March 14, 2011

やむなく自転車通勤する時に

巨大な地震が起き、未曾有の被害が出ています。


自転車通勤に切り替えテレビで報じられる被害の大きさに唖然とするばかりです。地震はマグニチュード9.0という日本の観測史上最大、世界でも最大規模のものであり、それによってひき起こされた巨大津波による被害と合わせて、太平洋沿岸を中心に壊滅的な被害となっている地域もあります。

さらに福島の原子力発電所にも大きな被害が及び、その後の状況は非常に憂慮すべき状態です。2つの原子炉の建屋の上部が爆発で吹き飛ぶなど、これまでにない経緯をたどっています。時々刻々その状況が報道されていますが、いまだ予断を許さない状況です。

まだ行方不明の方が数多く、孤立している場所もあります。救援物資もスムースには届かない状態で、この寒空の下、満足に暖もとれない状態で避難生活されている方々には、まことにお気の毒としか言いようがありません。そんな状況においても冷静に行動し、お互いを気遣い、助け合っている姿には頭が下がります。

首都圏でも大きな揺れと一部に被害が出ました。地震当日は交通機関が停止して混乱し、家に帰れない多くの帰宅難民も出ました。タクシーなども当然つかまらず、急遽自転車を買い求め、帰宅の足にしようとした人もあったようです。一部自転車店ではたくさんの自転車が売れたと言います。

目立つ自転車余震も相次いでいますが、電力不足から東京電力管内では、計画停電の実施が発表されています。週明けに備え、週末に停電用の物資が買い求められ、乾電池などは売れ切れになっているところも多いようです。被災地に優先して送られているため、一部食料品なども品薄となっています。

週明けは多くの電車が運休しました。駅に入場できずに長蛇の列が出来たり、計画停電が直前に中止されるなどの影響で混乱も起きています。こうした事態に備え、週末に自転車を買い求めた人も多かったようです。いつもに増して自転車通勤をする人の姿が、一部で多く見られました。

そこで、急遽自転車通勤をすることにした人にとって、注意すべきこと、参考になると思われることを私なりにまとめてみました。ふだん、最寄り駅まで自転車で通っている方も、勤め先まで直接通勤する場合は、距離も長く違ってくることもありますし、知らずに違反などをしているかも知れません。


車道の左側を走行

車道の右側の走行、すなわち逆走は禁止です。クルマやオートバイ、他の自転車と正面から交錯する形となって危険です。すいている歩道はともかく、歩行者で混雑している歩道では歩行者優先を厳守し、出来れば車道の左側を走行しましょう。いわゆる2段階右折をし、右折後に逆走にならないよう留意します。

信号や標識を遵守

徒歩と違って自転車だとすぐ渡りきれると思うのか、信号無視する人がいます。危険ですし、周囲にも迷惑で身勝手な行動です。つられて渡った人が事故に遭ったりすることもあります。立体交差など、自転車通行が禁止の場所もあります。危険ですので標識を守りましょう。停電で信号が消えている場合にも注意です。

左折巻き込み注意

信号が青でも、左折するクルマの死角に入ってしまうことがあります。交差点では左折巻き込みに注意です。また前方から右折してくるクルマが、自転車に気付かず曲がってくることもあります。こうしたクルマにも注意が必要です。路地から出る場合など、見通しの悪い場所では必ず一時停止しましょう。

ライトの準備・点灯

夜間の帰宅になる可能性がありますし、計画停電で街灯も消えている可能性があります。必ずライトを携行し、早めに点灯しましょう。赤い尾灯もあれば安全ですが、これを前に取り付けると進行方向を間違われますから厳禁です。もちろん予備の電池なども必要です。品薄で途中では調達できない可能性があります。

服装やヘルメット

クルマからの視認性を高めるため、なるべく目立つ色の服を着るべきです。反射材などがあれば、身につけます。ヘルメットがあれば、かぶったほうがいいでしょう。服装に応じて、裾を止めるバンドや、防寒対策として手を動かしやすい手袋や帽子、地図、場合によって着がえなどもあれば便利です。

