November 26, 2010

お洒落に服装も楽しんでみる

そろそろ冬が近づいて来ています。


自転車のウェア類は基本的にレイヤードなので、出かける時も、アウターやら中間着やら、また各種のウォーマーなど、寒さ対策のためにいろいろと必要になって来る季節です。身体が温まってしまえば邪魔になってしまうことも多いのが、悩ましい部分だったりもします。

私は、ママチャリを持っていないので、近所にちょっと用事で出かけるような場合でも、基本的にはスポーツバイクに乗ります。近くへ出かけるだけなのに、わざわざ自転車用のウェアに着がえるのも面倒なので、普段着のまま乗ることもあります。

夏なら、半袖シャツに短パンで乗っても、さほど違和感はないのですが、この時期になるとそういうわけにもいきません。普段着といっても、寒い時期だと、ある程度着こんで出かけることになるので、どうしても自転車に乗っている間は、違和感を感じることになります。

ジーンズなどではペダルを回しにくかったりしますし、あまり厚い上着などを来ていると、前傾姿勢がとりずらかったりします。いつもと違ってしっくり来ませんし、見た目にも、なんだか不格好に見える感じがしないでもありません。かと言って、あまりに薄着では、用事を済ませる間、寒くなります。

もう少し、アップライトな姿勢でも乗れるシティサイクルでもあればいいのかも知れませんが、これ以上台数を増やすわけにもいかず、あまり乗らないと思うので、買う気もしません。個人的には、なかなか普段着では自転車に乗りにくい季節です。

自転車通勤などのシーンは別として、休日に郊外を走っているような人は、だいたいサイクルジャージ系の服装の人が多いと思います。色柄はともかく、みな揃って着ています。やはり機能的ですし、動きやすく、速乾性や体温調整のしやすさなどを考えると、専用のウェアになる人が多いのだと思われます。

中には、あのピッタリとした感じが、見た目にどうかと苦言を呈する人もいます。体型的にもスマートな人ばかりとは限りません。しかし、それでも着る人が多いのは、機能的に優れていて使いやすいのが一番ですが、ほかに着る適当な服装が見当たらないということもあるのかも知れません。

Tweed Run, tweedrun.com

ところが、そんな感覚を覆すような異色のイベントがあります。“Tweed Run” (ツイードラン)、あるいは派生したツイードライドと呼ばれるイベントです。速さを競うレースでも、距離を乗るライドでもありません。なんと、ツイードのジャケットを着て自転車に乗り、皆でのんびり走ろうという趣向なのです。

英国伝統のツイードのジャケットに、ニッカボッカーをはき、ハンチング帽をかぶり、中にはレトロな年代物の自転車にまたがっている人もいます。古い白黒映画の中から抜け出てきたような印象すらあります。自転車に乗るのにジャケットなんてと思いきや、なぜかそれがキマっています。

Tweed Run, tweedrun.comTweed Run, tweedrun.com

ニッカボッカは、裾が邪魔にならないので、乗馬やゴルフなど、スポーツ用に用途が広がった時代もあったと言います。その意味では、自転車に乗りやすい服装と言えなくもありません。しかし、ツイードのジャケットは動きにくいですし、体温調整もしにくく、決して乗りやすい服装とは言えないでしょう。

伝統のあるライドイベントなのかと思えば、なんと昨年、2009年から始まったばかりです。伝統的な英国のファッションを愛好するというところからすると、年配の方が多いのかと思えば、そんなこともありません。女性を含め、若い人もクラシカルなファッションに身を包んで参加しています。

Tweed Run, tweedrun.comTweed Run, tweedrun.com

イギリスへ行っても、ふだん、こんな伝統のファッションで自転車に乗っている人がいるわけではありません。街を歩いている人なら、ハンチング帽は見ますが、キャスケットや鹿撃ち帽を見ることも少ないと思います。やはり、あえてクラシックな服装をするから盛り上がるのでしょう。

自転車好きの人々が集うSNSあたりが発端となったようです。英国の伝統にのっとった、フォーマルな感じのツイードを身にまとい、ロンドンを走り抜けるという異色でユニークなイベントです。スポンサー企業もつき、それぞれ個性的なファッションの参加者が、今年は400人も集まったと言います。

