自転車に乗っていて、不便だと思うことはありませんか。
誰もが不便だと思うようなことであれば、自転車店に行ってアクセサリーなどを探すと解決することも多いはずです。しかし、不便と思う事は人によってさまざまです。多くの人が不便だと思わないことだと、それを解決するための道具も見つからないでしょう。後は自分でつくるしかありません。
前回も取り上げた“
instructables.com”ですが、そんな個人的な不便や不満を解消するアイディアもたくさん紹介されています。普通の人から見ると、「そんなことが不便だとは思えない」ようなものもあります。「なるほど、言われてみれば不便だ」というものもあるかも知れません。
「まさに自分も不便だと思っていた」と手を打つようなものもあれば、「自転車はそういうものだと思っていたので、不便とは気付かなかった」こともあるかも知れません。ユニークな解決策や笑えるものも含め、今回は自転車の不便を解消するアイディアの数々を取り上げてみたいと思います。
クルマにはハンドブレーキ(サイドブレーキ)があるのに、自転車に無いことが不満だった人がいます。サイドスタンドで自転車を自立させておく時、あるいは自転車を壁に立てかけておきたい時など、場所によってはタイヤが動いてしまって、うまく駐輪出来ないことがあります。
ちょっとした傾斜や風のせいで動いてしまったりするので、パーキングブレーキがあれば、タイヤを固定できると考えたわけです。使ったものはゴム1本、ハンドルとブレーキレバーを固定しただけですが、うまく目的を果たしています。なるほど、ハンドブレーキです。
自転車に乗りながら時間が知りたいと、ハンドルバーに時計をつけた人もいます。あまりにシンプルなアイディアで、逆に意表を突かれます。もちろん、多くのサイクルコンピュータに時計機能があることは知っています。でもこの人、アナログの時計が好きで、単につけたかったのだそうです。ちなみにスピードは出ません(笑)。
長距離を走行する時など、同じ姿勢だと疲れるので、いろいろなポジションがとれたほうがラクです。そこで、ロードバイクのドロップハンドルとマウンテンバイクのフラットハンドルを合体させてしまった人がいます。ちゃんとブレーキまで両方についています。
自転車にはウィンカー、方向指示器がないのが不便と考える人は少なくないようです。昔、日本でもウィンカー付きの子供用自転車が流行ったことがあります。ただ、自転車にウィンカーがついているとは思わないドライバーがほとんどだと思うので、ウィンカーだと気づいてくれるかは微妙な気もします。下は別の人の作品です。
スポーツバイクにはフェンダー、泥除けがついていないものも少なくありません。ふだんは必要なくても、雨上がりなど、泥はねを防ぎたい時もあります。そこで、この簡易フェンダーです。材料は2リットルの牛乳パック、水を通さない加工がしてある紙なので、うってつけです。
いや、いくらなんでも牛乳パックは格好が悪い、出来ればフェンダーをつけることで、見た目がカッコ悪くなるのも避けたい、という人なら、透明のペットボトルで作ることも出来ます。ペットボトルだけだと弱いので、クリーニング屋さんでもらう、針金のハンガーも使っています。確かに、遠目には見えないかも知れません。
フェンダーをつけているように見えない究極のフェンダーはこちらです。写真ではわかりにくいですが、フェンダーに、古いタイヤを使っています。つまり、フェンダーがタイヤのように見えるので、フェンダーをつけているように見えないというわけです。なるほど(笑)。
自転車は音が静かということが、逆に不便と考える人もあるでしょう。歩行者が接近に気付かず、危ないこともあります。用意するのは、テープとプラスチックの容器などの断片だけです。これだけで、常にオートバイかチェーンソーのような音を出すことが出来ます。
自転車で犬の散歩に出かけたいが、リードを持って片手でハンドルを握るのは大変という人は、こちらの装置をシートポストにつけるだけで解決です。リードも絡まりません。ただ、犬が先行すると、犬ぞりのようになってしまうので注意が必要です(笑)。
パンクには備えたいが、大きなポンプを持って行きたくないと考える人もあると思います。こちらの“装置”、イザという時に、そのへんのクルマのタイヤから、その空気圧を利用して、自分の自転車のタイヤに空気を入れるための道具です。盗むのは空気だけですが、器物損壊に問われても責任はとれませんので悪しからず(笑)。
こちらは、自転車とガーデニングの趣味を両立させる裏ワザです(笑)。庭がない家に住む人でもガーデニングが楽しめますし、自転車で日当たりを求めて移動することも出来ます。自転車で出かける時、水やりが出来なくて困ることもありませんし、常に植物の成長を観察することも出来る、庭つき自転車です。
こちらはオーソドックスに、荷物を運ぶ荷台のコンテナが座席に早変わりという作品です。場合によっては、とても実用的なアイディアですが、庭つき自転車を見た後では、なぜか物足りなく見えてしまうのは、私だけでしょうか(笑)。
荷台に、長尺のものを載せて運べなくて不便という人もいるでしょう。こちらは、伸びる荷台です。この方はヨガマットを運ぶのにつくりました。材料は、台所の戸棚の中にあるような、手前に引き出して使うようになっているスライド式の収納棚を利用しています。
自転車に乗って出かけても、常に新鮮なフルーツジュースが飲みたいという人もいるに違いありません。屋外であっても、自転車のペダルをこぐ力を利用してミキサーを回しますので、発電機などは一切不要です。出先で、新鮮な果物を入手して、その場でジュースにして飲むことも可能です。
私も新鮮なフルーツジュースが嫌いというわけではありませんが、わざわざアウトドアでジュースをブレンドするというアイディアに惹かれる人が少なくないという事実に驚きます。下の作品はまた別の人のものです。ほかのサイトでも、いくつか見たことがあります。ミキサー自転車、トレンドになるかも知れません(笑)。
使っていないトレッドミル、いわゆるルームランナーと自転車を組み合わせれば、室内で自転車がこげて画期的と考えた人もいます。わざわざ自転車を溶接して取り付けたわけですが、ローラー台やトレーナーを使っている、または知っている人から見ると、いろいろな意味で微妙なアイディアではあります。
ちなみに、自転車とは関係ないのですが、トレッドミルで歩いているだけの時間がもったいないと考える人は少なくないのかも知れません。いっそのことデスクを取り付けてしまえば、歩きながらデスクワークが出来るだろうと考えた人もいます。
せっかく室内で自転車のトレーニングをするならば、その力を有効利用しなければもったいないと考える人は少なくないでしょう。いっそのこと発電機を取り付けて、トレーニングしながら発電してしまえばいいと考える人は世界中にいるはずです。よくあるアイディアです。
しかし、もうひと工夫して、自転車のホイールを使って風力発電用の風車をつくってしまった人もいます。古くなった自転車のホイールを捨てずにリサイクル出来るだけでなく、ちょっと細工して取り付けておけば、勝手に発電してくれるというのは魅力的なアイディアです。
いろいろ取り上げてみましたが、何かの役に立つヒントはあったでしょうか。言い古された言葉ですが、「必要は発明の母」ということもあります。ふだん、こういうものだと思いこんでいたり、仕方がないと諦めてしまっている「不便なこと」があると思います。そんなことを探して解決方法を考えてみるのも面白いかも知れません。
今年のゴールデンウィークは、けっこう宿が空いているということで、直前に予約して出かける方も増えているようです。私もあちこち出かける予定でいます。