点検とメンテナンス

長期にわたって動かしていない自転車は点検が必要です。チェーンやブレーキのワイヤーなどが切れる場合があります。ブレーキなどをテストすると共に、タイヤの空気圧を適性にすると、パンクの確率が大幅に減ります。ママチャリの場合、出来るだけサドルを高くするとフラつくことも減り、こぐのもラクになります。

ゆっくりと安全走行

急ぐ気持ちが出がちですが、長距離では疲れてしまいますし、ゆっくり走行することが重要です。そのぶん安全にもなります。自転車の交通量が増えているかもしれませんが、並走は厳禁です。なるべく譲り合い、無理な追い越しも危険です。焦らず、流れにそって走行し、追い越す場合は後方の安全確認も必要です。

ながら走行は危険

携帯電話を使いながら、音楽プレーヤーを聞きながらの走行は厳禁です。周囲に注意し、音を聞くことも重要です。駐車中のクルマのドアが突然開くこともあります。危険回避を除き、むやみに歩行者などにベルを鳴らすことも禁止されています。傘さし走行も危険なので禁止されています。


信号機の停電被災した現地には警察や消防、自衛隊、その他多くの方々が救援活動をされています。また海外からも救援隊が到着し、世界からも支援の申し出が寄せられています。被災していない私たちは、当面自分たちで出来る事をするしかありません。まずは少しでも節電するなども大切でしょう。

こうした状況でも、多くの人は冷静に行動しています。混乱した中でも整然と並び、お互いに思いやりを持って行動しています。自転車通勤をする場合でも、身勝手な走行をすることなく、交通ルールを遵守し、お互いに譲り合い、安全に走行したいものです。





あらためて、被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。チェーンメールが流されたり、いろいろなことを言う人もいますが、落ち着いて行動したいものです。

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この記事へのコメント
急遽自転車通勤にあたっての注意、ほんとうにその通りですね。
提供する側の方々も今まで以上に気を配って、決して難しくはない運用知識を添えて、自転車を渡してほしいと思います。

こんな時にこそ身勝手は謹み、揚げ足取りにならず、デマに惑わされず、自分に何ができるのかをよく考えて、冷静に行動したいです。
被災地を思い、秩序ある日本の誇りを再確認して、間違ってもガリガリ亡者や火事場泥棒のような輩に加担せぬように。
Posted by 七九爺 at March 15, 2011 18:47
こんにちは。

twitterを見ると、「帰りの電車が無くなって自転車を買って帰ったら事故にあった」とか、「ガソリンがなくて自転車通勤した娘が事故にあった」等生々しいつぶやきがありました。

また、実際に自転車通勤された方のお話(ブログ)では「普段から自転車通勤してる人」、「休日に乗るけど自転車通勤はしていない人」、「家からママチャリをかりてきたんだけど、自転車は左側通行だった?」などいろんな人が混在しているそうです。

自転車の交通ルールを守らない人やマナーの悪い人は「その行為によって事故を起こしたときの危険性を理解していない人」だと思います。逆走・無灯火・信号無視がなぜいけないのか。危険性を理解出来れば法律云々の以前に守ろうと思うはずです。

そのような理解のある人は自転車にのる前に自分で交通ルールや知っておくべきことを調べようとしますが、残念ながら全員ではありません。

僕自身もtwitterやネット上で注意喚起を行いましたがやはりこれだけでは足りない気がしています。そこでテレビという違う媒体での呼びかけも重要と考え、ヒキタさんの勤めいらっしゃるTBSと、公共性の高いNHKに「停電の影響で自転車通勤者が急増し、これにともない事故が急増する危険性がある。自転車通勤者に交通ルールを徹底するよう報道してほしい」との内容の要望メールを出しました。あまり効果がないような気がしてますが、出さないよりはマシかと思っています。