Tweed Run, tweedrun.comTweed Run, tweedrun.com

サイクルジャージを着て乗るスポーツバイクと対比すると、ツイードのジャケットを着て、皆でのんびり走るツイードライドは、ある意味対極に位置するようなイベントと言えるかも知れません。ややもすると、偏りがちな自転車の乗り方の中で、自転車の魅力を広げ、認識を広げさせてくれるものでもあります。

ご当地イギリスで始まったこのイベント、アメリカなどの都市へも飛び火しており、今後広がっていく可能性もあります。日本でも一部で話題になっています。ただ、各地へ広がっても、やはりツイードです。アメリカなら、例えばレトロなウェスタン調のカウボーイスタイルなのかと思えば、そうではありません。

Tweed Run, tweedrun.comTweed Run, tweedrun.com

仮に日本であっても、和服や昭和初期のファッションで乗ろうということにはなりません。モンペや袴で乗ろうと言っても、おそらく参加者は集まらないでしょう(笑)。やはり、ツイードのジャケットなど、英国調のクラシックなファッションだからこそ、格好よさを感じる人が多いのだと思います。

最近、日本では自転車ブームもあり、自転車ガールやレギンス男子など、今までとは違った新しいファッションで自転車に乗る人も増えています。しかし、ツイードランのフォーマルな感じの服装で乗るのは、またそれとも少し違う意味合いがあるように思えます。





日本でも、スーツを着てママチャリに乗っている人は見ますが、そのスタイルに格好よさを感じる人は、あまりいないと思います。なぜ英国調だと格好よく見えてくるのか不思議ですが、そう感じる人が多いのは、このツイードランの盛り上がりを見ても明らかでしょう。

日本では、ママチャリという便利な自転車があって、スーツでも何でも乗ろうと思えば乗れるわけですが、スポーツバイクの場合は、どうしても服装が限られてしまう感じがする人も多いのではないでしょうか。そして、どうしても、速度や距離や勾配などに関心が向くスタイルになってしまいがちです。

Tweed Run, tweedrun.comTweed Run, tweedrun.com

ツイードランのようにお洒落をして、楽しく自転車に乗って出かけるというスタイル、単なるポタリングともまた違って、新鮮な感じがする人も多いのではないでしょうか。もちろんスポーツとしての自転車もいいですが、ツイードランのように、もっと自由に、オシャレを楽しみながら乗ってみてもいいのかも知れません。


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哨戒艦撃沈に、ウラン濃縮に、砲撃と、たかをくくっているのか、やりたい放題ですね。米韓合同演習に向けて、不穏な感じです。何もないといいのですが..。

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この記事へのコメント
cycleroadさん おはようございます。

いつも楽しませて頂いています。
Tweed Run お洒落ですね。

何年か前に、内房(房総半島)の辺りで、シングルギアにドロップハンドル、
ジャケットにジーンズ、帽子は被ってたかな? 勿論クロモリ。
脚の長い、見るからに日本人とはかけ離れた体型の方を見かけました。
結構年輩の方なんですよ、それが。

かっこいいなーと思いましたが、(季節は冬だったともうのですが)
寒くてどうにもならないのでは? と思いました。

ほんとに、かっこいーんですよ。
私のような典型的な日本人体型では絶対に無理!

それ以前に、cycleroadさんが仰るように、体温調節、動きがスムーズ、
安全に走れる服装がいーのではないでしょうか。
でも憧れでもありますね、ロードバイクにツィードジャケット。
Posted by fischer at November 27, 2010 09:17
オーダーメイド・ス−ツは、チョットやりすぎの感じですが、ニッカーボッカーは大好きです。
昔は、山登りと言えば、これだったのですが、今は流行っていません。
膝が曲げやすくて、サイクリングにも最適だと思うのですが、浮いてしまうのが、おじさんには心配!
もっと流行ってくれれば、僕もニッカーで走りたいです。
(但し、革靴は傷だらけになって、もったいないのでは・・・。)
Posted by ヨッシー at November 27, 2010 09:36
cycleroadさん こんにちは。
自転車乗りのブログはいっぱいありますが、cycleroadさんのように自転車を広い視野で見ている人は少ないですね。
クロスバイクママチャリ仕様で乗っている僕にとっては、参考になる記事や興味のある記事がいっぱいあります。
僕もクロスバイクは普段の買い物に使っているので、なかなか服装には苦労しています。
以前ご紹介したと思いますが、サイクリングファッションの研究です。
(*^ω^*)ポリポリ

