サイクルロード 〜自転車への道
世界の都市で自転車が選ばれ始めている。さまざまな角度から自転車の話題を。
January 21, 2010
目をそむけてはいけない部分
朝、ゴミを出してから出かけるという人も多いと思います。
曜日によって、今日は燃えるごみの日だとか、今日は不燃物の日などと確認し、出し忘れないよう気をつけていたりするのではないでしょうか。だいたい曜日で出すべきゴミの種類が分けられているのが普通だと思いますが、細かいゴミ出しのルールは、地域によっていろいろです。
分別の仕方や、分ける数も市町村によって大きく違います。同じゴミでも、地区によって違う分類になることも少なくありません。夜間収集や早朝収集する地域もあって、ゴミを出すべき時間なども、さまざまに決められていると思います。引っ越したりすると、今までとの違いに戸惑うことも多いはずです。
今どき、全国どこでも同じような商品が流通していますし、家庭から出るゴミなんて、そう大きな地域差はないように思いますが、ゴミ出しのルールについては不思議なほどバラバラです。自治体によって、焼却炉の能力や処分場不足、カラスなどによる被害、美観の問題などさまざまな事情を抱え、いろいろと意図があるのでしょう。
ゴミを出す場所、ゴミ集積場も地域によって千差万別だと思います。目印のプレートが取り付けられた電信柱の根元にごみ袋を置くだけのところもあれば、金網で出来た大型の鳥かごのような立派な設備が設置してあるところもあります。コンテナのような鉄製の大きな箱が設置してあり、そのコンテナごと収集する場所もあるようです。
分別用のペールが並べられていたり、家庭ごとにポリ容器に入れて出すところもあると思います。屋根つきの小屋になっていたり、カラス避けのネットをかぶせるスタイルになっている集積場もあります。ただ、集積場の形はいろいろですが、ゴミ自体はゴミ袋に入れて出す場合が多いのではないでしょうか。
そのゴミ袋、以前は黒い袋がほとんどの時期がありましたが、今では白っぽいものが多くなっています。スーパーやコンビニなどの、いわゆるレジ袋で出しているところもありますが、最近は、それぞれの自治体指定のごみ袋というところも多くなっています。何々市指定、可燃ごみ用などと書かれた、半透明のものが一般的のようです。
そんなゴミ袋がゴミ集積場に並ぶのは、毎朝見慣れた光景なわけですが、もしゴミ袋が写真のようなカラフルなものだったら、街の雰囲気も変わるに違いありません。最近、このようなカラフルなデザインのゴミ袋がいくつか発売され、
ゴミ置き場をアートにする試み
として注目されつつあります。
海
花
森
こうしたゴミ袋、ボランティアで行われる海岸のゴミ拾いなどに使われて好評を博しているそうです。袋を変えたところ、やる気が出る、ゴミ拾いが楽しくなったという参加者が増え、ゴミ拾いに参加する人数も増加傾向にあると言います。気分の問題のような気がしますが、その効果は侮れません。
個人で買って使う人もありますが、最近では自治体が指定ゴミ袋をカラフルなものにする例も増えているのだそうです。独自デザインのゴミ袋を製作するところもあります。これによりゴミ問題への市民の関心を高める狙いがあるわけですが、そのゴミ出しのマナー向上や、ゴミの排出量削減などの効果に自治体の注目が集まっています。
実際に、ゴミ袋のデザインを公募し、独自のキャラクターが分別を呼び掛けるものにしたところ、家庭ごみの年間排出量が2割以上減ったところもあると言います。厳密には、この効果によるものだけかは不明ですが、その効果は無視できないものがありそうです。
昔はプライバシーの問題からゴミ袋は真っ黒でしたが、それを半透明にしたことで、きちんと分別させる効果が上がったと言われています。カラフルになっても半透明でなくなると、分別がおろそかになるのではないかと懸念しますが、そんなこともないようです。
ゴミ集積所の見た目が明るくなるのは間違いないでしょう。見苦しいと思っていたゴミ置き場が、なんとなく和む気がするようになったとか、以前より袋がきれいに積まれるようになったなどと、住民にも好評のようです。見た目だけでなく、ゴミ出しが楽しくなったり、自然とマナーを向上させる効果もあるようです。
なるほど、面白いアイディアです。今までは見向きもされなかったゴミ集積場も、このカラフルさなら目をひきます。ゴミ問題や、ゴミ出しのマナーへの関心が高まると言うのも分かる気がします。自治体が、カラフルなデザインゴミ袋の効果に注目するのもうなずけます。
ゴミ袋の色を決めておけば、可燃物の日に不燃物を出すなどすれば目立ってしまい、出しにくくなるはずです。間違いや、ルールを無視するマナー違反も減るでしょう。ゴミ集積所を、見苦しいと思って目をそむけるのと、なんとなく和むと目が向くのとでは、結果として大いに違ってくることも多いと思います。
例えば、ゴミ袋がだらしなく置かれ、中身がこぼれて散乱していたりすると、通行人に空き缶などのゴミを投げ捨てられたりします。余計にゴミ置き場が汚くなることも少なくありません。分別が不十分なゴミ袋を捨てる人が出て、収集車に置いていかれてしまい、常にゴミが残っている状態になったりします。
よく、街の落書きを放置していると、その落書きがまた落書きを呼び、街が落書きであふれたりします。割れた窓をそのままにしておくと、更に割られたりします。こうした連鎖が有名な「破れ窓理論」です。ゴミも同じで、汚い状態を放置しておくと、それがまた汚く利用する人を誘発するというわけです。
その意味でも集積所を美しく保つのは重要です。ゴミのポイ捨ても、しづらくする効果が見込めます。人々がゴミ集積所から目をそむけなくなるだけでも意味があります。同様のコンセプトの運動は、他にも大小いろいろ存在しており、最近少しずつ注目されて、マスコミなどで取り上げられることも増えているようです。
駐輪場などもそうですが、整然と整頓されていると、後から来る利用者もきちんと停めます。駅前の放置自転車にしても、一台も放置されていなければ、なかなか放置しにくいのが人情でしょう。そして、街が雑然としているだけで非行や犯罪が増え、治安に影響することも、よく指摘される事実です。
放火を防ぐなど、生活の安全・安心の面からも街をきれいに整頓し、美しい状態に保っておくことは重要です。ただ、今どきの都会では、近所づきあいも少なく、住民同士のコミュニケーションが不足することも少なくありません。ゴミ捨てなどのマナーを守らない人が近所にいて、苦々しく思っている人も多いかも知れません。
しかし、例え近所づきあいは希薄でも、街の景観を美しく保てば、人間の心理から言っても、マナー違反は減るはずです。建物や街並みだけでなく、ゴミ袋も、落書も、放置自転車も街の景観の一部です。自分たちの街の美観を保つ大切さを、このゴミ袋が、あらためて気づかせてくれているような気がします。
偽装献金に土地問題と、注目の集まる国会論戦ですが、谷垣さん、今イチ迫力不足という声も多いようですね。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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この記事へのコメント
ウサギのゴミ袋はもはやゴミ袋に見えません!
さっき見かけた都営バスの車体に「自転車は左側を走りましょう 警視庁」と、でっかくペイントされてました
警察も本気出せばやるみたいです
Posted by 職人気取り at January 23, 2010 18:19
職人気取りさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
うまいデザインですよね。
そうですか、それは気がつきませんでした。私も、左側通行の徹底については、警察の対策が不十分だと感じていますが、少しずつ変わっているのかも知れませんね。
Posted by
cycleroad
at January 24, 2010 23:29
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