアへ移動したグループに突然変異が起こり、お酒に弱い遺伝子を持つ人間が生まれたと言うのです。
日本人なら、お酒の強い人と、飲めない体質の人がいるのは、周りを見回しても明らかでしょう。ごく当たり前のように思えます。これは遺伝で決まると言われていますが、実は、お酒に弱い遺伝子を持つ人がいるのは、黄色人種だけと言われているのです。
白人と黒人は、お酒に強い遺伝子を持つ人の割合が、ほぼ100%なのです。これが日本人の場合は、56%ぐらいになってしまいます。つまり2人に1人はお酒が弱いことになります。中国人は6割ほど、韓国人でも7割ほどしかお酒に強い遺伝子を持っていないのだそうです。

白人や黒人は、ほぼ100%の人が酒に強いとは日本人にとって驚きの事実ではないでしょうか。道理でフランス人やイタリア人は、昼間から水の代わりにワインをたくさん飲んでも平気なわけです。水より安いといった事情もありますが、お酒に強いので、仕事などにも影響が出にくいのでしょう。
もちろんアメリカにもアジア系の人がいますし、人種的に決めつけるわけではありません。しかし、その割合から言って、日本より断然お酒に強い人が多いことになります。飲酒運転の基準が緩い背景には、このあたりの事情も関係していそうです。
ちなみに、日本では地域によって、お酒に強い遺伝子を持つ人が多い地域と少ない地域に分けられるそうです。大雑把に言うと、北海道や東北、四国、九州、沖縄で強い人が多く、中部、近畿、北陸、山陽あたりが少ないと言われています。そう言われると、なんとなくイメージと合致する気がします。
また、日本人のルーツに2系統あって、渡来した時期によって、縄文人と弥生人があると言われますが、その分布とも重なる傾向があるように見えます。縄文人に強い人が多く、弥生人には強い人が少ない傾向があるのかも知れません。
もちろん、例え酒に強い遺伝子を持つ人でも、ある程度飲めば判断力や運動能力が低下するのは間違いありません。飲酒運転は論外ですし、飲酒しての自転車も法律で禁止されています。自転車乗車中に交通事故に遭った人の中には、飲酒していた人の割合が小さくないようです。飲むと、事故の回避能力も当然落ちるわけです。
遺伝的には不利な人が多い日本人ですが、有難いことに自然の中で飲める国に住んでいます。天気が良い休みの日に、青空の下で昼間から飲むお酒は、また格別だったりします(笑)。楽しいひと時を今後も味わうためにも、飲む時はクルマや自転車では絶対に出かけないようにしなければなりません。




鳩山首相が両横綱の訪問を受け、モンゴルへ招請されて、モンゴルで飲みたいと語ったそうです。モンゴルの大平原で飲む酒は、また違うでしょうね(笑)。
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cycieroadさん始めまして。日本は未成年の酒類購入に関して甘いとありましたが、私は某コンビニでバイトしてましたが(派遣で)一昨年に法改正があり未成年に種類を販売すると罰金刑になります。大体50万円ぐらい科せられるので。そのコンビにチェーンでは年齢確認を徹底してましたよ、実際に数人の方が罰金を払う羽目になっていたようです。