http://tonsan.boo.jp/tonsan/cycle/cycle2/dress/dress.html

動きやすく、かっこいいスタイルはどんなのか・・・いまだに研究は続いています。
今日もこれから安売りの「しまむら」と「ユニクロ」でめぼしい服装を探してきます。
Posted by トンサン at November 27, 2010 11:05
いいですねえ、こういうのも。自転車っていろいろな楽しみ方ができるってことですよね。各人が快適に乗れる形が一番です。
Posted by moumou at November 27, 2010 15:00
何かしら素的ですね。伝統や格調には、機能だけによらない憧れみたいなものを感じます。永く引き継がれているものは、意味のある文化として生き残っているのでしょう。通勤でも散策でも、ファッション感覚に乏しい私の服装は、元祖ユニクロかサイクル界のユニクロで調達したものばかりです。
30年後の日本では、学生服でロードマンやユーラシアに跨る詰襟ライドが蘇ったりしていないか、被り物姿のママチャリ耐久レースが社会風刺マニアに特化していないか、気になるところです。
Posted by 七九爺 at November 27, 2010 18:23
fischerさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ファッションはツィードとは限りませんが、シブくキマっている年配の方、たまにいらっしゃいますね。
よく手入れされたクロモリに乗ってらっしゃったりします。私は一度、年配の女性の方で、キマっている方も見たことがあります。
確かに、ファッションによっては寒かったり、機能的でなかったりすると思いますが、自分のスタイルが確立していて、流行りの今どきの格好なんて出来ないという方もいらっしゃるのでしょう。
あまり若者風の格好にしたりすることを潔しとしない方もあるのかも知れません。
その毅然とした部分がカッコイイのかも知れませんね。
Posted by cycleroad at November 28, 2010 22:55
ヨッシーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
たしかに登山も、昔はそうだったみたいですね。
ニッカーボッカーは、いまは作業着のことだと思っている人もいますが、昔はいろいろスポーツ用に使われていたようです。
逆にゴルフなどをする時、今どきニッカーボッカーをはきこなせるのは、相当オシャレな人ということになるのかも知れませんね。
クラシカルでお洒落な大人のファッションとして、また見直されていくかも知れません。
Posted by cycleroad at November 28, 2010 23:06
トンサンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、サイクルジャージとレーパンという定番以外の服装を、と考えると、けっこう難しいものがあるかも知れませんね。あまり、お手本となるような確立されたスタイルがないというか..。
そんな中で、トラッドでクラシカルな、ツィードにニッカーボッカーなんていうスタイルも、もしかしたら今後流行るのかも知れません。
まあ、ファッションは一人ひとり好みがありまかから、自分なりのスタイル、自分好みのファッションを楽しめばいいことですね。
広い視野とは恐縮です。自分で面白いと感じたものを、あれこれ取り上げているというだけです。
Posted by cycleroad at November 28, 2010 23:23
moumouさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、いろいろな楽しみ方をしている人がいますね。動きやすさとか体温調整ばかりが基準じゃありませんから、各自がいいと思う服装を楽しめばいいということでしょうね。
Posted by cycleroad at November 28, 2010 23:27
七九爺さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
必ずしも、ツィードのジャケットで自転車に乗るのが、今でも意味があるとは限らないような気がしますが、若い世代にとっても、なにか懐かしさを感じる部分があるのでしょう。
レトロっぽさが、いい味を出しているということもあるでしょうね。
イギリスあたりに比べると、日本の自転車文化と言っても底の浅い部分がありますから、後世に見直されるくらいの、日本の古いスタイルが確立するのは、まだずっと先ということなのかも知れませんね。
Posted by cycleroad at November 28, 2010 23:38
 
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