防げる事故は防がねばなりません。
Posted by さすらいのクラ吹き at March 15, 2011 19:22
七九爺さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
販売の現場でも、安全走行が啓発出来るといいと思いますが、難しい部分もあるかも知れませんね。
マスメディア等においても、この状況下で自転車走行の安全注意までは扱っていられないでしょう。
実際の通勤の現場でベテランの自転車通勤者がアドバイスするなどの行為も有効かも知れません。ただ、高圧的な言い方に聞こえたりすると、トラブルになりがちなので注意が必要だと思います。
被災地でも秩序だった行動がなされています。おっしゃる通り、私たちも冷静に行動しなければなりませんね。
Posted by cycleroad at March 15, 2011 23:21
さすらいのクラ吹きさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
すでに事故も起きているのでしょうね。緊急避難的に自転車に乗り始めた人も相当な数に上るでしょうから、混乱もおきているのだろうと思います。
おっしゃる通り、交通ルールを守らないことの危険性を理解していない人が多いのは間違いありません。
残念ながら、いわゆる事故を起こしてみないとわからない、ということなのでしょう。
単に禁止というだけでは、軽く思われてしまい、守ろうと考えない人が多いのもその通りだと思います。危険性が理解できない人であるほど、安全に対する知識や情報の収集もしないでしょうから、痛し痒しといったところです。
なかなかテレビでは、今のところそこまでの情報は扱えないかも知れませんね。今後、状況が落ち着いてくれば違ってくると思いますが..。
計画停電が長期化し、ラッシュ時の鉄道の運輸力の不足が恒常化するようだと、通勤時の道路状況も把握され、安全への啓発が行われるようになるでしょう。
おっしゃるように、なんとか自転車走行にも秩序が形成され、事故が防がれるようになってほしいものです。
Posted by cycleroad at March 15, 2011 23:52
悲惨な状況には、暗い気持ちになりますが、少しでも前向きなことを考えるのも、気持ちが明るくなるかなと。

計画停電で、少しでも節電の意識が増すと良いと思います。
電気を暗くした駅やコンビニの映像を見ると、これでもまだ明るすぎるんではないかと感じてしまいます。
短期的にはTVも半分くらい放送局止めても良いんじゃないかと思ってしまいます。

自転車通勤、買い物等、少しでも自転車を多用されようになれば、道路の状況も改善されないでしょうか?
五叉路なんか、どうやって横断して良いか分からない所も多いです。

電気や石油に少しでも頼らない生活を習慣化したいですね?
Posted by ヨッシー at March 16, 2011 09:28
ヨッシーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、大変な状況でも被災地の方々が頑張っているわけですから、後ろ向きになっているだけではいけませんね。
たしかに計画節電という方法は必要だと思います。ただ、病院などの施設や、自宅でも電力の供給継続が生死にかかわるような方もいらっしゃいます。信号も止まりますし、事故の心配もあります。
短時間でも停電が避けられるほうがいいのは間違いありません。そのためにも、もっと節電出来たらいいと思います。
一部でガソリンも品薄になっているようですし、自転車が活躍する部分は拡大するかも知れません。
おっしゃるように、節電や石油依存について考える機会にもなるかも知れませんね。
Posted by cycleroad at March 16, 2011 10:10
万が一の運休に備えて2日程、自転車通勤しました。早朝で車道も歩道もガラガラでした。幅広い歩道だったので、自転車で歩道を走行しました。原宿駅前で代々木公園に抜ける所で、歩道からは直進するには、歩道橋を上るか、迂回するしか有りませんでした。
 歩道を自転車で通る私が悪いのかもしれませんが、広域非難所に指定されている公園への通路が歩道橋しか無いのは納得出来ません。
Posted by ジャムおばさん at March 18, 2011 07:19
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車通勤されましたか。鉄道の混乱に伴って、最初から自転車にした人も多かったようですね。
歩行者優先を守っている限り、通行が認められているのですから、歩道を通るのが悪いことはありません。
ただ、おっしゃるように、自転車だと通りにくくなっているところもありますね。広域避難所にしても、徒歩での避難しか想定していないのでしょう。
Posted by cycleroad at March 18, 2011 20:34
 
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