October 23, 2009

音楽を聴くスタイルと場所と

ジャンルは別として、音楽を聴くのが好きという人は多いと思います。


ただ、その聴き方と言うと、昔と今ではかなり違ってきています。何十年も前、「音楽鑑賞」と言えば、演奏会などで生で聴くのを別とすれば、部屋でくつろぎながら、いわゆるステレオなどで聴くものでした。もちろんメディアはLPのレコード盤、音楽もアナログの時代です。

ソニー CDラジオカセットコーダー ホワイト CFD-S350 Wやがて「ラジカセ」などの機器が普及するようになり、音楽は一人ひとりの部屋でも聴けるようになります。録音再生のためのメディアとしてカセットテープが登場し、個人でも手軽に録音が出来るようになったのは画期的な進歩だったと言えるでしょう。

大きくて重いラジカセでしたが、一応持ち手がついており乾電池でも動くので、かついで持ち出せば野外でも再生することが出来ました。クルマにもカーステレオが普及し、ラジオ以外にも音楽が気軽に聴けるようになり、音楽は部屋で聴くものとは限らなくなったわけです。

SONY CFウォークマン (ブルー) WM-FX202 LCその後、携帯型音楽プレーヤーの元祖、ウォークマンが発売されて爆発的なヒットとなると、その傾向は加速します。このあたりから、音楽を外に持ち出して聴く人が増えました。メディアも最初はカセットテープでしたが、CDやMDなどに変わり、コンパクトで持ち歩きやすくなっていきます。

そしてご存じ“iPod”が登場し、音楽はデジタルデータとして扱われるようになります。ネットからダウンロードするスタイルが普及し、記録メディアはハードディスクやメモリーとなり、更にコンパクトになりました。近頃ブームのジョギング中にイヤフォンをしている人も多いですが、そのくらい軽く、小さくなっています。

Apple iPod nano 第5世代 16GB ブラック MC062J/A 最新モデル最近は、むしろ音楽を聴くのは移動時間など、他のことをやりながらという人も多いのではないでしょうか。もちろん家でも聴くでしょうが、移動している時など、耳が空いている時間に音楽を聴くことで、時間をうまく使いたいというのが、忙しい現代人のスタイルと言えるのかも知れません。

今や、「ラジカセ」なんていう言葉すら、あまり聞かなくなってしまいました。もちろん今でも作られていますし、家電屋さんの隅でも売られていますが、もはや携帯音楽プレーヤーが中心です。逆に家で聴く場合、iPodなどのプレーヤーを据え置き型のスピーカーなどにセットして聴くスタイルが増えているようです。

さて、下の写真の機器、その懐かしい「ラジカセ」かと思うようなスタイルです。固定電話の受話器かワイヤレスの子機に見えなくもありません。実はこれ、ヨーロッパのTommyca社の販売する“Bicycle Sound System”です。つまり、自転車用の音楽プレーヤーというわけです。


Bicycle Sound SystemBicycle Sound System


iPodなどの携帯音楽プレーヤーのほうが軽くて持ち運びには便利ですが、こちらはスピーカーで聴けます。もちろんカセットテープではなく、MP3形式などデジタルデータを再生するプレーヤーです。本体を外して家に持って帰り、充電したり音楽データを転送したり出来ますし、携帯プレーヤーや携帯電話を接続しても使えます。


Bicycle Sound SystemBicycle Sound System


今でも、iPodなどの携帯音楽プレーヤーを接続して使う自転車装着用のスピーカーはありますが、この自転車用音楽プレーヤー、ハンドルを持ったまま、指でスイッチが入れられるなど、いろいろ自転車用に使いやすく出来ているのが特徴です。ラジオも搭載されています。


Tommyca Portable bicycle multi-functional audio player

Tommyca Portable bicycle multi-functional audio player


そして、なんと裏側というか正面側にはLEDのヘッドライトもついていてます。これにサイクルコンピューターも搭載されていればハンドルに装着するのは一台で済むのですが、ちょっと残念です(笑)。いずれにせよ、このご時世になんともレトロな感じがする、ノスタルジックな商品だと感じるのは私だけではないでしょう。





携帯音楽プレーヤーにイヤホンというスタイル一辺倒の日本にすれば、ちょっと野暮ったい感じがするのは確かですが、北米やヨーロッパなどでは広く販売されているところを見ると、意外に欧米では支持されるスタイルなのかも知れません。自転車に乗る時は、音楽やラジオをイヤホンでなくスピーカーで楽しみたいということでしょうか。

Bicycle Sound SystemBicycle Sound System

日本では、今どき電車の中や歩行中など、街中でもイヤホンをしている人は珍しくありません。音楽だけではなく、ラジオの野球中継を聞いている人や、英会話などの教材、ポッドキャストでニュースや落語などを聞いている人なんかもいます。そして、電車や歩行中ばかりか、自転車に乗りながら聴く人も増えています。

通勤や通学の時だけではなく、習慣になっているのか普通に街中でも見かけます。女の人は髪に隠れて気がつかなかったりしますが、注意して見ていると、かなり増えているのがわかります。しかし、音楽を聴くのも、自転車に乗りながら、それもイヤフォンやヘッドフォンでとなると問題です。

イヤホンをしていると、仮に無音状態であっても音が聞こえにくくなります。音楽が鳴っていればなおさらです。ちゃんと前方さえ見ていれば大丈夫な気がしますが、実は周囲の情報を、かなりの部分耳から得ているのです。目だけで360度見るわけにいかないので、音のした方に注意を向けたりしています。

宮城県の例ベルや警笛を聞くだけでなく、人の話し声や足音によって、物陰からの歩行者や自転車の接近を感知したりもします。無意識に周囲の音を聞いており、反射的に危険回避を行っているのです。この耳を防ぐことになる自転車に乗ってのイヤホンは、かなり危険なことと言わざるを得ません。実際に事故も起きています。

携帯電話や傘をさしながらの自転車乗車と同じように、イヤホンをしての乗車禁止も、昨年の交通の方法に関する教則の改正によって明記されました。これを受けて各都道府県ごとの道路交通規則によって既に禁止、あるいは今後禁止されていくことになります。

道路交通法ではなく、各都道府県ごとの道路交通規則による規制ですので、地域によって多少違う場合がありますが、だいたいどこも罰金5万円のようです。道路交通規則の違反とは言え、れっきとした罪になります。まだ、あまり厳しく取り締まられていないようですが、法令の改正に踏み切った以上、強化されていくことでしょう。

音楽を聴くのが禁止ではなく、イヤホンなどで周囲の音が聞こえない状態で自転車に乗るのが禁止です。つまり、周りの音が聞こえる状態なら問題ありません。その意味で、日本でも今後、こうした自転車搭載用の音楽プレーヤーが、案外普及していくことになるのかも知れません。


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もしかしたら、ラジカセなんて買ったことも使ったこともない、なんて人も多いんでしょうかね、最近は。

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